大人の化粧崩れや肌のベタつきは「インナードライ肌」対策で解消

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自然な肌づくりを目指したいけれど、肌のテカリや化粧崩れが気になる…。オイリー肌(脂性肌)ではないはずなのに肌がベタついたり、メイクがヨレたりする…。そんな大人の化粧崩れはインナードライ肌が原因かもしれません。皮脂対策にばかり気を取られケアを間違えてしまうとゴワつきやつっぱりを生み、シワなどの肌悩みにつながることがあります。この記事ではインナードライ肌の正しいお手入れ方法やメイク崩れ予防のコツ、カラダの中から肌悩みを整える対策法をご紹介します。

インナードライ肌とは?

肌表面は皮脂の分泌がありオイリーに見えるのに肌(角層)内部<インナー>は水分量が不足し乾燥<ドライ>している状態のことを「インナードライ」肌といいます。皮脂(油分)と水分が共に多いオイリー肌(脂性肌)とは違い、角層の水分量が不足して乾燥している状態です。潤いが足りないと肌の防御機能が働いて皮脂を過剰に分泌させてしまいアンバランスな肌状態になってしまいます。インナードライの状態とは、肌表面は皮脂に覆われて乾いていないのに肌の内側に水分がないため隠れ乾燥肌になってしまうことです。皮膚の薄い目元や口元は乾燥するのにTゾーンがベタつくことから混合肌とも言われます。インナードライ肌を放置すると肌荒れやシワ、たるみなど見た目の老化につながる恐れがあります。

あなたの肌は大丈夫?【インナードライ肌セルフチェック】

☑ Tゾーンはテカるのに、目元や口元はカサつきやすい
☑ 毛穴の開きが気になる
☑ 洗顔後に肌のつっぱりやカサつきを感じる
☑ 吹き出物ができやすい
☑ ファンデーションがヨレやすいなどメイク崩れが気になる
☑ スキンケアのなじみが悪い
☑ ゴワつきや皮むけがある
ひとつでも当てはまる項目があったら、インナードライ肌の傾向あり。数が多いほど可能性が高くなります。

インナードライ肌の化粧崩れ対策<スキンケア編>

夏は日焼け対策を、冬は乾燥小ジワ対策を、と季節の悩みに応じてスキンケアを変化させている人は多いかもしれません。一方、化粧崩れを恐れて乳液やクリームはベタつくからと省略したりしていませんか?汗や皮脂がベタつくからと洗いすぎていませんか?肌が潤いを保てるようにまずはスキンケアを見直してみましょう。

・肌の潤いを奪わずにメイクや汚れを落とす
肌のバリア機能を高めながら潤いのある肌(角層)が保てるように外的刺激や摩擦などから肌を守り、潤いを逃がさないようなケアが必要です。肌のベタつきを恐れて洗浄力の高いオイルクレンジングを使ったり、肌をこするように洗い上げたりすると、汚れだけではなく必要以上に潤いを奪ってしまうことにつながります。肌への潤い補給を意識した保湿効果の高いクレンジングや洗顔料を選び、刺激から肌を守ることが大事です。

・乾燥させない「知識」と「スキンケア商品」で潤いの補給を
空気の乾燥によって肌の潤いが失われることもインナードライ肌には大敵です。季節や気温によっては室内外問わず肌は乾いた空気や風にさらされて乾燥してしまいます。エアコンや扇風機などの使用時は特に肌の乾燥対策を意識しましょう。朝晩のスキンケアでは化粧水で水分補給をした後に潤いを逃さず油分でフタをするイメージで乳液を使いましょう。化粧崩れが気になる朝は乳液の質感をさっぱりするものに変えてもよいかもしれません。夜のお手入れは日中がんばった肌をいたわるつもりでクリームをプラスすると効果的です。

・紫外線による肌ダメージ対策を
紫外線を浴びることで肌表面が乾燥します。紫外線は室内にいても窓から届いてしまうため油断は禁物です。スキンケアの習慣として必ず日焼け止めアイテムを使用する、外出時は帽子や日傘を使うなど、紫外線対策は乾燥予防も兼ねているという認識でいるとよいかもしれません。

メイク崩れさせない土台づくり<ベースメイク編>

皮脂対策と共に丁寧に肌のベースを整えることで、いつもコンディションのよいすべすべなめらかな肌を目指しましょう。

・ポイント①化粧下地はファンデ密着のカギ
ベースメイクの際、化粧下地は使っていますか?テカリを気にしてスキンケアに油分が含まれるアイテムを省略したり、ファンデーションを直接塗ったりすることが逆にメイクをヨレさせたり化粧崩れにつながることがあります。肌の潤いを保つために化粧水の後には乳液で潤いのフタをし、その上からはファンデーションを密着させるための「のり」の役割がある化粧下地を使うことがおすすめです。化粧下地がファンデーションの粉体と肌を接着させてくれるためベースメイクが崩れにくくなります。この一手間で夕方までキレイな肌を目指しましょう。

・ポイント②毛穴落ちさせないファンデーションの塗り方
インナードライ肌は角層内部の水分量が少ないため肌表面がゴワついたり毛穴が開いたりしやすくファンデーションがのらない、ヨレるといった悩みがあるかもしれません。ファンデーションを塗ると、毛穴は一時的に隠れます。しかし時間が経つと皮脂の分泌によってファンデーションが浮いて毛穴に流れ込み、皮脂と混ざることで毛穴を目立たせてしまいます。これが毛穴落ちです。スキンケア後すぐにベースメイクをすると、ベタついた肌に化粧下地やファンデーションを塗ることになるため毛穴落ちの原因になります。目安としてスキンケア後に5分程度の時間を空けてからベースメイクをしましょう。ファンデーションは顔の中心から外側に向かって薄くのばすのがコツ。仕上げにフェイスパウダーや定着用のミストを使うのもおすすめです。

・ポイント③化粧直しはこの一手間でリフレッシュ
スキンケアやベースメイクで対策をしていても、厳しい暑さや湿気でメイクが崩れてしまうこともあります。そんな時、化粧ポーチに入れておきたいのが乳液です。トラベル用などの小さな容器に入れておくと便利です。化粧崩れの部分に乳液を少しつけ、ティッシュやコットンで皮脂ごとオフすると角層の潤いを奪うことなく崩れたメイク汚れをふき取れます。ちょっとしたクレンジングの代わりになりますが肌の潤いを奪わないのでおすすめです。その後は丁寧にベースメイクからお直しを。

カラダの中から潤いを高める&逃がさない

肌の表面にある角層へ直接化粧品で潤いを補給することは大切ですが、さらにカラダの中から潤いを作り出すために日頃の水分補給と代謝を高める食生活の工夫が大事です。疲れやストレスなども肌へのダメージにつながるため回復を促す質の高い睡眠の確保も大切です。

・水分摂取の目安
肌の潤いを守るために、水分補給はあくまでも“水”がおすすめです。コーヒーや緑茶などのカフェインが含まれる飲み物には利尿作用があるため、摂取してもカラダの外に排出されてしまうからです。水分補給の適量は体重1kg当たり40〜45mlが目安で、夏場など汗をかく時期は50ml程まで大丈夫だと言われています。摂り過ぎは血中のミネラルバランスを崩すため注意が必要です。水分代謝に関わりが深い腎臓に疾患がある人は医師の指示に従って必要量を確かめてください。

・肌の水分量をアップさせる食材でインナーケア!
カラダは食べたものでできているため、肌の潤いを保つ食材をバランスよく摂取したいものです。外的刺激から肌を守る角層のバリア機能を高めるため、肌の新陳代謝に欠かせないタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを意識して摂りましょう。

【タンパク質】肌の弾力に欠かせないコラーゲンを生成:大豆、豆製品、肉、魚、卵
【ビタミンA】肌や粘膜の潤いを維持する:レバー、ウナギ、アナゴ、卵、緑黄色野菜
【ビタミンB】新陳代謝を活発にする:豚肉、レバー、卵、大豆、納豆、玄米
【ビタミンC】コラーゲン生成を促し抗酸化力を高める:ブロッコリー、パプリカ、柿、レモン、キウイ
【ビタミンE】血行促進、抗酸化力を高める:サーモン、かぼちゃ、アーモンド、アボカド、ゴマ
【亜鉛】肌のターンオーバーを正常に保つ:牡蠣、赤身の肉、タラバガニ、ウナギ
【セラミド】角層の水分を保持し肌を外部刺激から守る:こんにゃく、大豆、黒豆、小豆、ひじき、ワカメ
【α-リノレン酸】細胞膜やセラミドを作る原料になる:魚油、アマニ油、えごま油

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あわせて読みたい>>食材の効果を確認!薬膳食材図鑑
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・質の高い睡眠でいきいきとした肌を取り戻す
疲れやストレス、睡眠不足は全身の血行不良につながり、自律神経やホルモンバランスにも影響を及ぼします。それにより肌のバリア機能が乱れて水分と油分のバランスがくずれることが、インナードライ肌の原因になることも。睡眠環境を見直して質の高い睡眠を確保しましょう。

肌のターンオーバーを整えるお助け漢方

肌の生まれ変わりには約1ヶ月かかるため、肌のはたらきを助ける漢方を取り入れることも方法のひとつです。カラダの中の水分保持力を高め、肌荒れ改善や肌のキメを整える効果が期待できるヨクイニンが配合されている生薬・漢方製剤がおすすめです。

■ヨクイニン

「ヨクイニン」は、ハトムギの皮を除いた種で、古くからお肌のために用いられてきた生薬です。消炎作用やカラダの水分バランスを整える作用があると言われ、肌荒れや、いぼに効果があります。

【効能・効果】
いぼ、皮膚のあれ

■桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)

漢方では、「血(けつ)」が全身の組織や器官をめぐり栄養を与えていると考えられています。「血(けつ)」のめぐりをよくすることでシミ、手足のあれをカラダの内側から改善する効果があります。冷えなどに使われる桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)に、肌荒れに使われるヨクイニンを加えた処方です。

【効能・効果】
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:にきび、しみ、手足のあれ(手足の湿疹・皮膚炎)、月経不順、血の道症
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

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那須久美子

元大手化粧品メーカー宣伝部・ヘルスケアデザイナー・漢方アドバイザー・ピラティス/ヨガセラピスト・アスリートキャリアコーディネーター・介護予防運動指導員

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