目次
- ナルコレプシーとは、自分ではコントロールできない睡魔
- ナルコレプシーの原因は?漢方で考える眠りと「気血」の深い関係
- 健康的な「眠り」をサポートする漢方薬を活用してみよう
- 過剰な情報は避けたほうがよい?心が安定する環境を整えて暮らしてみませんか
会議中に眠気が襲ってきて、ついウトウト…。眠ってはいけない時間帯には眠くなるのに、夜ベッドに入るとなぜか目がギラギラして眠れない。そんな経験がある方は意外と多いのではないでしょうか。根性論では「日中に眠くなるのは気合いが足りないから」なんて言われがちですが、日中の眠気を気持ちの持ち様で片付けてはいけない場合も。とくに、自分では制御できない強烈な眠気がくり返し起こっている場合は要注意です。今回はそんな、日中に起こりがちな睡眠障害について、漢方の視点から探っていきましょう。
ナルコレプシーとは、自分ではコントロールできない睡魔
「睡眠」は脳を休めたり、記憶を整理したりと、さまざまな役割を果たします。また、漢方では良質な眠りが成長や発達、加齢などと関係の深い「腎(じん)」の働きを強化するともいわれていて、健康とは切っても切れない関係があるのです。
だからこそ、慢性的な寝不足がある人は、深刻な状況になる前にご自身の睡眠と向き合う必要が。日中に突然強い眠気が出現して、眠り込んでしまう症状に悩む方がいます。こういった強烈な“睡眠発作”は「ナルコレプシー」とも呼ばれます。
ナルコレプシーとは、厚生労働省のHPによると、食欲や睡眠と関係のある神経伝達物質「ヒポクレチン」を作り出す神経細胞が働かなくなることで起こる「過眠症」のこと。眠気が襲ってきたことに気づく前に眠り込んでしまうため、仕事中でもコントロールすることができません。このような状況が続くと、仕事をしている人は会社の評価や出世にまで響いてしまう可能性が。運転中であれば危険を伴います。下記の症状に当てはまる方は、医療機関で検査を受けるなど、医師に相談することをおすすめします。
〈ナルコレプシー診断〉
ナルコレプシーは、1つでも当てはまる項目があれば、ナルコレプシーによる不調の可能性が考えられます。
- □商談中や会議中、試験中などに強烈な眠気が襲ってくる(眠り込むことも)
- □びっくりした時や大笑いした時にカラダの力が抜ける(脱力する)
- □日中、気づかないうちに居眠りをしていた
- □夜、寝る前に金縛りや幻覚症状がある
- □強い眠気を自分でコントロールすることが難しい
ナルコレプシーの原因は?漢方で考える眠りと「気血」の深い関係
漢方では、眠りにはカラダの中をめぐっている「気血(きけつ)」が関連していると考えます。たとえば、赤ちゃんがたくさん寝られるのは、「気血」が十分に足りていて、体の中をきちんとめぐっているからです。
ところが、大人になるとさまざまな情報にさらされ、疲労や精神的ストレス、不安、心配ごとといったネガティブな精神状態になる場面が増えてきますよね。そこに不規則なライフスタイルなどが重なると、蓄積した疲労やストレスが、気のめぐりを邪魔してしまいます。気がめぐらなくなるとカラダに熱がこもり、余分な熱が頭にのぼって脳を疲れさせてしまうことも。睡眠障害は、そういった心のダメージが原因で起きている可能性も考えられます。ナルコレプシーは、神経伝達物質「ヒポクレチン」を作り出す神経細胞の異常で起こりますが、原因は諸説考えられるため、そういったストレスなども影響しているかもしれません。
気血水の考え方は、「漢方の基礎知識(気血水とは)」を参考にしてください。
健康的な「眠り」をサポートする漢方薬を活用してみよう
気持ちを落ち着かせたり、気をめぐらせたりするのは、漢方薬の得意分野のひとつ。体質とお悩みに合った漢方薬を取り入れて、睡眠の質を高めるのもおすすめです。
イライラや不安で眠れない方に
柴胡加竜骨牡蛎湯は、仕事のプレッシャーや人間関係などでイライラし、思い悩んでしまう方や、仕事のプレゼン前や試合前などに緊張して眠れないという方におすすめの漢方薬。滞っている気をスムーズにめぐらせ、カラダにこもった熱を冷ますとともに、心を落ち着かせてくれる処方です。
セリ科の植物の根から作られた柴胡(さいこ)や半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)、黄芩(おうごん)、大棗(たいそう)など、11種類の生薬を配合。脳の興奮から来る不眠や睡眠トラブルを改善する作用が期待できます。
消化器が弱く神経がたかぶりやすい睡眠障害
怒りやイライラなど神経が高ぶる感情のことを「肝(かん)が高ぶる」と表現することがあります。また、カラダの栄養である「血(けつ)」が不足すると、ストレスに対する耐性が低くなって感情が抑えられなくなり、気のめぐりが阻害される場合も。抑肝散加陳皮半夏は、肝の高ぶりを抑える作用が期待できる漢方薬。血を補うことで、気血をめぐらせる働きを持つ処方です。
抑肝散加陳皮半夏には、漢方薬に使われることの多い当帰(とうき)や川芎(せんきゅう)、陳皮(ちんぴ)など、9種類の生薬を配合。自律神経や胃腸の働きを整え、ストレスがカラダに与える影響を和らげることで、ナルコレプシーなどの睡眠障害に対応します。
過剰な情報は避けたほうがよい?心が安定する環境を整えて暮らしてみませんか
スマホを開けば、膨大な情報が目に飛び込んでくる昨今。SNSやネットニュースをサーフィンしているうちに、欲しくない情報まで受け取っていませんか。
イライラしている時や眠れない時ほど、スマホを手放せなくなりがちですが、それは心とカラダに刺激と悪影響を与えていると言わざるを得ません。過剰な情報源からはできるだけ距離をとり、頭がからっぽになる静かな時間を作ることは、トゲトゲとした心をやさしく鎮めてくれる効果があります。もしYouTubeを開くことがあれば、ヒーリングミュージックをかけるなど、気持ちが休まる使い方を心がけたいですね。
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