目次
- 放っておくべからず!長引く咳
- 咳は風邪のサイン?それとも別の症状?
- 咳が長引く場合や咳が止まらない場合の対処法
- 咳が止まらない時の注意点と対処法
- 咳が治りかけたときに気をつけたいこと
- 咳が出る原因は風邪だけではありません
- かぜが長引き咳だけ残る、咳が止まらない、そんなときにおすすめの漢方薬とは?
- 咳だけ残る、咳が止まらない、そんなときに生姜の飴はNG?
- 積極的に食べたい!残る咳におすすめの食材一覧
- 咳がひどいときには押してみよう!咳におすすめのツボ5選
かぜは治ったのに咳だけ残る、咳がなかなか止まらない、咳がひどくて眠れない、なんて経験はありませんか?ただの咳だと軽んじていると、症状がこじれて辛い思いをすることもよくあります。そこで今回は漢方からみた長引く咳の原因や対処法、そしておすすめの漢方薬、食材、ツボについてご紹介します。
放っておくべからず!長引く咳
のどや鼻、気管支、肺など呼吸器系は、菌やウイルスなどの外敵だけでなく、気候の変化やホコリ、花粉などにも影響を受けやすく、カラダの中でもとても敏感な部分です。
これら呼吸器系には“潤いを好み、乾燥を嫌う”という特徴があると漢方では言われていて、のどの粘膜が乾燥したり、気道に炎症が生じたりすると、「から咳」や「気管支炎」、「しわがれ声」、「痰が切れない咳」などの症状が容易に起こりやすくなります。
特に、秋~冬にかけての季節や、冷暖房などの環境下では、空気が乾燥しやすく、呼吸により鼻やのど、気管支などの粘膜が乾燥しやすくなるので注意が必要です。乾燥と並んで咳が出やすいのが“かぜ”です。かぜの初期だけでなく、かぜの中期~後期、さらには、かぜが治ってからも咳だけ続くといったケースも少なくありません。
長引く咳は、のどの痛みや胸の痛みを引き起こすだけでなく、睡眠の妨げになるなど生活に支障を来たすことも多くあります。また症状がこじれて気管支炎や肺炎、気管支喘息などの重い病気に発展してしまうこともあります。たかが咳とあなどらず、早めにケアすることがとても大切です。2週間以上、咳が続くようなら医師の診断を受けることをお勧めします。
咳は風邪のサイン?それとも別の症状?
咳だけが残る場合、まず考えられる原因は風邪などの感染症です。感染症の場合、症状が改善しても、咳が残りやすいことがあります。特にマイコプラズマ感染症の場合、咳が長引くことが多く、気管支喘息の人は病状を悪化させる可能性も高まります。
また、咳が止まらない場合、胃食道逆流症という胃酸が食道に逆流する病気も考えられます。胃酸が食道に刺激を与えることで、咳を引き起こします。
咳が続く場合、必要なのは適切な対策です。まず、咳が風邪など感染症によるものである場合を考え、適切な医療アドバイスを受けることが重要です。医師が感染症の原因を特定し、治療法を提案してくれます。2週間程度経過しても症状が出る場合は、特別な対策が必要な病気が隠れている可能性があるので、速やかに受診しましょう。外出時はマスクを着用することをおすすめします。
一方で、胃食道逆流症の場合、食事に気を付けることが必要です。暴飲暴食を避け、食道への刺激を避けるために、酸っぱい・辛い食品やアルコール、カフェインを控えましょう。また、寝る際に上半身を高くすることで、胃酸の逆流を減少させることができます。
食材や漢方薬も、咳の症状を和らげるのに役立つことがあります。例えば、生姜やハチミツを含む飲料は、喉を潤し、咳を和らげるのに効果的です。また、気管支をサポートするために、漢方薬やハーブティーも検討してみましょう。
症状が気管支喘息に関連している場合、気管支拡張剤や吸入ステロイドが必要なこともあります。気管支喘息の場合、定期的な医療チェックと適切な治療が不可欠です。
咳が長引く場合や咳が止まらない場合の対処法
咳には、異物を外に出すことで肺や気道を清潔に保つ機能があります。しかし、長く咳が続くと肺や気道が傷んでしまうこともあります。咳が止まらないときには、水分を多く摂ることや加湿器を使うことで喉の乾燥を防ぐことが大切です。
漢方にも、咳の原因や状態によって適した処方があります。例えば、風邪による咳では、五虎湯、麦門冬湯等が有効です。漢方は自分で選ぶのではなく、漢方専門医や薬剤師に相談して服用することが重要です。
呼吸法やストレッチなどでリラックスすることにも、咳を和らげる効果があります。深呼吸やヨガなどで呼吸器の筋肉をほぐしたり、胸や肩のコリを解消したりすることで、呼吸の質を向上させることができます。
咳は体からのサインです。自分の咳の原因や状態を把握し、適切な対処法を行うことで、健やかで美しい呼吸を取り戻しましょう。
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咳が止まらない時の注意点と対処法
まず、咳の原因を知ることが大切です。咳の原因は、風邪やインフルエンザなどの感染症、喘息や鼻炎などのアレルギー疾患、鼻水や食べ物などの異物の吸い込み、タバコや空気汚染などの刺激物など、さまざまです。原因によって、咳の種類や症状も異なります。例えば、風邪やインフルエンザでは、発熱や全身倦怠感とともに、咳が出ることが多いです。喘息では、息苦しさやヒューヒュー、ゼーゼーといった呼吸音が聞こえるような咳が出ることが多いです。アレルギー性鼻炎では、くしゃみや鼻水とともに咳が出ることが多いです。また、咳の原因が薬の副作用の場合もあります。 例えばACE阻害薬(高血圧の薬)を服用している人は咳が起こることもあります。咳の出る原因については後ほど詳しく紹介します。
咳の原因を知ったら、適切な対処法や予防を行うことが必要です。一般的には、以下のような方法があります。
- - 水分を十分に摂ることで、喉を潤し、咳を和らげる。
- - 喉に刺激を与えないようにすることで、咳を悪化させない。タバコやアルコールは控える。辛いものや冷たいものは避ける。
- - 空気の乾燥を防ぐことで、喉や気管支を保護する。加湿器や湯船に入るなどして湿度を保つ。
- - 睡眠を十分に取ることで、免疫力を高める。
- - 咳止め薬を使用することで、咳の回数や強さを減らす。ただし、咳止め薬には副作用がある場合もあるので、5〜6回服用しても症状がよくならない場合は医師や薬剤師に相談する。
また、漢方や食材を使った食養生も効果的です。例えば、
- - 甘草湯は、喉の炎症や乾燥を和らげる作用があります。
- - 柴胡桂枝湯は、腹痛や吐き気のある風邪に効果があります。
- - ハチミツは、抗菌作用や消炎作用があります。ホットなハチミツレモン飲料やハチミツ牛乳などで摂取すると良いです。
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咳が治りかけたときに気をつけたいこと
風邪が治っても咳だけが残ってしまうことはよくあります。これは、風邪の症状が軽くなっても、のどや気道に炎症が残っている場合や、鼻水がのどに流れて刺激を与える場合などが原因です。また、細菌感染による副鼻腔炎や肺炎などを風邪と併発したことで長引く咳があらわれている場合もあります。
咳が治りかけるときには、以下のことに気をつけましょう。
・咳の種類や症状に合わせて対処する。
咳には乾いた咳があります。風邪が治っても乾いた咳が出る時はのどの乾燥や刺激によることが多く、ぬるっとした咳が出る時は痰や鼻水によることが多いです。乾いた咳には、のどを潤す飲み物や飴、加湿器などが効果的です。ぬるっとした咳には、痰を切る飲み物や薬、胸や背中を叩くマッサージなども効果的です。
・咳が長引く場合は医師に相談する。
咳が2週間以上続く場合は、肺炎や結核などの重い病気の可能性もあります。また、高熱や呼吸困難などの症状がある場合も注意が必要です。このような場合は、早めに医師に相談しましょう。
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咳が出る原因は風邪だけではありません
咳の原因は風邪だけではありません。以下に、咳の原因となりうるものをいくつか紹介します。
- 喘息:気管支が過敏になって収縮し、息苦しくなる病気です。アレルギーやストレスなどが引き金となります。咳は特に夜間や早朝にひどくなります。気道の粘膜が腫れて狭くなり、痰がたまります。
- 気管支炎:気管支にウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気です。咳は乾いたものからぬるぬるしたものまで様々です。痰は感染した場所から出てきます。
- 肺炎:肺にウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気です。咳は黄色や緑色の粘液を伴うことがあります。肺の一部や全体が感染している可能性があります。
- 肺がん:肺の細胞ががん化して、異常に増殖してできる悪性腫瘍です。咳は長期間続き、血液や泡沫を含むことがあります。肺がんは喫煙によって引き起こされる確率が高くなります。
- 鼻水の流れ込み:鼻水が鼻からではなく、後ろから喉に流れ込むことです。アレルギーや風邪などが原因です。鼻水が喉の粘膜を刺激して咳を引き起こします。咳は特に仰向けに寝るとひどくなります。
- 副作用:薬によって咳が引き起こされることがあります。特に血圧を下げる作用のある薬( ACE阻害薬のみ)は、乾いた咳を起こすことがまれにあります。薬は気道の感覚を変えて咳を誘発する可能性があります。
- 結核:肺に結核菌が感染してできる慢性の感染症です。咳は長期間続き、血液や膿を含むことがあります。結核菌は他人にうつす可能性があるため、注意が必要です。 以上のように、咳の原因は様々です。そのため、咳が長引く場合は、医療機関で診断を受けることが大切です。また、漢方や食材を使って咳を鎮める方法もあります。
かぜが長引き咳だけ残る、咳が止まらない、そんなときにおすすめの漢方薬とは?
かぜが長引き咳だけ残る、咳がなかなか止まらないというような乾いた咳には「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」という漢方薬がおすすめです。
麦門冬湯は麦門冬、人参、大棗、甘草、粳米、半夏の6種類の生薬を配合した漢方薬で、カラダの潤いである「水」と元気の源である「気」をしっかり補うことで、乾燥したのどの粘膜を潤し、咳を鎮め、痰を出しやすくし、から咳や気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声などの症状を改善します。長引く咳にも飲むことができますが、1ヵ月位(からぜきの場合は1週間位)飲んでみても症状が良くならない場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
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咳だけ残る、咳が止まらない、そんなときに生姜の飴はNG?
粘膜が乾燥することで起こりやすい乾いた咳には、のど粘膜の潤いケアがおすすめです。部屋を加湿して湿度を保つ、こまめに水分をとってのどを潤す、飴をなめるなど、のどの粘膜を常に潤すよう工夫しましょう。お湯を沸かして蒸気を吸入するのもおすすめです。
逆に、粘膜を乾燥させるようなものには注意が必要です。例えば“生姜”もそのひとつ。かぜで咳が出ると生姜の入ったのど飴をなめるという人も多いのでは。実は漢方では生姜はカラダや粘膜を乾燥させる燥性の性質があると言われています。そのため、乾燥からくる咳には不向き。乾いた咳にはのどを潤すと言われているハチミツやかりん、うめなどの入ったものがおすすめです。
また、辛い香辛料にも注意が必要です。胡椒や山椒、唐辛子も生姜と同じくカラダを乾燥させる性質があると言われています。乾いた咳が出ているときは辛いものの食べすぎは控えましょう。このように良かれと思ってやったことが逆効果なんてことも。考えながらケアをすることも大切ですね。
あわせて読みたい>>食材の効果を確認!薬膳食材図鑑
積極的に食べたい!残る咳におすすめの食材一覧
漢方で咳を鎮めると言われている食べ物をご紹介します。その中でも特に、ハチミツ、アーモンド、松の実、落花生、くわい、ゆり根、いちじく、梅、びわ、などは粘膜を潤しながら咳を鎮めるサポートをすると言われ、乾いた咳が出ているときにピッタリです。
≪止咳の働きのある食べもの≫
氷砂糖、ハチミツ、水あめ、湯葉、アーモンド、えごま、オリーブ、南瓜の種、栗、杏仁、松の実、落花生、かぶら、くわい、にんにく、ふきのとう、へちま、ゆり根、杏、いちじく、梅、ざくろ、梨、びわ、マンゴー、くらげ、鯉、海苔、豚の肺、鴨の卵
※国立北京中医大学日本校監修 現代の食卓に生かす「食物性味表」より
咳がひどいときには押してみよう!咳におすすめのツボ5選
咳におすすめのツボをご紹介します。時間のある時に押してみましょう。
・天突 てんとつ
・孔最 こうさい
・尺沢 しゃくたく
・肺兪 はいゆ
・中府 ちゅうふ
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