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年々気になるのがお腹周りのお肉。運動しても食事に気を付けていてもお腹のぽっこりだけは効果が上がらずもやもやしている人が多いのではないでしょうか?引き締まった腹筋と美しいくびれは女性の憧れ。ツラいトレーニングや食事制限無しでなんとかできたなら…。そんな人におすすめなのが「ピラティス」というトレーニングです。運動が苦手でも「あること」に気を付けて動くことで美しいくびれに手が届くかも!?家で手軽にできる「くびれピラティス」トレーニングを動画と文章でご紹介します。
ピラティスとは?
ヨガと間違われやすいピラティス。筋力や柔軟性を向上させ、健康に役立つといった共通点があるため混同しやすいのですが、ヨガとピラティスでは目的や効果が異なります。ヨガは腹式呼吸でアーサナというポーズ(静止)を行い瞑想や心の安定を目指すといった心身の調和にフォーカスした健康法です。
一方、ピラティスはドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が、戦争で負傷した兵士の看護をした経験から考案したもので、身体の機能改善を目的に胸式ラテラル呼吸でムーブメント(動作)を行うトレーニング法です。ヨガは腹式呼吸で副交感神経を優位にするためリラックスを促しますが、ピラティスは胸式ラテラル呼吸という刺激的な呼吸で交感神経を優位にするため集中力やカラダのパフォーマンスを向上させます。
つまりヨガは精神性を追求するものですが、ピラティスはフィジカルを鍛えるトレーニングなのです。
お腹周りが痩せない理由
ダイエットを頑張って体重は減ったけれどウエストのもたつきだけが取れない…。食後でもないのにお腹がぽっこり出てしまう…。そのような悩みは年を重ねるごとに増えてきます。
その理由の一つに、女性ホルモンが関与していると言われます。女性ホルモンは概ね30代で分泌量がピークに達しその後は低下をはじめます。その影響で内臓脂肪がつきやすくなり、筋力の低下も促すことから内臓が下垂しやすくなります。
お腹のエリアは肋骨のような骨で覆われていないため、お腹周りの筋肉の支えが弱いとぽっこりと前に出てしまうというわけです。内臓下垂は消化機能の低下や便秘など、見た目だけでないカラダの不調を引き起こします。
よって腹筋の深層部分、いわゆるカラダの体幹の最深部(コア)にあたる筋肉がしっかり使われていることで見た目のシェイプアップだけでなくカラダを中から若々しく保つことができるのです。
ピラティスのメリットとは
ピラティスは、胸式ラテラル呼吸(肋骨を横と後ろに広げる呼吸)というカラダのエネルギーを使って代謝を上げる呼吸を行うため、交感神経が活性化し覚醒を促します。
つまり呼吸だけで効率よく基礎代謝を上げることができるのです。腹式呼吸では吸気で腹筋を緩ませるためお腹がふくらみます。
しかし、胸式ラテラル呼吸では吸気で肋骨を横と後ろを広げるように動かしお腹をふくらませることはしません。呼気で肋骨をしっかり閉じる際に腹部を薄く細く引き締めおへそを上方へ引き上げる意識を持ちます。吸気でも腹筋が緩まないように骨盤底筋群を意識することでエネルギー効率の高いエクササイズのような呼吸になるのです。
腹筋の深層部を、まるで自前のコルセットをギューッと締めるように使えるためにくびれたお腹を目指すことができるわけです。
(詳しいやり方は後程動画でも解説していきます)
腹筋の最深部(コア)にあるのは腹横筋。腹筋の1つではありますが、いわゆるカラダを動かす筋肉ではなく「カラダを安定させる」筋肉です。腹横筋は呼吸によって起動するため呼吸筋でもあります。
コアの筋肉はカラダの深層部でカラダを安定させるために働くものですが、この腹横筋の他に呼吸の主動筋でもある横隔膜(焼肉だとハラミ)、背骨(脊柱)を安定させる多裂筋、骨盤の下支えを担っている骨盤底筋群の4カテゴリーの筋肉がチームとなって働くことで相乗効果が生まれます。この4カテゴリーの筋肉チームが「コアの筋肉」であり、呼吸をきっかけに体幹の安定を促します。
Let’sトライ!くびれをつくる「ピラティスの呼吸」
コアの筋肉チームを呼吸で起動させてみましょう!ピラティスの呼吸は鼻から吸って口から吐き出します。
背骨だけでなくあらゆる骨と骨の間に隙間を作る感覚で、長いカラダをイメージし呼吸をしていきましょう。仰向けでも椅子に座っても立位でも好きな姿勢で呼吸をしてみましょう。
- ① 姿勢を正します。背骨(首、胸部、腰部全て)を長く保ったまま維持する「多裂筋」が起動します。
- ② 骨盤は腰骨の飛び出ている部分と恥骨を結ぶ三角形の面が座位・立位なら床と垂直に、仰向けなら床と平行になるように整えます。
- ③ 鼻から息を吸って胸を開き肋骨を横と後ろに開くように「横隔膜」を起動します。
- ④ 吐く息で肋骨の下部を閉じるように腹筋深部「腹横筋」を起動し、吐き終わりにトイレを我慢するようなイメージでお尻の穴をカラダの中へ引き込む意識を働かせて「骨盤底筋群」を起動します。
※次に吸う息で①②を維持したまま③④を繰り返していきます。吸う息で骨盤底筋群が緩みやすくなりますが頑張って維持できるとベストです。吐く息でウエストを砂時計のように細くするイメージを持つとよいでしょう。
<呼吸のやり方動画>
Let’sトライ!くびれピラティス
ピラティスの呼吸は見た目には運動をしているわけではないのにコアの筋肉を使うためしっかりとエネルギーを使います。つまり電車に乗っている時や散歩などの際にも「呼吸エクササイズ」としていつでもどこでも取り入れることができます。この呼吸にプラスしてウエスト周りに動きをつけることでより効果的にくびれをつくることが可能になります。床に座って行う「キャンキャン」というエクササイズをやってみましょう。「CanCan」なのでフレンチカンカンのダンスをイメージしてやるとよいかもしれませんね。
■キャンキャンエクササイズ
- ① 床にヨガマットやバスタオルを敷いてその上に膝を立てて座ります(体育座り)。
- ② 座骨をマットに突き刺すように腰や背中が丸まらないよう、頭から座骨までが一直線上になるように背骨を長く保ちます(太ももと上半身が「V」の字を描くイメージ)。
- ③ 両手をお尻の横にそれぞれつき、膝を閉じてつま先を伸ばしかかとを床から離します。
- ④ 両膝を閉じたまま右に傾け右の座骨で床を押しながら胸から上は動かさずに正面に向けたまま維持し、ウエストをひねります。ポイントはみぞおちからひねること。
- ⑤ 次に両膝を左に傾け同様に片方の座骨でカラダを維持したままウエストをツイスト。【強化オプション】
- ⑥ 両膝を傾けた後に、片側の座骨で床を押しながら両膝を閉じたまま膝を伸ばしていきます。脚を伸ばすことで負荷がかかり強度が上がります。<左右同じように行います>
※骨盤が後ろに倒れないように、背中が丸くならないように意識を高めましょう
※吐く息でパワーが出るため、ひねる時に息を吐くとやりやすく感じるかもしれません
※呼吸を止めないように、コアを起動させながら行うと効果的です
※目安は左右各5回程度、痛みが出る場合は控えてください
<くびれピラティス動画>
ぽっこりお腹にアプローチするお助け漢方
ボディラインが丸くなってきている、むくみがちといったぽっちゃりの悩みにはカラダを中から整える漢方がおすすめです。体質に応じた処方と運動を組み合わせて効果的にスッキリとしたウエストラインを目指しましょう。
便秘がちでお腹周りの皮下脂肪が気になる方へ
脂質代謝を上げて、ためこまれた余分な脂肪を分解・燃焼して減らします。またスムーズな排便を促し便秘を改善させるため、お腹周りが気になる方に効果的です。
水太りが気になり、むくみがちなぽっちゃりタイプの方へ
食べ過ぎではないのに胃腸の働きが弱いためにカラダが処理できず太りやすい方へ。消化吸収を高めながら余分な水分代謝を促すため、カラダをひきしめむくみを改善します。
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那須久美子(https://www.kandworks.com/about)
・ピラティストレーナー
・ヨガセラピスト
・ヘルスケアデザイナー
・バレエティーチャー
・漢方アドバイザー
・介護予防運動指導員
・アスリートキャリアコーディネーター