目次
- 膝が痛い!人体で一番大きい関節なのに、なぜ弱い?
- 膝が痛い!膝関節にはどのくらいの負荷がかかっているの?
- 膝の痛みにおすすめの漢方薬は?
- 膝が痛い原因は大きく4つに分けて考える
- 膝関節の痛みを予防するポイント!
膝が痛いと感じることはありませんか?中高年になると増える「関節痛」。特に膝の関節に痛みを感じる人が増えてきます。膝関節に痛みがあると、動くことが億劫になってしまいます。しかし、安静にしているのは逆効果。膝に限らず、関節は動かさないでいると血流が滞って凝り固まりやすくなり、ますます動かしにくくなります。そうならないためにも、適切な運動で膝関節の周りにある筋肉を柔軟に保つことや、血行を促して冷えを防ぐことが大切です。今回は、膝の関節痛に効く4つのメンテナンス方法をご紹介します。
膝が痛い!人体で一番大きい関節なのに、なぜ弱い?
膝関節は人体で最も大きな関節です。大きいから頑丈というわけではなく、体を支える、屈伸する、歩行するなどの機能を担っていることから、常日頃大きな負担がかかるため実はとても痛みが起こりやすい関節です。さらにスポーツで跳ぶ、走る、急に止まる、などの動きをすると若い時は大丈夫であっても年齢と共に不具合が起きやすくなります。
膝関節にはさまざまな筋肉・腱・靭帯が付いており、それらによって安定性を保ったまま曲げ伸ばしをすることができます。特に太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)は膝関節の曲げ伸ばしをする際、体重を支える重要な役割を担っています。膝を曲げようとする際には、太ももの裏側にあるハムストリングスと呼ばれる筋肉が収縮し、逆側にある大腿四頭筋が緩むことで膝が曲がります。膝関節の機能を正常に維持するためには、関節に負担をかけすぎないようにしながらも、周りの筋肉を常に鍛えておくことが大切です。
膝が痛い!膝関節にはどのくらいの負荷がかかっているの?
定期的に体重を計っていますか?実は体重が1kg増えると、普通に歩く場合は3~4倍、階段の上り下りで6~7倍の負荷が膝にかかると言われています。つまり体重が3kg増えると、歩く場合は約9kg、階段の昇降では18kgの重さが余分に膝に加わるわけです。これでは「膝が笑う」のではなく泣いてしまいますよね。重い荷物を持ち運ぶ時などにも注意が必要です。
膝の痛みにおすすめの漢方薬は?
「年だから仕方ない」と我慢せずに今すぐ予防や対処することが長く健康でいられる秘訣です。
膝の痛みには関節痛に効果のある漢方薬「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」を取り入れてみるのもおすすめです。冷えている部分を温めたり、部分によって過剰な水分とり除いたりすることで、「関節痛」における痛み・しびれを改善します。
疎経活血湯は、その名前の通り「疎」は「疎ら(まばら)」という意味の他に「流れる」「ふさがっていたものを除いて流れをよくする」という意味があります。つまり、カラダの水はけをよくし血流を促進します。血行を活発にする「活血」の意味もそのまま名前に表現された処方です。
日常的にカラダの中から整えましょう。
膝が痛い原因は大きく4つに分けて考える
原因別におすすめの日常の予防するポイントを意識してみてください。あなたの膝の痛みは4つの原因のどれに当てはまりますか?
☑ 最近太ったという自覚症状がある(体重増加)
☑ 梅雨時や台風時期などの天気が悪い日に調子が悪い(水分代謝が悪い)
☑ 常に膝掛けが手放せないなど、冷え症の自覚がある
☑ X脚・O脚など、脚の形が気になっている(膝関節がねじれている)
膝関節の痛みを予防するポイント!
原因別の予防ポイントをみていきましょう。
体重増加が原因の膝の痛みの場合
肥満にならないバランスのとれた体型づくりのため食事と運動を見直すことが重要。痛みが出てから運動をするのはなかなか難しく、無理して運動をすれば逆に症状を悪化させてしまう場合もあります。食事の摂取カロリーに気をつけながら、筋肉のもととなるタンパク質や吸収を促すビタミン・ミネラルを効果的に摂取することが大切です。
★予防ポイント★
食事は摂取カロリーを抑えつつ、1日3食をバランスよく食べることが基本です。代謝をサポートするビタミンとミネラルを豊富に含む野菜、きのこ類、海藻類を積極的に摂りましょう。タンパク質は脂肪分の少ない赤身肉や豆製品などを、よく噛んで食べましょう。
運動は軽いものを習慣化することが大事です。無理のない範囲でウォーキングなどの有酸素運動からはじめてはいかがでしょうか。いきなり動くと怪我をしやすいため、運動前後のストレッチも忘れずに。
・基礎代謝を上げるウォーキング
水分代謝が悪いことが原因の膝の痛みの場合
湿度が高い時は、湿気を吸った筋肉や靭帯が必要以上に縮んで動きにくくなる傾向があります。そのため水分代謝の悪い人は雨の日などに調子が悪く、梅雨や秋の長雨などの時期に実感することがあるかもしれません。運動不足などでそもそも筋肉量が少ない場合は、カラダの水分を巡らせるパワーが足りないため、心臓から遠いエリアの手足や顔がむくんだり、疲れると手足がだるくなることがあります。
★予防ポイント★
カラダには塩分濃度を一定に保とうとする働きがありますが、食事からの塩分が多いとカラダの塩分濃度を薄めるために水分を溜め込み、むくみやすくなってしまいます。利尿作用のある食材を選んで摂り、水はけのよいカラダを目指しましょう。おすすめ食材は、はと麦や小豆。甘いものや脂肪の多いものは水分代謝を乱すため避けましょう。
第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉をしっかり働かせるために、膝下の運動やふくらはぎのマッサージも効果的です。
・むくみ解消にふくらはぎマッサージ
冷えが原因の膝の痛みの場合
夏場でも冷房などで膝掛けが手放せなかったり、運動不足による血行不良で冷えや痛みが出ることがあります。気温差や気圧差で筋肉の収縮率が変動することに弱く、足がつりやすいという人もこのタイプ。カラダを温める食材や香辛料を使った料理を積極的に摂り、着衣の工夫や入浴などでしっかりと膝関節を温めることが大事です。おすすめは血行を促すツボを刺激すること。自分で押しやすいエリアにツボがありますのでぜひ試してみてください。
★予防ポイント★
冷えて血流が悪くなると筋肉がこわばって硬くなり痛みを引き起こしやすくなります。冷えた膝の血流を促すにはツボの刺激が効果的。ツボを指で押すだけでも効果が期待できますが、お灸やカイロなどで温めると効果的でしょう。カイロで温める場合はツボを囲むようにして温めてみましょう。ただし、肌に直接カイロを貼ったり、カイロを貼ったまま眠ったりすると低温火傷を起こすおそれがあります。長時間同じ場所にカイロを当てるのは避けて、熱いと感じたらすぐに外しましょう。
膝関節の痛みを解消するおすすめツボ3選
血海(けっかい):膝のお皿の内側、お皿の上から指幅3本分のあたり
梁丘(りょうきゅう):膝のお皿の外側、お皿の上から指幅3本分のあたり
膝眼(しつがん):膝のお皿のすぐ下にあるくぼみ
膝関節がねじれていることが原因の膝の痛み
膝が外側に開いてしまうO脚、内側に寄ってしまうX脚など脚の形にねじれがある場合、膝関節に負荷がかかり痛みが起きることがあります。特にXO脚という、太ももが内側を向き、膝下が外側を向く脚の場合は膝関節に強いねじれが生じるために膝痛が起きやすくなります。カンタンな運動で関節周りの筋肉を正しく鍛えねじれを解消させましょう。
★予防ポイント★
<座ったままで膝下筋トレ>
1. 椅子に座って片方の太ももを両手でしっかりつかんで膝のお皿が動かないように固定します。
2. かかとをつけたまま、つま先をあげてつま先を内向き、外向きにゆっくりと各15回程度動かします。つま先でバイバイをするイメージ。膝のお皿の向きが変わらないように両手でしっかり押さえておきましょう。
※痛みが起こらない程度で動かしましょう。少しの動きで十分です。
運動やツボに加えて、漢方薬などで日常的にカラダの中から整えることもおすすめです。
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監修
那須 久美子