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最近、なんだかお腹が気になってきた…ちょっとカラダが丸くなってきたかも…と感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか?自宅で過ごす時間が長いと、生活するための活動量が落ち、なかなかエネルギーを消費しません。さらに、自宅で過ごしていると身近に食べ物があるので、間食しやすくなります。太らないように気をつけるにはどのようにすれば良いのでしょうか?今回は、太らないように気をつけるための食事の仕方や調理法、薬膳の考え方についてもご紹介していきます。
なぜ太ってしまうの?太るメカニズムとは
私たちは体重が増えたり減ったりすることがありますが、これはなぜでしょうか?
それには、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが関係しています。摂取エネルギーとは、私たちが食事をすることで得られるエネルギーのことです。一方、消費エネルギーは、私たちが生活する上で使われるエネルギーのことです。
例えば、食べ過ぎてしまうと摂取エネルギーが多くなり、余ってしまった部分はカラダに蓄積されてしまいます。カラダを動かすことが減ってしまうと、消費エネルギーが摂取エネルギーを下回り、これも同様に余った部分が蓄積され、結果的に太ってしまいます。
要因は、エネルギーだけではありません。早食いや、食べ過ぎ、朝食欠食などの食習慣によっても太りやすくなるといわれています。
肥満のボーダーラインとは?適正体重を知ろう
では、どこからを肥満と言うのでしょうか?日本肥満学会では、BMIを用いた分類を設けています。BMIとは、肥満度を示す体格指数で、「体重(kg)÷身長(m)の二乗」で算出されます。BMIが25以上の場合は肥満と判定されます。普通体重はBMIが18.5~25の範囲内ですが、目安としてはBMI22を目指すと良いでしょう。「BMI22×身長(m)の二乗」で、適正体重を算出することができます。
あなたの必要なエネルギー量をカンタン算出!これが摂取エネルギーの目安に
自分の目安となる体重が分かったら、次は1日に必要なエネルギー量、いわゆる推定エネルギー必要量を算出しましょう。推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルに応じた数値を乗じた値です。
<基礎代謝量>
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット - 日本人の基礎代謝基準値より
<身体活動レベルに応じた数値>
身体活動レベルとは、1日あたりの総エネルギー消費量を1日あたりの基礎代謝量で割った指標です。
15~69歳の身体活動レベル例
男女共通
出典:日本医師会 健康の森 – 参照体重における基礎代謝量より
まずは、普段自分が活動をする上でどのくらいのエネルギーが必要なのかを把握します。年齢や普段の活動状態によって、個人差がありますので、ぜひ一度自分で計算してみてください。
太らない食事にするための3つのポイント
太らないように気をつけながら食事をするにはどうしたらよいのでしょうか?今回はポイントを3つご紹介します。
太らない食事のポイント①
1つ目は、食べる順番を工夫することです。最初に野菜や海藻類、きのこ類などを含む汁物や副菜などを食べます。これらには食物繊維が多く含まれており、先に食べることで血糖値の上昇がゆるやかになります。さらに満腹感もあるため、食べ過ぎを防ぐことができます。次にたんぱく質を多く含む肉や魚を使った主菜、最後に血糖値が上がりやすい炭水化物を多く含む主食を食べるようにしましょう。じゃがいもなどの芋類も炭水化物を多く含むので、最後に食べるのがベターです。
太らない食事のポイント②
2つ目は、朝・昼・夜の割合を考えて食事をすることです。理想とされる食事のエネルギー摂取量割合は、「朝:昼:夜=3:4:3」です。どこかの時間帯に偏らないのが良いでしょう。特に夜に食事量が偏ってしまうと太る要因にもつながります。一日の中で最も代謝が活発な昼にボリュームを持ってくることで、夕食の食べ過ぎを防ぐこともできます。
太らない食事のポイント③
3つ目は、食事制限をする場合も不足しやすい栄養素を意識して摂取することです。太らない食事を意識するとどうしても食事量が落ちたり、食材が偏ったりしてしまいます。結果として特定の栄養素が不足しやすくなります。不足しやすい栄養素は、野菜や芋類に多く含まれる食物繊維、赤身の肉や魚、レバー、貝類に含まれる鉄分、小魚や乳製品に多く含まれるカルシウムです。食事記録をつけてみて、これらの栄養素もしっかり摂れているかを確認してみると良いでしょう。
太らない食事法には、漢方の考え方も取り入れよう
太らない食事をするためには、漢方の考え方も取り入れてみましょう。具体的にどのようなことをすればよいかは、3つのタイプ別にみていきましょう。
食欲があり、脂っこいもの、味の濃いものを好む方
体力があり、胃腸が元気で食欲旺盛。代謝する力はちゃんとあるけれど、必要なエネルギー量を上回る量を食べがちで、余ったエネルギーが脂肪に変換され、からだに蓄積してしまいます。味付けの濃いもの、こってりした食べ物は控え、バランスの良い食事を、よく噛んでゆっくり食べるよう心がけましょう。早食いは消化器に負担がかかり、胃腸を傷つけることもあります。
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あまり食べていないのに太りやすい方
体力がなく、胃腸も弱り気味。そのため、代謝する力も弱く、摂取した栄養をエネルギーに変えたり、使ったりする力が弱いと考えられます。エネルギーが不足すると、疲れやすくなるだけでなく、水の巡りも悪くなり、筋肉にしまりがなくぽちゃっとした、いわゆる水太りになりやすくなります。水の巡りをよくする、胃腸の働きを助ける働きのある食べ物を選ぶと良いでしょう。お米やハトムギなどの穀物類や、じゃがいも、山芋、さつまいもなどのいも類、大豆、黒豆などの豆類ように、加熱するとホクホクして味のやさしい食べものがおすすめです。おかゆやスープにして食べると消化も良くなります。
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更年期やストレスで自律神経が乱れ、イライラしやすく、過剰な食欲で太ってしまう方
ホルモンバランスの乱れやストレスが原因で、代謝をコントロールする機能が乱れてしまい、代謝する力も低下していると考えられます。食欲にも大きな波があり、急に過食に走ってしまうことも。胃腸の働きも乱れがちです。心の乱れを鎮めて、食欲を落ち着かせ、胃腸の働きを整える食べ物を選ぶと良いでしょう。チンゲン菜や春菊、クレソン、セロリなど香りの良い食べものがおすすめです。
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太らない食事にするためのおすすめ調理法
太らない食事にするためには、なるべく自分で作るのがおすすめです。なぜなら、自分の体調や食事内容に合わせて調整することができるからです。
調理方法には、蒸す、ゆでる、焼く、揚げるなどがありますが、一番低カロリーなのは、蒸す、ゆでる調理方法です。油を使用しないため、脂質を抑えたい方におすすめです。
ゆでる場合は、水に溶けやすいビタミンやミネラルが流れ出てしまうので、スープなどで水分も一緒に摂るのがおすすめです。野菜は生で食べるとかさがありますが、ゆでたり蒸したりすることでかさを減らし、量を食べることができます。
キャベツやもやしなどは耐熱容器に入れてラップをしてから電子レンジで加熱し、調味料と和えると副菜が一品完成します。ただし、この調理方法は味が淡泊になりやすく、ドレッシングなどをかけるとぐっとカロリーや塩分が増えてしまうので使いすぎに注意しましょう。
焼く、揚げるは油を使うためカロリーも多いですが、食べ応えは十分です。油を使う量を気をつけたり、揚げるときはしっかり油をきるように心がけましょう。緑黄色野菜に多いビタミンAなどの脂溶性ビタミンは油との相性が良く吸収率も上がります。なすやパプリカなどを油で炒めてマリネにすると良いでしょう。
いかがでしたか?体重が増えたり減ったりするのには、毎日の食生活と運動習慣が関わってきます。日々の食事の仕方やカラダを動かす運動量の現状を見直すことで、いろんな改善できるポイントが浮かび上がってくると思います。一気に全てやるのは大変なので、一つずつ実践していきましょう。