目次
- 【漢方で考える】低気圧頭痛が起きる理由は、カラダの「水」の滞り
- 低気圧頭痛のケアに2種類の漢方薬
- 低気圧頭痛の対処に、ツボ押しのヘッドマッサージをやってみよう
- 冷えは低気圧頭痛のもと。カラダを温める習慣も忘れずに
朝起きた時に、なんだか頭がズキズキと痛む。立ち上がるとカラダがずっしりと重かったり、鏡を見ると顔がむくんでいたり…。
普段と変わり無い生活をしているのにふいに現れる不調・・・原因が思い当たらない時には、「低気圧」や「お天気」を疑ってみてはいかがでしょうか。外が雨模様だったり、台風が近づいていたりしていませんか。そんな時、普段は健康な人であっても、「低気圧頭痛」や「天気頭痛」と呼ばれる体の不調を感じる場合があります。
今回はそんな「低気圧」や「お天気」が影響を及ぼす頭痛について、漢方の視点から解説しましょう。
【漢方で考える】低気圧頭痛が起きる理由は、カラダの「水」の滞り
漢方では「カラダは自然の一部」だと考えます。私たち人間が自然と調和しているからこそ、天気や季節の変化によって不調が起こることがあるのです。これは決して珍しいものではなく、女性の約5割の方々が経験している不調です。これらを「気象病」と呼びます。
~天気の変わり目は不調に注意!女性の約50%が気象病を経験~気象病と漢方
梅雨や台風の時など、天候が悪い時期は、低気圧頭痛や天気頭痛などに悩まされやすいと言えます。その原因として、湿度や気圧の変動が挙げられます。雨などの湿気により起こる影響を漢方では「湿邪(しつじゃ)」と言い、カラダにたまってしまうやっかいな邪気(邪魔なもの)と考えます。湿邪は、体内の「水」のめぐりを滞らせ「水滞(すいたい)」という状態を引き起こします。
すると、カラダのむくみが強くなり、拡張した血管がまわりの神経を刺激するために頭痛が起きてしまうのです。でも、不調の原因が天気の影響だから、気象病だからと諦める必要はありません。漢方の力を活かせば、悩ましい低気圧頭痛をケアすることができますよ。
低気圧頭痛のケアに2種類の漢方薬
低気圧頭痛や天気頭痛におすすめなのは、水滞などによる不調を改善してくれる漢方薬です。どちらも余分な水を外に出し、体内のめぐりを促す働きが特徴。乱れがちな水分代謝を整え、健やかな状態へと導いてくれます。
朝、起き上がれない。水滞による頭痛やめまい、立ちくらみに
■苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
漢方では水分代謝が悪くなり、水が頭部などカラダの上のほうでたまった状態で気圧の影響を受けると、「気」のめぐりがさまたげられ、頭痛やめまいが起こると考えられています。
苓桂朮甘湯は、足りない「気」を補ってその働きを助けるとともに、カラダにたまった水をとり除いてくれる処方。
茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)といった生薬を配合しています。低気圧頭痛や天気頭痛だけでなく、耳鳴りや動悸、息切れ、神経症などにも効果が期待できる漢方薬です。
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苓桂朮甘湯 (りょうけいじゅつかんとう)
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体内の水分バランスが乱れている時や、低気圧頭痛に
■五苓散(ごれいさん)
カラダの働きを高めて、余分な水を外へ出してくれる漢方薬。体内で停滞している水のめぐりを促し、代謝を整えて良好な水分バランスに整えます。沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、蒼朮(そうじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)といった生薬を配合。飲み過ぎによる二日酔いに効果的な漢方薬としても知られていますね。
低気圧が近づいた時の頭痛やカラダの重だるさ、むくみが気になる方におすすめです。
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五苓散 (ごれいさん)
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低気圧頭痛の対処に、ツボ押しのヘッドマッサージをやってみよう
頭痛にはツボ刺激が効果的な場合があります。ツボを押すだけなら、今すぐに実践できますよね。両手でやさしくツボをマッサージしたり、ツボの血行を促すことで、頭痛の改善につながるでしょう。
頭痛や目の使いすぎをケア
太陽(たいよう)
目尻とまゆ尻の中間から、少し耳側にあるくぼみ。頭痛のある人や目を使いすぎている人は、押すとほどよい痛み、気持ちよさを感じます。太陽のツボをときどき刺激しておくことで、目のまわりの筋肉がほぐれるという効果も。
痛みを改善する万能のツボ
合谷(ごうこく)
ひとさし指と親指の骨がつながる場所から、少し指側の少しくぼんだ部分。血流を活発にする働きがあるので、低気圧頭痛だけでなく肩・首こりや疲れ、胃腸の不調といったさまざまなトラブルに効果が期待できる「万能のツボ」といわれています。
冷えは低気圧頭痛のもと。カラダを温める習慣も忘れずに
とくに夏の台風シーズンは、冷たい飲み物やエアコンの風などで全身が冷えてしまうことが、悩ましい低気圧頭痛を悪化させる原因になっている場合があります。冷えは万病のもと。
バスタイムをシャワーだけで済まさず湯船にしっかりと浸かったり、全身を適度に動かして水分代謝を活発にしたりするなど、夏でもカラダを「温める」生活習慣を心がけましょう。もちろん、ストレスも頭痛の大敵なので、リラックスして自律神経を整える時間も大切に。
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