目次
- 新型コロナウイルス感染症の後遺症は、感染時に無症状だった人にも現れることがある!?
- 新型コロナウイルス感染症の後遺症が疑われる代表的な症状は?咳、味覚障害、倦怠感?
- 新型コロナウイルス感染症の後遺症はいつまで続く?
- もしも、あなたが新型コロナウイルス感染症の後遺症かな?と思ったら・・・
新型コロナウイルス(COVID-19)の発生以降、感染リスクや予防法など、さまざまな面で新型コロナウイルス感染症に対する理解が進んできました。そんな中で、意外に知られていないのが、感染から回復した後も残る後遺症です。療養期間が終了したにも関わらず、症状が慢性化したり、新たな不調が現れたり...といったケースが数多く報告されています。
コロナの後遺症が疑われる症状をメインに、コロナ後遺症相談窓口に寄せられた相談者の症状の割合、年代、コロナ陽性判明から相談日までの経過日数などのデータをご紹介します。
新型コロナウイルス感染症の後遺症は、感染時に無症状だった人にも現れることがある!?
新型コロナウイルス感染症にかかった後で、「カラダがだるい」「せきが治まらない」「匂いや味がわからない」などの症状が長々と続いていませんか?もしかしたら、それは、新型コロナウイルス感染症による後遺症かもしれません。
新型コロナウイルス感染症の後遺症は、「ロング・コビッド(Long COVID)」と呼ばれ、国内外での調査によって、少しずつその実態が明らかになってきています。年代や性別に関係なくみられ、20代、30代の若い世代でも発症する割合が高いとの報告もあるようです。
また、感染時の症状が重かった人、軽かった人、無症状だった人、誰にでも現れる可能性があり、症状が1年以上も続いた例も確認されています。
新型コロナウイルスの後遺症の原因や発症のメカニズムについては、現時点では、はっきり解明されていません。ただし仮説として、以下のようなことなどが考えられています。
・新型コロナウイルスによる過剰な炎症が続いている。
・新型コロナウイルスに感染したことで、免疫系統の機能不全が起きている。
・間違って自分のカラダの組織を攻撃してしまう「自己抗体」によって引き起こされる。
※参考:東京都福祉保健局 「新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット
次は、新型コロナ後遺症が疑われる主な症状についてご紹介しましょう。
新型コロナウイルス感染症の後遺症が疑われる代表的な症状は?咳、味覚障害、倦怠感?
新型コロナの後遺症が疑われる主な症状には、次のようなものが挙げられます。人によって現れる症状や度合いは異なり、いくつもの症状が同時に見られるケースもあります。
倦怠感
「だるい」「疲れやすい」といった軽いものから、「起き上がれないほどカラダが重い」といった重度のものまで、症状の強さは様々です。
味覚・嗅覚障害
「味、においがわからない」「本来とは別の味やにおいを感じる」など、味覚・嗅覚の異常が続くことがあります。
発熱
一般的な発熱のほか、長期間にわたって微熱が続くことがあります。
せき
軽いものから激しいものまで、療養期間が過ぎてもせきの症状が治まらないことがあります。
息苦しさ
療養期間が過ぎても呼吸困難感が抜けず、「じっとしていても息苦しい」「しゃべると息切れする」などの症状が続くことがあります。
抜け毛
感染中に症状が現れ、回復した後も抜け毛が続くことがあります。
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都立病院の「コロナ後遺症相談窓口」への相談者の主な症状は、令和6年3月時点のデータによると、オミクロン株で、咳痰38.6%、倦怠感34%、発熱・微熱 17.4%、味覚障害 10.6%、呼吸困難感 11.3%という割合で、デルタ株以前では嗅覚異常 30.4%、倦怠感 26%、味覚障害 23.3%、咳痰 22.2%、発熱・微熱 19.1%という割合です。
新型コロナウイルス感染症の後遺症はいつまで続く?
また、相談者の年代の割合では、オミクロン株で10代 5%、20代 17%、30代 17%、40代 23%、50代 15%、60代 5%、70代以上4%、未回答13%で、デルタ株以前では、10代 5%、20代 20%、30代 16%、40代 22%、50代 16%、60代 9%、70代以上 5%、未回答 7%でした。
東京iCDCリスクコミュニケーションチームが実施した、都民1万人アンケート調査によると、新型コロナ陽性判明の方で感染から2ヶ月以上の期間、後遺症を疑う症状があると答えた割合は2024年の調査では、23.4%となっています。この中で後遺症の日常生活への支障が「非常に/ややあった」の回答割合は約85%でした。
もしも、あなたが新型コロナウイルス感染症の後遺症かな?と思ったら・・・
新型コロナウイルス感染症の後遺症は、重症化する恐れもあるため、疑いがある際にはいち早く対処することが肝心です。「もしかして...?」と思ったら、激しい運動や無理な活動を避け、かかりつけの医療機関や保健所等に相談をしてください。
最初にもお伝えしたように、新型コロナウイルス感染症の後遺症は、感染時に無症状だった人にも現れることがあります。感染歴がある方は後遺症のことをココロに留め、ちょっとした不調や違和感であってもやり過ごさないようにしましょう。また、家族や友人、職場関係など、周囲の罹患者に対しては、回復後に後遺症が出ていないかを気にかけてあげてください。「症状が治るのか先が見えず、不安でふさぎがちになった」と回答した方の割合が高かったというデータもあります。(東京iCDCリスクコミュニケーションチームが実施した、都民1万人アンケート調査より)
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監修
乾 真理子