冬から春が流行のシーズン!症状が長引く前にケアしたい帯状疱疹

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冬から春が流行のシーズン!症状が長引く前にケアしたい帯状疱疹

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冬はなにかとイベントが多く、疲れが溜まりがちな季節です。更に飲み過ぎたり、食べすぎたりすることで、胃腸に多少の負担がかかっているかもしれません。カラダが重だるい、気力がわいてこない。そんな免疫力が下がりやすい時季に、気をつけたいのが帯状疱疹(たいじょうほうしん)です。帯状庖疹は、発症者が年々増加傾向にあると言われている病気のひとつ。そこで今回は、症状が長引くとやっかいな帯状疱疹について、漢方の視点で考える原因をご紹介します。

誰でも発症する可能性大。帯状疱疹は冬から春が流行のシーズン

帯状疱疹は、赤いブツブツや水ぶくれのような発疹が、皮膚に帯状にあらわれることから名付けられた皮膚疾患の一種。最初は皮膚にかゆみがある程度ですが、徐々にピリピリと刺すような痛みや頭痛、発熱をともなうこともあります。
風邪などで体調を崩し、免疫力が下がったタイミングで発症する場合もあるでしょう。

流行のシーズンは冬から春。50代以降の中高年に発症者が多いイメージがありますが、年齢にかかわらず、誰でも発症する可能性があります。というのも、子どもの頃に水ぼうそうに感染したことがある人の体内に潜伏し続ける「水疱・帯状庖疹ウイルス」が引き起こすからです。
通常は2週間〜1カ月で治るものですが、炎症がおさまった後も痛みを感じる「帯状疱疹後神経痛(PHN)」など、慢性的な神経痛が残ってしまうことも。帯状庖疹にかかったら、すぐに医療機関を受診するなど、早めの対処が大切です。

【漢方で考える】気血のめぐりを滞らせる精神的ストレスも帯状庖疹の原因

漢方では、帯状庖疹にかかった人のライフスタイルから原因を探ります。
たとえば、イライラするなど精神的ストレスの強い人は、心を安定させる気(き)が、十分に働いていない「気滞(きたい)」によると考えます。ストレスは交感神経を優位にして血管を収縮させ、免疫細胞が機能しづらい状態になるためです。

また、冬の寒さや運動不足などで血行が悪化している人は、血のめぐりが滞る「瘀血(おけつ)」による痛みが生じているかもしれません。全身を温める働きが弱ると、筋肉や関節、内臓に必要な栄養が行き渡らないために免疫力が低下。帯状庖疹だけでなく、さまざまな感染症にかかりやすくなるのです。

水ぶくれだけでなく、むくみや重だるさを感じるときは、代謝が悪化して余分な水をカラダの中に溜め込んでいる「水湿(すいしつ)(痰湿(たんしつ))」も疑われます。帯状庖疹の予防や改善には、暮らし方を見直したり、体質に合った漢方薬を取り入れたりして、対処することもできます。

痛みで眠れないときやむくみ、重だるさは漢方薬で和らげて

帯状庖疹の痛みで眠れないときや、代謝が落ちているときなど、不定愁訴は漢方薬を取り入れて和らげましょう。専門医師の指示をあおぎながら、漢方薬を併用する治療も、帯状庖疹の悪化を防ぐ一助となります。

むくみや頭痛が気になる方に

■五苓散(ごれいさん)

頭痛や手足のむくみが気になる「水湿」タイプには、カラダに溜まった余分な水を外に出し、代謝を促す五苓散が役立つでしょう。五苓散は、頭部に停滞した水分を除くことで、頭痛を解消する漢方薬。“サジオモダカ”と呼ばれる植物から作られた沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、蒼朮(そうじゅつ)、桂皮(けいひ)の5種類の生薬が配合されています。

帯状庖疹でつらいとき、顔や手足のむくみ、吐き気、下痢といった水分の停滞あるいは過多状態によって起こる症状を改善します。

ストレスや緊張を感じる方に

■柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

人間関係や仕事などの慢性的なストレスを感じる人や、思い悩みがちな「気滞」タイプには、滞りがちな気をめぐらせる柴胡加竜骨牡蛎湯がおすすめ。柴胡加竜骨牡蛎湯は、気のめぐりを促すことで免疫力を低下させるストレスや緊張、不安を和らげ、こもった熱を冷まします。“ミシマサイコ”の根を乾燥させた柴胡(さいこ)や半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)、黄芩(おうごん)など、11種類の生薬が配合された漢方薬です。

帯状庖疹の痛みで寝付けない方の眠りをサポートし、イライラした心を落ち着かせる働きがあります。

カラダの中をめぐらせて、免疫力を強くするひと工夫を心がけよう

東洋医学には「不通則痛(ふつうそくつう)」という言葉があるように、気血水の通りが悪いところには痛みが生じやすいと言われています。流れをよくするには、まず「冷えは大敵」と心得ること。カラダを冷やすと、めぐりは滞ります。

カラダを温めるのに手っ取り早いのが食事。鍋や温かい汁物を、胃腸に負担をかけにくい“腹八分目”で楽しみましょう。足元は冷え取り靴下や厚手のレギンスで温かく。
お腹を使った深い呼吸やゆったりとしたストレッチは、血行を促します。帯状疱疹だけでなく、冬のさまざまな不調から身を守るためにも、めぐりを促す習慣を心がけましょう。

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