この症状は蓄膿症(副鼻腔炎)?体質別対処法と漢方薬の選び方-痛みと臭いの原因と対策

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この症状は蓄膿症(副鼻腔炎)?体質別対処法と漢方薬の選び方-痛みと臭いの原因と対策

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秋になると急な寒暖差などで、体調に変化を感じる方も多いのではないでしょうか?例えば、鼻が詰まる、頭が痛くなる、イライラする。こんな症状が起きている方は、蓄膿症の可能性があります。また、鼻水が止まらない、くしゃみが出るという方は秋の花粉症の可能性も。このような場合漢方では、それぞれの病名ではなく、その人の体質や症状に合わせた、食事内容や生活習慣、漢方薬でカラダの状態を整えます。

蓄膿症の症状とは

蓄膿症(副鼻腔炎)はウイルス・細菌・ストレス・アレルギーなどが原因で、副鼻腔の粘膜に炎症が起きることにより鼻の粘膜が腫れてしまう病気です。
鼻の炎症がひどくなると、鼻の通りが悪くなり、副鼻腔に膿(うみ)がたまります。鼻が詰まる、頭が痛い。粘り気のある黄色い鼻水が出る。などの症状を起こします。鼻が詰まることによって、匂いや食べ物の味がわかりにくくなったりすることがあります。

【漢方で考える】鼻が詰まる、鼻水が出る原因

漢方では「肺は鼻に開竅(かいきょう)する」という言葉があり、鼻の異常は五臓の肺と関係があると考えています。肺の気が弱くなると、邪気(じゃき)とよばれるウイルス・細菌・アレルゲンなどが侵入しやすくなり、鼻づまり・鼻水が止まらない・匂いがわかりにくいといった症状がでます。鼻に関する邪気には、寒邪・熱邪などがあります。

寒邪が侵入すると、カラダが冷えカラダの中の余分な水分が鼻水として溢れ出します。カラダが冷えると、水のような鼻水が出るといった症状を起こします。寒邪はカラダが冷えているためカラダを温めることが大切です。

熱邪が侵入すると、カラダの中に熱がこもり鼻づまりを起こします。熱邪はカラダに熱がこもっているため肺の熱をさますことが大切です。漢方では肺と大腸はつながっており、腸内環境を改善させることも鼻の異常の改善になると考えています。

気・血・水のタイプで考えると、水滞の人はカラダの中に余分な水分がたまりやすいため、鼻水が出たり、鼻づまりを起こしやすくなります。

鼻水がでる・鼻づまりのあるときに注意すること

鼻の症状を抑えるためには、生活の中で次のようなことに注意をしましょう。

・鼻水が止まりにくい人
カラダに邪気が入り始めた状態です。水分のとりすぎ、カラダの冷えに注意しましょう。
また、寝不足やストレスなども症状を悪化させる原因になります。適度な運動やお風呂で汗をかくのがおすすめです。カラダの中にある水分は汗や尿による適切な排泄などが正常におこなわれないと、余分な水がたまりやすくなるため、カラダが冷えて水のような鼻水が出やすくなります。

・鼻が詰まりやすい人
カラダの深いところに邪気が入り込んだ状態です。鼻づまりも水分のとりすぎに注意が必要です。慢性的な鼻づまりは、冷やしタオルなどで鼻を冷やすと鼻の通りがよくなります。鼻づまりはカラダに邪気が入り込んでいるため、鼻の炎症が慢性化し蓄膿症(副鼻腔炎)を起こしやすくなります。鼻づまりがひどくなると、黄色くて粘っこい鼻水が出ます。

蓄膿症(副鼻腔炎)の痛みを和らげる方法

蓄膿症(副鼻腔炎)は、鼻の症状を引き起こす一因であり、鼻づまり、鼻水といった症状をもたらしますが、目の奥、おでこ、頬の辺りの痛みや頭痛を伴うこともあります。その原因は通常、副鼻腔内での炎症や膿の蓄積によるものです。

蓄膿症の主な原因の一つは、ウイルスによる感染です。風邪・花粉・ストレスや、場合によってはカビなどの菌が原因により、鼻の入り口の鼻腔が炎症しその症状が長引くと、鼻の奥の副鼻腔に炎症が起こります。さらに、副鼻腔の炎症が長引くと炎症部分に膿(うみ)が発生。 この状態がいわゆる 蓄膿症と呼ばれます。つらい症状が何日も続くときは細菌感染が原因になっていることもあり、医師から処方された処方薬や抗生剤などを適切に服用することが必要です。また、副鼻腔内の膿を取り除く手術も一つの治療方法として考えられます。副鼻腔内を洗い流す洗浄液や鼻スプレーを使うことも一つの手段です。

痛みや頭痛を伴うときには、炎症を鎮める薬物が有効です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などを使用することで、痛みを軽減できます。

蓄膿症の症状が長引く場合、放置すると痛みが悪化することもあります。医師や専門家に相談しましょう。

蓄膿症(副鼻腔炎)になりやすい人は?

蓄膿症(副鼻腔炎)は、副鼻腔の粘膜が炎症を起こして膿がたまる疾患ですが、蓄膿症になりやすい人は、以下の特徴があります。

慢性的に鼻の症状に悩んでいる人。鼻の粘膜が弱くなって、細菌やウイルスに感染しやすくなっているおそれがあります。

蓄膿症は、放置すると重篤な合併症を引き起こすこともあります。早めに医師の診断を受けて、適切な治療を行うことが大切です。漢方薬には、蓄膿症の症状を改善するものもあります。医師や薬剤師と相談して、自分に合った漢方薬を選ぶことも一つの方法です。

蓄膿症(副鼻腔炎)の膿はどこからでてくる?

蓄膿症の膿は、それには、ほっぺたの裏側にある上顎洞、両目の間にある篩骨洞、おでこの裏にある前頭洞、鼻の奥の一番深いところにある蝶形骨洞などがあります。これらの副鼻腔は全て細い穴で鼻腔に通じています。正常ではこれらの副鼻腔の中は、薄い粘膜で覆われていて、それ以外は空気で満たされているのですが、この空洞に炎症が起こるのが副鼻腔炎です。額の裏側や両目の間、頬の裏側、鼻の奥などにある副鼻腔と呼ばれる場所の粘膜に炎症が起こることで生じます。その結果、副鼻腔から鼻腔内に膿が流れ出てきます。

膿の色が黄色いときは、炎症が進行している証拠です。炎症が進行している時の膿は不快なにおいを放ちます。

蓄膿症(副鼻腔炎)で鼻の臭いが気になるときの対策

蓄膿症の鼻の臭いは、膿に含まれる細菌や物質が分解されることで発生します。

鼻の臭いが気になるときの対策としては、以下のことが挙げられます。
匂いの原因となっている、たまった膿を出す事が必要になります。直接的には膿の吸引をしたり、鼻腔内の洗浄をしたりします。そして、副鼻腔にある細菌の繁殖を抑えたり、炎症を和らげたりする薬を服用します。
鼻洗浄をする
鼻洗浄は、体液と同じ浸透圧に調整した塩水を鼻から副鼻腔に入れて、膿を洗い流す方法です。専用の洗浄器や洗浄液を使うと便利です。

医師の診断を受ける蓄膿症は、アレルギーや鼻茸(ポリープ)などが原因で起こることもあります。医師の診断のもとで原因を特定して治療することで、症状を改善することができます。

漢方薬を試す
漢方薬には、蓄膿症(副鼻腔炎)の効能を持ち、膿を排出する効果が期待できるものもあります。医師や薬剤師に相談して、自分に合った漢方薬を選ぶことも一つの方法です。

もし状態が悪化したり、長期間改善しなかったりした場合は、必ず医師に相談してください。

鼻水の色でわかる蓄膿症(副鼻腔炎)の進行度

蓄膿症の症状に悩む人は、鼻水の色で蓄膿症の進行度の目安を知ることができます。

鼻水の色は、以下のように変化します。

透明:鼻水が透明で水のような場合は、粘膜が刺激されて分泌物が増えていることを示します。風邪や花粉などの刺激が原因である可能性が高いです。

黄色:鼻水が黄色になる場合は、膿が混ざっていることを示します。蓄膿症の初期段階である可能性があります。初期段階から、漢方薬などで治療するのが有効です。

黄緑:鼻水が黄緑になる場合は、炎症がさらに進んでいることを示します。副鼻腔炎の中期段階である可能性があります。抗生剤などが必要である可能性もありますので、早めに医師に相談することが重要です。

茶色:鼻水が茶色になる場合は、出血を伴っていることを示します。手術などの処置が必要になる場合もあります。

以上のように、鼻水の色で副鼻腔炎の進行度の目安を知ることができます。しかし、これらはあくまで目安であるためり、不安を感じたら、早めに医師や専門家に相談しましょう。

蓄膿症(副鼻腔炎)は自然に治る?

蓄膿症は自然に治る場合もありますが、慢性的な状態に進展することもあります。病状が悪化したり、何度も繰り返す場合は、薬物治療や外科治療が必要となることがあります。

蓄膿症の治癒には時間がかかる場合もあるため、根気よく治療を続けることが必要です。蓄膿症の質や原因は個人によって異なるため、漢方薬も効果が期待できます。適切な治療法を見つけるために医師や薬剤師など専門家に相談しましょう。

鼻水や鼻づまりが起きたときの食材は?

鼻水が出る・鼻づまりがあるときは、症状に合わせて次のように食材を選んでいきましょう。

・サラサラの水のような鼻水が出るときの食材
鼻水が出るときは、カラダを温めることが大切です。カラダを温める食材には、しょうが・にんにく・ねぎなどがあります。カラダの中に余分な水が溜まっているので汗をかいて発散していきましょう。水分や生野菜は控えめにしてください。

・ドロッとした黄色い鼻水が出るときの食材
蓄膿症や鼻づまりを起こしやすい人は、カラダの中に余分な熱が滞っています。カラダの熱を冷ます食材には、きゅうり・れんこん・ミントなどがあります。鼻の炎症が慢性化すると、蓄膿症を引き起こしやすくなります。脂っこいものや味の濃いものは控えめにしてください。

蓄膿症など鼻の異常に利用する漢方薬

鼻の炎症などが原因となる蓄膿症や鼻づまり、秋に起こりやすい花粉症は、その人の体質や症状に合わせた対処法を取り入れることが大切です。生活や食事を改善してもよくならないときは漢方薬の利用を考えてみましょう。

鼻づまりに向いている漢方薬

■辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

体力が中程度以上の方で、黄色いドロっとした濃い鼻水が出る鼻炎に向いている漢方薬です。鼻づまり・慢性鼻炎・蓄膿症(副鼻腔炎)に使われています。辛夷清肺湯は、比較的鼻づまりの症状がひどい場合に利用されます。辛夷清肺湯に含まれている辛夷は、モクレンなどの花のつぼみを乾燥させたもので香りは鼻づまりを改善させる働きがあります。

■荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

体力が中程度以上の方で、カラダに余分な熱がこもる慢性鼻炎や蓄膿症(副鼻腔炎)に向いている漢方薬です。皮膚の色が浅黒く、手足の裏に脂汗をかきやすく、腹壁が緊張している人に向いています。荊芥連翹湯は、カラダの中の余分な熱を冷まして、鼻のとおりをよくするという特徴があります。荊芥連翹湯に含まれている荊芥はシソ科の一種で、服用後は渋みを感じる場合があります。

■葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

比較的体力のある方で、鼻づまり・蓄膿症(副鼻腔炎)・慢性鼻炎などに向いている漢方薬です。カラダが冷えて鼻の通りが悪くなった鼻づまりの方に向いています。葛根湯加川芎辛夷は、葛根湯をベースにした漢方薬です。葛根湯はカラダを温めて風邪や肩こりなどによく使われる漢方薬の中でも代表的なお薬です。葛根湯加川芎辛夷は、カラダを温めてカラダの中の余分な水分を排出させることにより鼻づまりを解消させます。

鼻水が出るときに向いている漢方薬

■小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

体力が中程度またはやや虚弱な方で、水っぽいサラサラとした鼻水やくしゃみの初期の鼻炎に向いている漢方薬です。カラダを温めながら、カラダの中の余分な水分を排出させる作用があります。花粉症やアレルギー性鼻炎の方によく利用されます。小青竜湯は酸味が強いため、酸っぱさを感じる場合があります。

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監修
多田 有紀




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