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なんだか耳鳴りがする、頭が重い、肩がこる、めまい、倦怠感……そんな症状に悩まされていませんか? 「年かな」「いつものことだし」とあまり気にしてない方も多いのではないでしょうか。でも、ちょっと待って。もしかしたら、その症状、年齢からくる高血圧が原因かもしれませんよ。ここで、高血圧のチェック方法、高血圧に伴う症状におすすめの漢方薬、また、高血圧の原因と予防法をご紹介します。
30歳以上の50%以上が高血圧!
2010年国民健康・栄養調査によると、30歳以上で「高血圧」と診断されている日本人は、男性で60%、女性で45%にものぼります。年とともに血管が疲弊し、場所によって硬くなったり、血管の壁に厚みが出たりすることで、血流が悪くなり、血圧も上昇する傾向があるのです。
改善するには生活習慣を見直せばいいとわかってはいても、特に自覚症状がなかったり早急な治療の必要性を感じなかったりして放置してしまいがちですよね。それが高血圧のやっかいなところ。自覚症状がないまま突如、命に関わる病気を引き起こすこともあるので別名「サイレントキラー(沈黙の暗殺者)」とも呼ばれています。
しかし、高血圧の随伴症状として、耳鳴り、頭重、肩こり、めまい、倦怠感などの症状が現れることもあります。そのような症状がある方は、高血圧が原因かもしれませんよ。
まずは、高血圧チェック
耳鳴りや肩こりで悩んでいるという方は、「年齢によるものかな?」と思ったら、まずは血圧を測ってみましょう。寝る前や起きて1時間後など、毎日決まった時間に2回測り、1週間の平均値をみてください。
日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」によると、病気のリスクが上がる「高血圧」は最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上とされています。逆に、将来最も脳卒中や心筋梗塞などを引き起こしにくいとされる「至適血圧」、つまり、理想的な血圧は、最高血圧が120mmHg未満、最低血圧が80mmHg未満です。その間は正常の範囲内です。
リラックスできる家庭で測る場合と、緊張しがちな病院で測る場合とで数値目安が異なり、家庭で測る場合は上が135mmHg以上、下が85mmHg以上で高血圧となります。
人によっては「最高血圧は正常内だけど最低血圧は基準より高い」とか「診察室で計ったら140/90mmHg以下だったけれど、自宅で計ったら135/85mmHg以上だった」ということもありえます。その場合も高血圧と考えられますので気をつけてくださいね。
高血圧からくる耳鳴り・めまいなどの随伴症状には「七物降下湯」
実際に血圧が高めで、すでに耳鳴りなどの不快な随伴症状が気になっているという方に、おすすめの漢方薬があります。
漢方の考え方では、高血圧はストレス性のものと加齢からくるものと分けて考えます。年齢とともに血圧があがり、疲れやすい方の高血圧に伴って現れる耳鳴りやつらい肩こり、頭重などの随伴症状には「七物降下湯(しちもつこうかとう)」がおすすめです♪
七物降下湯について、どんな方にどのように効くのか、また、どのような生薬が配合されているかなど、詳しく解説します。ぜひ、ご覧下さい。
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七物降下湯は、漢方でいう「血虚」タイプ(血が不足している体質)の方、体力中程度以下で疲れやすい、顔色が悪い、体力虚弱な高齢者などに向いています。最低血圧が高い方にもおすすめです。
このような方は、「血」が全身に足りず、隅々に「血」を行き渡らせようとして血圧が上がります。耳鳴りや頭重、肩こりが起こるのは、そこまで栄養を届ける力が足りないから、というわけですね。また、全身にうるおいが足りないために血管が硬くなるのも血圧上昇の原因と考えられます。
七物降下湯は、体力がない方に「気」と「血」を補って全身に栄養とうるおいを届け、血の巡りをよくします。血圧を上げる原因に働きかけることで、耳鳴りなどの随伴症状を軽減するというわけです。
体質診断「クラシエの漢方診断」 – あなたの体質はどのタイプ?
あなたの体質を60秒で診断。漢方では体質を6つのタイプに分け、体質に合った対処法をご紹介します。血虚タイプかどうか、チェックしてみましょう。
高血圧の原因と予防法5つ
高血圧は放っておくと、さまざまな病気を引き起こすことはご存知の方も多いでしょう。その原因は、複雑でどれか一つではないことがほとんどです。次の5つを総合的にチェックしてみましょう♪
<その1>食塩(塩化ナトリウム)の摂りすぎにご用心
高血圧の原因の一つが塩分の過剰摂取。「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」にある「食塩摂取量の状況」によると現在の日本人の平均食塩摂取量は約10g。しかし、血圧の改善には1日の食塩摂取量は6.5g以下、できれば6.0g以下に抑えたほうがいいとされています。
薄い味付けにする、外食・インスタント食品を減らす、麺類の汁をなるべく飲まない、カリウムの多い果物を摂るなど、普段から心がけるようにしたいですね。
<その2>運動不足は大敵!
適度な有酸素運動は血管を広げ、血流の巡りをよくしてくれます。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど無理しない程度の運動でOK。でも、すでにかなり血圧が高い方はご注意を。
<その3>肥満は万病のもと
内臓脂肪は血液中に血圧を上げる成分を出してしまいます。それだけではありません。内臓脂肪が増えると、血液中にインスリンが効きにくくなる成分が出て、血液中の糖が使われなくなり、血糖値の上昇を招きます。さらに、血液中に中性脂肪が増えて脂質異常が起こるなど、内臓脂肪は多くの悪影響を与えてしまい、病気のリスクを高めます。
肥満はできるだけ解消したいですね。実は年齢を重ねると若いころよりも消費エネルギーが減り、ずっと同じように食べていると脂肪を溜め込みやすくなるのです。食生活も一度振り返ってみましょう。
<その4>飲酒・喫煙はひかえめに
飲酒や喫煙も健康をそこなう原因として、よく知られていますね。お酒に関しては、普段飲まない人が、少し飲んだ場合は一時的に血圧を下げることがあります。でも、習慣的に飲酒している場合は、血管が収縮しやすくなったり、心臓の拍動を速める交感神経の活動が活発になったりして、逆に血圧が上がりやすくなるので要注意!
<その5>ストレス軽減でカラダとココロの元気を作ろう!
「怒ると血圧が上がるよ!」なんて聞いたことがありませんか?実際に、ココロに強いストレスがかかって、交感神経が活発になると、その作用で血管が収縮し、血圧があがります。また、ストレスに対応するため、必要な副腎皮質ホルモンの材料として悪玉コレステロールがぐんと増えます。それにより血管の病気を引き起こしやすくなるのです。
まずは、ストレスに気づくのが大事。どんなストレスを抱えていて、どうすれば軽減できるのかは人によって違います。趣味を楽しんだり、何でも相談できる友人を持つなど、あなたにあった軽減法を探してみましょう。
・注意事項は?
耳鳴りや頭重といった症状が高血圧の随伴症状によるものかどうかは分からない場合は、医師の受診をお勧めします。
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