目次
- 顔の筋肉は動かさないとたるんでくる
- 顔や頭への刺激で全身の疲れが取れる効果も
- ┗【おでこのシワをとって、目をぱっちりさせる!】
- ┗【目の周りのたるみを改善する1】
- ┗【目の周りのたるみを改善する2】
- ┗【ほうれい線を薄くする】
年々たるんでくる顔を鏡で眺めながら、ため息をついていませんか? たるみの原因は加齢のせいだけでなく、ストレス、自律神経のバランスの乱れ、血流のめぐりの悪さ、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな理由があると、ボディバランス整体師の吉田佳代さんは言います。そこで、ツボを正しく押すことでたるみを少しでも減らす方法を教えてもらいました。
顔の筋肉は
動かさないとたるんでくる
マスク生活が長引いたことによって、顔がたるんでしまった人が増えていると聞きます。それは、顔の筋肉をあまり使わなかったから。
顔の筋肉には、表情を作る際に運動神経によって自分の意思で動かせる随意筋と、自分の意思で動かせない不随意筋があります。
コロナ禍では、コミュニケーションを取る機会も減り、随意筋、不随意筋ともに動かすことが少なくなりました。筋肉が使わないとたるんでくることは、運動不足のお腹や太ももが証明しています。
また、「ストレスがかかったり、自律神経やホルモンバランスが乱れたりすると血流が悪くなり、たるみが起こることもあります」と、ボディバランス整体師の吉田佳代さん。
「それらの原因によって体がガチガチに固まって肩こりや首こりが起こり、顔がこわばって頬の筋肉が下がってほうれい線が現れるのです」
また、頭蓋骨はいくつかの骨がつながってできていますが、その縫合部分は、筋肉が重なり合っているところ。ストレスや緊張が続くとそのつなぎ目が固まり、頭蓋骨のそばの筋肉や血行に影響を与え、たるみやシワの原因になるのだそうです。
そんなとき、ツボを押して筋肉をほぐしてやることで、顔が引き上がります。自分のそんな変化が、逆にストレスや自律神経の乱れなどを軽減するパワーにもなるのです。
「ただし、筋肉や骨には正しく動かす方向があります。間違った方向に動かしたりすると、体や顔がゆがむことがあるので、でたらめに刺激をしないようにしてください」
顔や頭への刺激で
全身の疲れが取れる効果も
吉田さんが整体を始めたきっかけは、お母様の病気というストレスによって、自分の足にダメージが起こったことから。足がふらふらしてうまく立てなくなった時、人間の土台である足をしっかり整えようと、勉強を開始しました。
最初は、リフレクソロジー(反射療法)による反射区の勉強から始めました。そして東洋医学の経絡(けいらく)上にあるツボや、骨格、骨の矯正など、⾃然医学の理論と健康・美容技能の解析と応⽤を学び、医師なども認める30種以上の技術を習得したそうです。
「昔、熊本でお店をやっていました。その時、お客様全体で多かったお悩みが、肩こり、腰痛、足のむくみなどでしたが、40歳以上の方々にはリフトアップの要望が多かったですね」
現在は整体師への指導も行っているとか。実際に吉田さんが施術や指導したのは、延べ8万人を超えるそうです。
「顔や頭は、筋肉や筋膜、骨、皮膚などで体とつながっています。ですから、頭部のツボを刺激することで、体の疲れが取れるという効果も期待できます」
今回は、頭蓋骨の冠状縫合部分や顔にある経絡上のツボを押し、顔のたるみを予防・改善する方法を教えてもらいました。
【おでこのシワをとって、目をぱっちりさせる!】
前頭筋と帽状腱膜の緊張をほぐし、血行を良くすることで、おでこのシワが薄くなり、目がぱっちりします。
〈やり方〉
1. 赤線(冠状縫合)の部分に親指以外の4指を当て、イタ気持ちいい強さで押す。
2. 押している4指をやや滑らせるようにして、5秒ほどで上に頭皮を引き上げ、徐々に指の力をゆるめて手を外す。
3. 赤線(冠状縫合)に沿って両手を外側にずらし、その場所から2の要領で、5秒ほどで上に頭皮を引き上げ、徐々に指の力をゆるめて手を外す。
赤線(冠状縫合)の筋肉をほぐした後は……
前頭筋と帽状腱膜の緊張をほぐすことで、「❶承光(しょうこう):目まわりを引き上げる」と「❷顖会(しんえ):顔色が良くなる」にアプローチできるようになります。
〈やり方〉
❶承光(しょうこう):目まわりを引き上げる
髪の生え際中央から、指3本ほど後ろ、そこから左右に指2本ほどのところ。左右にあるので、ここをイタ気持ちいい強さで5秒ほど押す。
❷顖会(しんえ):顔色が良くなる
頭部の中心線上にあり、前髪の生え際から親指2本分ほどのところをイタ気持ちいい強さで5秒ほど押す。
【目の周りのたるみを改善する1】
目のまわりの筋肉がほぐれ、疲れが軽減。目の可動域が広がります。
〈やり方〉
1. 右側の眉頭にあるツボ「攅竹(さんちく)」を人差し指で押さえながら、眉の中央すぐ下のくぼみで瞳の真上にあるツボ「魚腰(ぎょよう)」を、1とは逆の手の人差し指で「イタ気持ちいい強さ」で3秒押す。
2. 眉頭の「攅竹(さんちく)」を押さえたまま、眉尻のすぐ下にあるツボ「絲竹空(しちくくう)」を、1とは逆の手の人差し指で「イタ気持ちいい強さ」で3秒押す。
3. 左側の顔も1〜2と同様に行う。
【目の周りのたるみを改善する2】
目のまわりの筋肉がほぐれ、疲れが軽減。目の可動域が広がります。
〈やり方〉
瞳の真下で下瞼の骨の淵から親指1本下にあるツボ「四白(しはく)」を、両手の人差し指でくるくると回す(3秒ぐらい)。
【ほうれい線を薄くする】
〈やり方〉
1. 小鼻の付け根の両脇にあるツボ「迎香(げいこう)」を人差し指で押さえる。「迎香(げいこう)」はただ押さえているだけなので、あまり力を入れる必要はない。
2.1を押さえたまま、瞳の真下と小鼻のラインが交わるところで頬骨の下にあるツボ「巨髎(こりょう)」を、1とは逆の手の人差し指で「イタ気持ちいい強さ」で3秒押す。
3.逆側のツボ「迎香(げいこう)」を人差し指で押さえ、1〜2を同じように行う。
※これらのツボ押しを2セットずつ、朝と夜、食後30分と寝る前30分は避けて行うと、こわばっていた筋肉がほぐれます。
吉田佳代(よしだかよ) |