目次
- 【頻尿の気になる定義】1日に8回以上トイレに行ったら頻尿!?
- 【夜間尿の原因とは】加齢や冷え、ストレス、カフェインのとりすぎ…。原因はさまざま
- 悩める夜間尿を改善する漢方薬で、カラダ全体の機能を改善しよう
- 夜間尿の予防には、食べているものの見直しも。
- 【今すぐ試せる!】夜間尿を改善するツボを押してみよう!
外出先でトイレの場所が分からないと不安になる、1日に何度もトイレに駆け込む、夜中におしっこで目が覚める…。気温が下がってくるにつれてより起きやすくなる「頻尿」のトラブル。人に相談しづらい下半身の悩みでもあるため、不調が悪化してから医療機関を訪れる人も多いようです。今回はそんな頻尿の中でも、夜中にトイレに行く「夜間尿」を改善するために知っておきたい原因と対策を、漢方の視点からお伝えします。
【頻尿の気になる定義】1日に8回以上トイレに行ったら頻尿!?
トイレに行った直後に残尿感が残っていると、つい何度もおしっこに行きたくなりますよね。他にも、急に尿意をもよおして我慢できなかったり、コントロールできずに尿が漏れてしまったり。そうなると、外出先でも気がかりが拭えず、不安な気持ちになってしまいます。
日本泌尿器科学会のホームページによると、頻尿は一般的に「朝起きてから就寝までの尿の回数が8回以上」の症状について言われます。ただ、人によっては8回以上でも健康に問題ない場合もあるようです。男性は年齢とともに前立腺が肥大する傾向にあるため、高齢の方ほどトイレの回数が多いのはめずらしくありません。妊娠中の女性は、大きなお腹が膀胱を圧迫するために尿の回数が増えやすいでしょう。また更年期の女性は、ホルモンバランスの変化で頻尿や尿漏れを抱える方が増えてきます。せきやくしゃみをしたときに尿が漏れるのも、尿トラブルのひとつです。
【夜間尿の原因とは】加齢や冷え、ストレス、カフェインのとりすぎ…。原因はさまざま
トイレに行った直後に残尿感が残っていると、つい何度もおしっこに行きたくなりますよね。他にも、急に尿意をもよおして我慢できなかったり、コントロールできずに尿が漏れてしまったり。そうなると、外出先でも気がかりが拭えず、不安な気持ちになってしまいます。
夜中にトイレで目覚める夜間尿は、質の良い眠りを妨げ、日常生活にまで影響が出かねません。不調が続くと「またおしっこがしたくなったらどうしよう…」と心配になり、眠れなくなるという睡眠障害につながる場合もあるでしょう。漢方では夜間尿を「腎虚(じんきょ)」による不調と捉えます。腎虚とは、発育や成長を司る腎のエネルギーが衰え、カラダが冷えて血流が滞り、排泄機能がうまく働かなくなっている状態。そのため夜間尿だけでなく、耳鳴りや白髪、気力低下といった不調もあらわれやすくなります。
また、寝る前にお茶やコーヒーを飲む習慣がある人にも、夜間尿が起こりやすいでしょう。というのも、お茶やコーヒーに含まれるカフェインには尿の出を促す利尿(りにょう)作用があります。それから、緊張する場面でトイレが近くなることはありませんか。強いストレスも尿トラブルの原因のひとつ。カラダだけでなく心への負担も、夜間尿の回数を増やしている原因になっているのです。
悩める夜間尿を改善する漢方薬で、カラダ全体の機能を改善しよう
年齢を重ねるにつれてどんどん減少すると言われる「腎」の精を補い、尿トラブルを改善する漢方薬が八味地黄丸(はちみじおうがん)です。八味地黄丸は、夜間尿や頻尿などのお悩み改善に役立つ処方です。
カラダを温めて夜間尿を改善
八味地黄丸は、加齢にともなう「気血水(きけつすい)」の不足や「腎」の低下による体の機能低下を改善する効果があります。
加齢とともに失われやすい温かさやうるおいを補ってくれるため、中年期以降の尿トラブルを持つ方によく用いられます。
配合されている生薬は、中国の荒地などに生息する多年草の地黄(じおう)や山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、桂皮(けいひ)、附子(ぶし)の8種類。カラダを温めて夜間尿を改善するだけでなく、排尿困難、残尿感、尿もれ、疲れやすさや目のかすみ、腰痛、肩こりの改善などにも効果が期待できます。
気血水の考え方については、「漢方の基礎知識6(五臓とは)」をご覧ください。
夜間尿の予防には、食べているものの見直しも。
カフェインだけでなく、多くの食品に含まれているカリウムにも利尿作用があります。とくにジュースやお酒、ドライフルーツ類はカリウムの値が全体的に高めです。普段口にする食べ物の中に、カフェインやカリウムが含まれていないかどうか、見直してみてもよいでしょう。
また料理をする際は、薄味を心がけるだけでも、ナトリウムの接種を抑えることができ、カリウムのバランスが保たれます。食材を選ぶなら、弱った腎を強化する補腎(ほじん)食材がおすすめです。たとえば、スーパーなどに売っているクルミやアーモンドなどのナッツ類やニラ、黒ごま、黒豆、きくらげ、昆布など。コンビニ食やファストフードを食べる回数を減らして、自炊する頻度を増やすだけでも、カラダの腎気を補うことができるでしょう。
【今すぐ試せる!】夜間尿を改善するツボを押してみよう!
下半身の血流を促し、夜間尿を改善
■中極(ちゅうきょく)
下腹部を温め、夜間尿を改善する効果が期待できるツボがお腹にある中極です。中極はおへその下側から指幅4本分ほど下がった箇所にあります。中極は泌尿器系の不調に働きかけ、腎機能を高める効果があるツボ。仰向けに寝て、指の腹で垂直にやさしく押す動作を数回繰り返しましょう。
血行を促すことで、夜間尿や不眠を改善
■湧泉(ゆうせん)
夜間尿だけでなく、夜中に目が覚めてうまく眠れないという人にもおすすめのツボが足裏にある湧泉です。両足をグーにした時、足裏の上部でもっともへこんでいる部分。エネルギーが湧き出ると言われるツボでもあります。やさしく刺激することで、血行を促し、冷えが原因の夜間尿を改善する効果が期待できるでしょう。
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