目次
- 人は相手を第一印象で認識する?
- 見た目が9割と言われる理由
- 第一印象で失敗しても『親近効果』で挽回できる!
- 第一印象を上げる“見た目”の印象管理
- 自信が持てる“声”の印象管理
- “行動”の印象管理は最強の身だしなみ
- いつも印象よくいたいけれど。カラダがダウンする前に内側からサポートを
「もっと自分の印象がよかったら」と残念な経験をしたことはありませんか?「親しみやすそうな人だな」「キツイ感じの人かな」など、人は相手の印象を直感で判断します。そして第一印象が良ければ、その後も好意的に話ができるためビジネスの場面でも良好な関係性を築くことにつながります。初対面では緊張と不安で上手に話せないという人もいるでしょう。相手に与える印象を良くして対人関係をスムーズに進めるためには “印象管理”を行うことが有効です。印象管理とは、ビジネスを含む対人場面で相手に好意的な印象を持ってもらうための行動のことです。この記事では印象管理を意識して行動するための知識と印象を上げるための表情や立ち居振る舞いのコツについてご紹介していきます。
人は相手を第一印象で認識する?
第一印象とは、言葉の通り「初めて会う相手に抱く印象」のことを指し、初対面の印象は数秒で決まるといわれています。これを心理学では初頭効果といい、最初に提示した情報が印象として強く残るとされています。初頭効果を提唱したのはポーランド出身でアメリカを中心に活動した心理学者ソロモン・アッシュで、印象形成の実験によって効果を実証しました。印象形成とは、人の外見や性格など、観察者が確認することのできる限られた情報から、その人物の全体的な印象を形づくることを指します。つまり、初対面で挨拶をしたほんの一瞬の言動で印象が決まってしまうため、第一印象が良ければ好意的に会話が進みます。ビジネスの場面でもプライベートでも「この人と仕事をしたい」「この人に会いたい」と思わせることができるわけです。初頭効果、つまり相手に対して一度持ったイメージは長期にわたって継続すると言われています。その心理現象が起こるのは、『確証バイアス』が原因とされています。この確証バイアスとは、自身が持っているイメージを支持する情報ばかりに目がいってしまい、逆に否定的な情報が目に入らなくなる認知心理学の概念のことです。つまり一度良いイメージを持つと良い印象が続き、逆に悪いイメージを持つと残念な印象が継続されてしまうのです。
見た目が9割と言われる理由
相手に与える印象がどのような情報に左右されるかということを導き出したメラビアンの法則というものがあります。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した心理学の法則で、人がコミュニケーションを図る際、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%の割合で相手に影響を与えるというものです。表情やしぐさ、姿勢など視覚から得られる情報と声のトーンや話し方などの聴覚から得られる情報を合わせると9割近くになります。つまり、「何を話しているか」より「誰がどんな風に話しているか」が人へ与える印象のカギになるわけです。
第一印象で失敗しても『親近効果』で挽回できる!
たった数秒の第一印象のチャンスをうまくつかめなかった時でも『親近効果』を利用すれば挽回のチャンスがあります。親近効果とは、最後に提示された情報が印象や判断に強く影響する現象のことで、アメリカの心理学者ノーマン・H・アンダーソンによって提唱された概念です。アンダーソンは模擬裁判形式の実験で、弁護側・検事側それぞれの証言の順序を変えて行い、陪審員である被験者の判断に違いがあるかを調べました。その結果、最後に提示された証言が、陪審員の判断に大きく影響することが明らかになりました。親近効果は、様々な場面で活用が期待できます。例えば初対面の挨拶でつまずいてしまっても、最後の挨拶を極上の笑顔でしめくくることで印象が塗り替えられる可能性があります。商談においては商品やサービスのメリットとデメリットを両方提示する場合、メリットを後ろに持ってくると印象が良くなるなどプレゼンテーションにも取り入れることができます。
第一印象を上げる“見た目”の印象管理
第一印象での重要な視覚情報として、一番テコ入れの必要性があるのは“姿勢”と“笑顔”の作り方です。パソコンやスマホの利用時間が長いと猫背になり、姿勢が悪いとイキイキとした印象ではなく元気のない印象になってしまいます。姿勢アップに向けたストレッチで元気や自信に満ち溢れた印象に変えていきましょう。マスクが手放せず表情が凝り固まっている人は印象をアップさせる笑顔のために表情筋のトレーニングをしていきましょう。
<姿勢アップのためのかんたんストレッチ>たたずまいの印象をアップ
●肩甲骨回し(各3〜5回)
・背骨を長く保った状態で目線を水平に保ち、両手を肩にちょこんと乗せます。手は肩から多少離れても大丈夫なので、両肘を前から上を通って後方まで回すように動かしていきましょう。肘でカラダの左右に円を描くようにイメージするとなめらかに動かせます。
・肩甲骨はあらゆる向きを通るため、自然と肩周り全体がほぐれていきます。3〜5回程度回したら反対回しも同様に行いましょう。痛くないところまでで、動きは小さくても大丈夫です。肩甲骨にはたくさんの筋肉が付着しているため動かすことで首肩周りがほぐれ、姿勢を整えやすくなります。
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<表情筋トレーニング>笑顔の印象アップ
印象のよい表情のために、口角を上げた笑顔をつくる表情筋のトレーニングをしていきましょう。
●割りばしを使った頬のトレーニング
手鏡でチェックした後は、何かをしながらできるかんたんなエクササイズ
・用意するもの:割りばし、手鏡
①割りばしを用意し、横にして口にくわえます。
②手鏡で口角が割りばしよりも上にあるかを確認し、できるだけ奥の歯で割りばしを噛みます。
③唇が割りばしにできるだけつかないように口角を引き上げ続けて30秒程度キープ。
※歯や唇に痛みがある場合は控えましょう。
※1日1~数回を目安に行いましょう。
●小頬骨筋(しょうきょうこつきん)トレーニング<各5回目安>
口角を持ち上げる筋肉にフォーカスした表情筋エクササイズ
・用意するもの:手鏡
①手鏡で確認しながら、どちらか一方の口角を斜め上に引き上げながら、同じ側の目をつぶります。
②余計なシワを作っていないかを確認しながら引き上げた頬に“たこ焼き”を作るようなイメージで10秒程度キープします。
③ゆっくり表情を元に戻します。逆側も同様に行いましょう。
※必ず手鏡を見ながら行い、余計なシワを作らないようにしましょう。口角が上がっているかを確認しながら行いましょう。
※奥歯は噛みしめないようにします。
●笑顔の基準を確認
表情筋のトレーニングを行った後は、笑顔の基準をチェック。普段笑顔を得意としていない人でも、基準となる形をマスターすることで“笑って見える”表情を作ることができます。
・用意するもの:手鏡
①鏡を見ながら上の歯が6~8本見えるよう口角を上げます。
②上の歯茎が見えないように上唇の位置を確認します。
③下の歯が見えないように、下唇の位置を確認します。
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自信が持てる“声”の印象管理
視覚情報の次に大事な聴覚情報として、声の印象管理も重要です。声のチカラを高めるために①発声②滑舌③表現力のトレーニングをやってみましょう。
●発声・発音のために
①真剣にあくびをする
喉の奥を広げるように、大きなあくびをしてみましょう。手を広げて伸びをしてもよいでしょう。立って行うと効果的です。
②カラダの重心を実感してみましょう
立位で姿勢を正したままカラダを前後左右に動かしてみましょう。自分の軸となる背骨を支える体幹の筋肉を感じることで、姿勢が整い発声・発音しやすい身体環境を準備できます。
③ 声の高さを意識してみましょう
声の音階を意識します。「ドレミファソラシド」という音階の中で、「ソ」のキーをイメージして発声してみます。「ソ」の音は“楽しい”というポジティブな感情の際に発する音の高さだと言われています。例えば誕生日にサプライズのプレゼントをもらった時などの嬉しい時に発する「え!」の音などを参考に声に出してみましょう。
④ 語尾をクリアに発音し、メリハリをつける
最初の言葉と伝えたい言葉はハッキリと発音し、語尾がフェイドアウトしないように最後まで言い切りましょう。
●滑舌のために
①リップロールで口周りの筋肉をゆるめる
閉じた唇に息を当てることで、「プルプルプルプル・・・」と唇をふるわせながら行う発声トレーニングです。リップロールは、自然な脱力した状態での発声や息をスムーズに流す練習になり、声を使う職業のプロも行っている滑舌ウォーミングアップの一つです。
②舌のエクササイズ
舌で頬の内側を押すような動きをしたり、唇を閉じた状態で歯茎の周りをなめるように舌で円を描く動きをしたりすることで舌の筋力トレーニングになり、発語がしやすくなります。
③つっかかりやすい言葉を攻略する
「ら」行、「た」行、「な」行といった聞き取りにくい言葉を以下の順に声に出して練習することで滑舌攻略エクササイズができます。繰り返すと表情筋も鍛えられて一石二鳥です。
・「られりるれろらろ」
・「たてちつてとたと」
・「なねにぬねのなの」
●表現力のために
人は自分と同じ雰囲気の人に好感を覚える傾向があります。つまり、相手に波長を合わせるペーシングを行うと相手に思いが伝わりやすくなります。おっとりした相手にまくしたてるような話し方をしても好感が得られないかもしれません。相手の波長に合わせるような配慮の気持ちを持って対峙しましょう。そして相手に“伝わる”ように“伝える”表現の手法として以下の5つのポイントを意識しながら話すと声の印象アップをサポートします。
①ボディランゲージ(身体言語)
身振り、手振り、表情を駆使することで聴覚情報を効果的にサポートし、相手に意思や思いが伝わりやすくなります。
②イントネーション(抑揚)
声の音階や調子を上げ下げすることで感情を伝わりやすくします。トレーニングのために文章を音読したものを録音し、後で聞いてみるとさらに上達します。
③プロミネンス(強調)
最も重要な言葉や際立てるポイントを強調して話すと相手に内容が伝わりやすくなります。
④チェンジオブペース(緩急)
一本調子にならないように話すスピードやペースを変えることでメリハリがつき理解が深まります。
⑤ポーズ(間)
テンポとリズムの効果をつくるために伝えたいキーワードの前後に“間”を作ってみましょう。
“行動”の印象管理は最強の身だしなみ
姿勢よく歩く、バッグを扱う所作を美しくする、傘をスマートに持つ等、立ち居振る舞いは意外と人に見られているものです。その行動を華麗にこなせると印象はグッと上がります。誰もが持つことの多いバッグと傘を美しい所作で取り扱えることは、最強の身だしなみにつながります。
①バッグは体幹で持つ
・手提げタイプを手で持つ場合
持ち手が短くぶら下げて持つタイプのバッグ(ブリーフケース、小さめのトートバッグ等)は中身の重みにより揺れやすい特徴があります。ぶらぶらさせずにスマートに持つには手首を返して腕の内側を体側に添わせて持つことで腹筋と二の腕に力が入り荷物の揺れを防止します。荷物を持ちながらでも颯爽と美しく歩きましょう。
・手提げタイプを腕にひっかけて持つ場合
持ち手が腕を通せる長さのバッグは肘を曲げて前腕を持ち手に通して持つ人もいるでしょう。買い物のレジ袋などもそのような持ち方をすることが多いかもしれません。その際に持ち手の輪っかに対して前腕を体側から外に向けて通すか、外からカラダの方向に向けて通すかで見た目の印象が変わります。できれば持ち手に対して腕を外からカラダの方向に向けて通し、手のひらが自分の方向に向くように持ちましょう。脇腹に力が入るため荷物を体幹で支えながら美しく持つことができます。持ち手に対して手が外側に離れると荷物が揺れ腕や肩への負担も増えます。
・バッグを肩からかける場合
ショルダータイプや持ち手の長いトートバッグなどを肩からかける際はバッグをできるだけ体側に添わせて持ち、持ち手に親指をひっかけるようにして手のひらで下方向に向けて荷物を押すようにして持つとよいでしょう。荷物をかけている肩が上がりやすいため、自らの手で荷物をかけている方の肩をバッグのストラップで押し下げることで荷物が安定します。そのため体幹に力が入りカラダがぶれずに姿勢よく荷物を持ち歩くことができます。
②思いやりを携えて傘を持つ
・傘の柄(ハンドル)の向きを考える
傘を持ち歩く際、手に持って歩く場合は尖った先(石突き)が人に当たらないように気遣いながら持つことを心がけている人が多いかもしれません。電車内などで腕にひっかけて持つ際は、ハンドルの向きに気を付けたいところです。肘を曲げて腕にかける時に肘の内側に傘本体を配置させ、ハンドルの先が肘の外側を向くように持つと、傘の先端(石突き)が他人に向かうことになります。濡れた傘の場合は雨の雫が他人の足元へ落ちることになりかねません。肘の外側から傘本体をひっかけるとハンドルと傘の先端が自分の方へ向くことになるため思いやりやマナーにつながります。
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いつも印象よくいたいけれど。カラダがダウンする前に内側からサポートを
疲れや睡眠不足などが続くとカラダだけでなく肌も一気にダウンしがちに。気を付けていても肌の調子がよくないと印象管理を心がける気持ちまで落ちてしまいます。そんな時は睡眠、食事など普段の生活を見直しつつ、肌をサポートする漢方や生薬を取り入れましょう。
■桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)
冷えなどで起こる血行不良や肌のターンオーバー(新陳代謝)の乱れを改善します。肌トラブルの中でもシミやニキビが気になる方、手足の肌がガサガサ(ゴアゴア)と荒れている方におすすめの処方です。
■ヨクイニン
ヨクイニンはハトムギの皮を除いた種で、古くからお肌のために用いられてきた生薬です。肌のターンオーバーを促進し、肌の不調を改善します。肌が荒れがちな方、肌のキメが乱れているという方、いぼが気になる方などにおすすめです。
■十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
炎症をしずめ、化膿を改善します。ニキビや蕁麻疹(じんましん)、湿疹が出た方、膿をもつような皮膚疾患ができたばかりの方などにおすすめの漢方です。
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那須久美子
ヘルスケアデザイナー・漢方アドバイザー・ピラティストレーナー・ヨガセラピスト・バレエティーチャー・アスリートキャリアコーディネーター・介護予防運動指導員