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長い冬が明けて春がやってくるとうれしい反面、気になってくるのが「かゆみ」の症状。「目がかゆくて辛い」「鼻がムズムズする」「肌がカサカサしてかゆい」など、春のかゆみは人それぞれ違います。症状が1つのこともあれば、至るところが痒くなってしまうことも。本当に辛いですよね。
では、何とかして少しでもラクになるにはどうしたら良いのでしょう?今回は、春のかゆみに対して、自分でできるセルフケアを3つポイントからご紹介します。また、最後にかゆみにおすすめの漢方薬もご紹介しています。
かゆみ対策1:花粉やほこりは持ち込まない
春のかゆみの原因の多くは「花粉」と「ほこり」です。春のかゆみを和らげるには、まずは原因になる花粉やほこりを持ち込まないことが大切。具体的な対策をご紹介します。
・かゆみの原因になる花粉とほこりを家に持ち込まない
外出して帰ってきたとき、その服を着たまま室内に入ってしまっていませんか?洋服や髪の毛などに付いていた花粉やほこりが室内に入り込んでしまい、症状を悪化させる原因となります。家に入る前に、玄関でコートを脱いだり、カラダに付いた花粉などをよくはたいてから室内に入るようにしましょう。
・マスクやメガネをしてカラダに入れないようにする
花粉やほこりは目に付いたり、呼吸と共に鼻や口から体内に入ってしまいます。外出するときは必ずマスクやメガネをして、カラダに余計に取り込まないように心がけましょう。
・布団や洗濯物はなるべく室内干しや布団クリーナーを使う
春になると天気が良くて外に布団や洗濯物を干したくなりますが、花粉のついた布団や衣類は悪化のもと。なるべく室内に干すか、乾燥機や布団クリーナーを使うようにしましょう。
かゆみ対策2:かゆみのもとになる乾燥を徹底ケア
春のかゆみは花粉やほこりだけが原因とは限りません。乾燥も実はかゆみの原因や悪化の要因になっていることも。乾燥した肌はバリア機能が低下して、かゆみや赤みなどの肌トラブルを引き起こしやすいのです。
・春のかゆみは乾燥と紫外線に注意
乾燥というと冬場に多いイメージがありますが、実は春も乾燥しがちな時期。春は湿度が低い状態で温度が上がるため、肌が乾燥しやすくなります。また、紫外線の量も関係があります。2月の後半ごろから紫外線量は増えてきているにも関わらず、UV対策を油断してしまいがち。
・肌の乾燥を防ぐために保湿に力をいれる
かゆみの原因になる乾燥を防ぐため、しっかり保湿することが大切です。特に春は普段の倍くらいの時間をかけて、念入りなスキンケアをしましょう。保湿剤を選ぶときには、肌に刺激の少ないタイプを選ぶことも大切です。ただし、肌がゆらぎがちなこの時期は、化粧品を変えてトラブルを起こすこともあるので気をつけてくださいね。
特に肌が荒れやすい鼻の周りなどは、ワセリンのように低刺激性の保湿剤がおすすめです。鼻の周りに塗っておけば、花粉の鼻への侵入を軽減することもできます。また、日焼け止めや日傘で紫外線対策もしっかり行いましょう。
かゆみ対策3:植物の力をかりて春のムズムズケア
春のムズムズを和らげたいとき、アロマやハーブなど植物の力を借りるとスッキリできます。そこで植物の力を借りたセルフケアをご紹介します。アロマテラピーやハーブは西洋では医療現場でも使われている方法です。
鼻のムズムズにおすすめのアロマテラピー
かゆみ自体を取り除く効果はありませんが、爽快感を得られるのでムズムズ感を和らげることができます。
・鼻のムズムズにおすすめのアロマはユーカリ
鼻のムズムズが辛いときにおすすめなのはユーカリの精油です。ユーカリの種類は600種類もあり、精油がとれるのは数種類。おすすめは、ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアタです。ユーカリには気持ちをスッキリさせる働きがあり、ボーッとしやすい鼻のムズムズの時にぴったりです。
鼻の通りを良くして気分を変えたい時には、手軽にアロマを楽しめる芳香浴がおすすめですよ。
<芳香浴の方法>
温かいお湯を張ったボウルやカップに精油を1,2滴垂らして、その蒸気を吸入すれば良いだけです。湯気とともに精油の香りが広がります。もちろん市販のアロマキャンドルやディフューザーなどを使っても良いでしょう。
かゆみが気になる春におすすめのハーブティー
ハーブの力を借りて春のかゆみをケアすることもできます。ハーブは料理に使ったり、ポプリで楽しんだりすることもできますが、ハーブティーが手軽に取り入れられておすすめです。ハーブはその種類によって作用が異なりますので、ご自身の状態にあったものを選びましょう。
・鼻のムズムズにはカモミール、ネトル
カモミールには鼻のムズムズの症状を落ち着かせる作用があります。リラックス効果もあるので、寝る前に飲むのがおすすめ。ネトルにも抗アレルギー作用のある成分が含まれているので、季節の変わり目におすすめのハーブです。
・目のお悩みにはアイブライト、ミント
アイブライトというハーブには、目の炎症を抑えたり、充血、かゆみを落ち着かせる作用があります。また、比較的手に入りやすいミントには、メントールという精油成分が含まれていて、清涼感があります。漢方では薄荷(はっか)と呼ばれ、喉の痛みや目の充血に用いられます。目の不快感だけでなく、鼻の通りが悪いときにもおすすめです。
シソを料理に使ってみる
春から初夏にかけてはシソが旬になる時期。シソはビタミン類やミネラル類を豊富に含んでおり、特にβ-カロテンとカルシウム、ビタミンB1の多さは野菜の中でも群を抜いています。
また、赤シソには、アレルギーを軽減するポリフェノールが含まれています。そしてシソの種子からとれるシソ油には、α-リノレン酸が豊富に含まれています。α-リノレン酸は体内でEPAに変わり、アレルギー抑制作用があることが分かっていますので、シソ油でシソソースを作ったり料理に取り入れてみるのもおすすめです。
春のかゆみが気になる方におすすめの漢方薬
セルフケアでは症状を抑えきれない場合には漢方薬という手もあります。漢方はかゆみを繰り返さないカラダへと導いてくれます。かゆみが良くならない場合には、漢方を試してみてはいかがでしょうか。
・春のかゆみの対処は早めが肝心!
かゆみが悪化してからではなく、早めに飲み始めるなどして対処することが大切です。それに漢方の効果が出てくるまでには少し時間がかかることも。かゆみが出始めたとき、すぐに対処するようにしましょう。
・どの漢方薬がおすすめ?
例えば、炎症によるかゆみがあるとき、または、粘り気のある鼻水があるときは、カラダに熱があるので、目が充血したりかゆくなったりします。顔に熱がこもっている場合におすすめの漢方としては、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」があります。
この処方は首から上にこもった熱を追い出して、熱による炎症に効果がある漢方です。また、鼻の通りをよくする働きがあります。
春のかゆみに悩んでいる方は、ぜひ漢方を試してみるのも良いでしょう。
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監修
樫出 恒代