目次
- 逆流性食道炎とは?逆流性食道炎を解説
- 逆流性食道炎の治し方とは?原因や症状、予防法を知ろう
- 逆流性食道炎で喉が痛むのはなぜ?喉の炎症や潰瘍のリスクをチェック
- 逆流性食道炎と咳の関係とは?胃酸が気管支に入るとどうなる?
- 逆流性食道炎で胸が痛むのはどうして?
- 逆流性食道炎と下痢の関係は?
- 逆流性食道炎の代表的症状は「胸やけ」「呑酸」
- 日本で増えている理由は、食事の欧米化
- 「逆流性食道炎」を予防する10のポイント
- 逆流性食道炎と胃食道逆流症の違いは?
- 【胃腸の不調は漢方薬の得意分野】止逆清和錠がおすすめ
ジリジリと焼けるような胸やけ、酸っぱい胃酸が上がってくる、そんな症状にお悩みではありませんか?それは、もしかしたら、逆流性食道炎かもしれません。逆流性食道炎は今とても増えている病気のひとつ。そこで今回は逆流性食道炎の症状や原因、予防のポイント、胃酸の逆流による症状におすすめの胃腸薬をご紹介します。
逆流性食道炎とは?逆流性食道炎を解説
最近よく耳にする「逆流性食道炎」ですが、実際どのような病気なのでしょうか。
逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することで起こる病気で、逆流した胃酸が食道の粘膜を傷つけ、粘膜がただれ、炎症(食道炎)を起こします。
食道の粘膜は、胃の粘膜に比べてとても弱く敏感です。健康な状態でも食後などに胃酸が食道に逆流することはあるのですが、ごく短時間のため症状が気になることはほとんどありません。しかし、逆流性食道炎の場合は逆流している時間が長く、食道の粘膜が強い胃酸に長時間さらされてしまいます。そのため食道の粘膜がただれ、炎症を起こしてしまうのです。
逆流性食道炎の治し方とは?原因や症状、予防法を知ろう
逆流性食道炎とは、胃の中の胃酸を含む消化液が食道に逆流することで、食道の粘膜を傷つける病気です。胸やけや呑酸(どんさんとは、主に逆流性食道炎が原因となって口の中や喉の奥に酸っぱく不快な感覚が生じる症状)などの自覚症状がある人はもちろん、喉の痛みや咳、声のかすれなど、食道と関係なさそうな症状で悩んでいる人も、逆流性食道炎の可能性があります。
逆流性食道炎の主な原因は、食生活やストレス等で胃酸の分泌が過剰になることや、肥満や姿勢、服装等で腹部が圧迫されることです。通常は食道と胃の境目にある下部食道括約筋は緩んだり閉じられたりすることで胃酸が食道へ逆流しないように働きますが、下部食道括約筋の働きが弱くなると胃酸が逆流しやすくなります。また、食道知覚過敏は、胸やけなどの症状を感じやすくなる原因となります。これらは、ストレスや不規則な生活、過食や暴飲暴食、喫煙やアルコールなどの生活習慣によって引き起こされることが多いです。
逆流性食道炎の症状が出るのを予防するには、まずは生活習慣の改善が重要です。具体的には、以下のようなことを心がけましょう。
- ・食事は小分けにして、ゆっくり噛んで食べる
- ・油っこいものや辛いもの、カフェインやアルコールなど、胃酸の分泌を刺激するものは控える
- ・間食・暴飲暴食をしない
- ・食後すぐに寝たり横になったりしない
- ・寝る前に水分を摂りすぎない
- ・猫背、デスクワークの際の姿勢、うつ伏せ寝などの前かがみになる姿勢の改善
- ・寝る際に上半身を高くする
- ・服はゆったりしたものを着て体を締め付けない
- ・自律神経の乱れが無い様にストレスを溜めないようにする
- ・喫煙をやめる
また、逆流性食道炎は成人の多くの人が該当する普遍的な疾患で、再発を繰り返す疾患です。生活習慣の工夫や薬剤師と相談し市販薬で対処するなどセルフメディケーション対応を行う方が増えています。市販薬による治療では、胃酸の分泌を抑える薬や胃酸を中和する薬、胃腸の機能を整える漢方薬などがありますので、使用上の注意をよく読み、薬剤師と相談し対応することをおすすめします。
但し、症状が良くならない場合は医師など専門家に相談し、指示に従ってください。
逆流性食道炎は放置すると、食道癌や喉頭癌などの重大な病気につながる可能性があります。生活習慣の改善や市販薬で改善しない場合は、早めに消化器科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
逆流性食道炎は今増えている病気です。原因や症状、予防法を知って、健康な消化管を保ちましょう。
逆流性食道炎で喉が痛むのはなぜ?喉の炎症や潰瘍のリスクをチェック
逆流性食道炎が起きることで、食道だけでなくのどや声帯にも影響が及ぶことがあるため、不快感をおぼえる人も少なくありません。胸やけ、胃の内容物がこみ上げてくる不快感のほか、喉がイガイガしたり、痛みを感じたり、咳が出たりするのは、逆流性食道炎の代表的な症状です。
喉の痛みは、逆流性食道炎の原因となる胃酸が、喉の粘膜に直接触れることで引き起こされます。胃酸は、胃では必要なものですが、酸に弱い喉では炎症反応を起こし、腫れたり赤くなったりします。これが喉の痛みや不快感の原因です。
また、逆流性食道炎を適切な対処もせず長期間にわたって放置すると、喉に潰瘍ができる可能性があります。潰瘍とは、粘膜や組織が深く傷ついた状態で、ひどく重篤になると穴が開くこともあります。潰瘍ができると、喉の痛みはさらに強くなりますし、感染のリスクも高まります。さらに、潰瘍が癌化する危険性もあります。
生活習慣の工夫や薬剤師と相談し市販薬で適切に対処しても逆流性食道炎の症状が改善しない場合は、医療機関を受診して診断と治療を受けることが大切です。内視鏡検査などで食道や喉の粘膜の状態を確認し、必要に応じて薬物治療や手術治療を行います。
逆流性食道炎と咳の関係とは?胃酸が気管支に入るとどうなる?
逆流性食道炎は、胸やけや呑酸(どんさん)などの消化器系の症状だけでなく、空咳や声のかすれなどの呼吸器系の症状も引き起こすことがあります。では、なぜ逆流性食道炎は咳と関係があるのでしょうか?
症状の表れ方は人それぞれですが、逆流性食道炎で咳が出る原因は主に以下の二つです。
- ・胃酸が喉や気管に入ることで、粘膜を刺激し、炎症や攣縮(れんしゅく)を起こすこと
- ・胃酸が食道に逆流することで、迷走神経を刺激し、反射的に咳を誘発すること
胃酸が喉や気管に入ると、粘膜は腫れたり赤くなったりします。これが喉の痛みや不快感の原因です。気管支喘息の人は、気管支の平滑筋が攣縮して、咳、息切れ、ヒューヒューという呼吸音などが出ることがあります。実際に、逆流性食道炎は気管支喘息の合併症や悪化要因ともなります。
胃酸が食道に逆流すると、迷走神経という神経が刺激されます。そのため、迷走神経を介して反射的に咳が出ることがあります。この反射的な咳は、胃酸を感じなくても出ることがあります。また、咳はさらに胃酸の逆流を促すこともあります。このようにして、逆流性食道炎と咳は相互に影響しあうことがあります。
薬剤師と相談し市販薬で適切に対処しても改善が見られず、逆流性食道炎で咳がつらい場合は、医療機関を受診して診断と治療を受けることが大切です。咳の不調を放置せずに早めに対処しましょう。
逆流性食道炎で胸が痛むのはどうして?
逆流性食道炎の主な症状は胸やけと胸の痛みです。胃液には酸が含まれており、食物を消化するために必要ですが、食道に逆流することで食道に炎症を引き起こし、胸に痛みをもたらすことがあります。
逆流性食道炎の症状は、胸やけや胸の痛みだけではありません。他にも、喉の痛みや呑酸の感覚、咳や声のかすれ、胸部不快感、吐き気などがあります。これらの症状は、胃の中にある酸性の胃液が食道や喉に逆流することで引き起こされます。
心臓病も胸の痛みを引き起こす可能性がありますが、胸の痛みの原因は異なります。心臓病の場合、胸の痛みは心臓に問題があるため、胃液の逆流によるものではありません。胸やけや呑酸などの症状がないのに胸の痛みが持続する場合や、症状が重い場合は、医師に相談しましょう。
逆流性食道炎の治療には、胃酸の過剰な分泌を抑える薬物の使用や、特定の食物の制限が含まれます。特に酸性の食物や胃を刺激する物質の摂取を控えることが重要です。また、生活習慣の改善も症状の緩和に役立ちます。
逆流性食道炎は胸やけや胸の痛みなどの症状を引き起こす消化器系の病気であり、胃液の逆流が原因です。しかし、心臓病との見分けが難しいこともあるため、症状が続く場合は医師の診察を受けることが大切です。正しい診断と治療により、症状を軽減し、快適な生活を取り戻すことができます。
逆流性食道炎と下痢の関係は?
逆流性食道炎の主な症状は、喉の違和感、胸やけ、呑酸(どんさん)などです。その他にも、胃痛、胃もたれ、吐き気、腹部の張り、下痢や便秘などの便通異常などが起こることもあります。逆流性食道炎は、食生活やストレスなどの影響で起こりやすく、中高年患者だけでなく若い人にも増えています。
逆流性食道炎の方は、下痢にも悩まされることが多いです。これは、胃の消化能力が低下して、食べ物が十分に消化されずに腸に送られるためです。腸では、消化不良の食べ物によって腸内細菌のバランスが崩れたり、腸の粘膜が刺激されたりして、下痢を引き起こします。
また、逆流性食道炎の治療に使われる薬も下痢の原因になることがあります。胃酸を抑える薬は、胃の消化力をさらに低下させる可能性があります。また、胃酸を中和する薬の中には、腸内の水分を増やし、下痢を促すものがあります。
逆流性食道炎と下痢は、互いに影響しあう関係にあるため、同時に対策を取る必要があります。逆流性食道炎と下痢の対策としては、以下のようなものがあります。
- ・食事は小さく噛んで食べる
- ・食事はバランスよく摂り、油っこいものや刺激物は控える
- ・飲み物は水や白湯などを適度に飲む
- ・アルコールやタバコは控える
- ・ストレスを溜めないようにする
- ・薬の種類や量を医師と相談する
- ・腸内環境を整えるためにヨーグルトや乳酸菌などを摂る
逆流性食道炎と下痢は、放っておくと慢性化しやすい症状です。早めに対処して、快適な生活を取り戻しましょう。
逆流性食道炎の代表的症状は「胸やけ」「呑酸」
まずは自覚症状がないか、逆流性食道炎の症状をチェックしてみましょう。
症状セルフチェック
☑ ジリジリと熱く焼けるような胸やけ
☑ 酸っぱい液体が上がってくる感じがする<呑酸(どんさん)>
☑ ゲップとともに苦い液体(胃酸)が上がってくる
☑ 胸が詰まる、締め付けられるような感じがする
☑ のどの違和感・のどの痛み・口内炎
☑ 食べ物が飲み込みにくい・つかえる
☑ 声がれ・咳・喘息
逆流性食道炎の代表的な症状は「胸やけ」と「呑酸(どんさん)」です。
みぞおちの上の辺りがジリジリと熱く焼けるような不快感や、酸っぱい液体や苦い液体がのどまで上がってくるなどの自覚症状があります。
他にも、のどの痛みや違和感、食べ物がつかえる・飲み込みにくい、ゲップとともに胃酸が上がってくる、咳や喘息、胸のあたりが詰まったり締め付けられるような感じがするなどの症状や、ひどいときには狭心症にも似たような耐え難い強い痛みを感じることもあります。
胃酸の出やすい食後に症状が出やすく、特に食後すぐに横になる、前かがみになるなど胃酸の逆流しやすい体勢になると症状が悪化しやすいと言われています。
日本で増えている理由は、食事の欧米化
では、なぜ逆流性食道炎になるのでしょうか。
逆流性食道炎は、以前は日本人には少ない病気だと言われていましたが、最近は患者数が大幅に増えています。その要因のひとつが食事の欧米化だと言われています。
日本食に比べて、肉類や脂肪分が多い欧米の食事は胃酸の分泌が多くなりがち。そのため胃酸が多くなり、胃酸の逆流を起こしやすく、逆流性食道炎を誘発しやすいと言われているのです。他にも、飲酒やピロリ菌の除菌も逆流性食道炎を誘発する原因と言われています。
また、逆流性食道炎の患者さんに食道裂孔ヘルニアを併発しているケースが多いことも知られています。
食道裂孔ヘルニアとは、横隔膜にある食道が通る穴(食道裂孔)から、本来なら横隔膜の下にあるべき胃の一部が飛び出し、胃と食道のつなぎ目がせり上がってしまう病気です。
食道裂孔ヘルニアになると、胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎を発症しやすいと言われています。
さらに、下部食道括約筋のゆるみも逆流性食道炎を誘発する原因になると言われています。下部食道括約筋は食道と胃のつなぎ目にある筋肉。この筋肉の働きで、食道と胃のつなぎ目は、食事が通るとき以外には適切に閉じられ、胃酸の逆流を防ぎます。しかし、この筋肉がゆるむと、つなぎ目を閉める力が弱まり、胃酸が逆流しやすくなるのです。
最後に、肥満も逆流性食道炎を誘発する原因のひとつだと言われています。
お腹に圧力がかかると胃の内圧が上昇し、胃酸が逆流しやすくなることが分かっているのですが、肥満の人は腹圧が上がりやすいことが知られています。そのため肥満を解消することで腹圧が下がり、逆流性食道炎の症状が効果的に改善したという例も多数報告されています。
「逆流性食道炎」を予防する10のポイント
逆流性食道炎は、食生活や生活習慣の乱れが大きく影響する病気です。軽い症状であれば、生活を改善することで症状が軽減することもあります。まずは日々の生活を振り返り、思い当たるところがあれば早めに修正しましょう。自覚症状のある人はぜひ試していただきたい方法です。
逆流性食道炎で注意したい10のポイント(生活編)
ポイント1:食べすぎないよう腹八分目
ポイント2:消化のよい食事を心がける
ポイント3:就寝前の食事はさける(就寝前2~3時間)
ポイント4:食後すぐに横にならない(逆流を防ぐ)
ポイント5:逆流を起こしやすい食品を控える
アルコール、コーヒー、チョコレート、炭酸飲料、香辛料などの刺激物、高脂肪食、油もの、甘いもの、酸味の強い食べもの(柑橘類、梅干しなど)
ポイント6:腹圧がかからないように気をつける
前かがみ、腹部の締め付け(ベルト、ガードル、帯など)、重いものを持つ、咳
ポイント7:肥満に気をつける
ポイント8:喫煙を控える
ポイント9:右を下にして寝ないようにする(右側臥位)
ポイント10:上半身を少し起き上がらせた体勢で寝る(頭側挙上)
この体勢での就寝は胃酸の食流を抑制し、この中でも特にとても効果が高い方法です。
逆流性食道炎と胃食道逆流症の違いは?
「逆流性食道炎」と似たような病名に「胃食道逆流症」というものがあります。とても似ている言葉のため混乱しがちですが、実は「胃食道逆流症」は「逆流性食道炎」を含む広い意味の病名です。胃食道逆流症を
① 食道炎(食道粘膜のただれ)がなく、自覚症状のみある
② 食道炎があり、かつ自覚症状がある
③ 食道炎はあるが、自覚症状はない
といった3つのタイプに分け、①は「非びらん性胃食道逆流」、そして②と③を「逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)」と呼んでいます。
【胃腸の不調は漢方薬の得意分野】止逆清和錠がおすすめ
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