目次
- 低体温とは?体温が35.0℃台と低い場合は低体温
- 冷えている自覚のない人も?冷えの症状とは
- 低体温の人は増えている
- 低体温だと、なぜ怖い?
- 対策1.首がつくところは冷やさない
- 対策2.呼吸法を身につける
- 対策3.温める食材、スパイスを積極的に摂りいれる
現代人の冷えの原因は「外気温が低いから冷える」「エアコンの影響で冷える」だけではなく、基礎代謝の低下、食生活、過度な緊張やストレス、睡眠不足、自律神経の乱れなど多岐にわたっています。
また、現代人は昔に比べ平熱が下がっていると言われています。「冷えは万病の元」と耳にしたことがあると思いますが、カラダや心の不調と“冷え”が結びついているとも言われ、様々な病気を引き起こす要因となっていると言われています。
カラダが冷えていることは美容面にも影響を与えるため、美しく健康に過ごすためにも今回は効果的な冷え対策を知って実践してみましょう。
低体温とは?体温が35.0℃台と低い場合は低体温
人間は、カラダの中心部の温度が35.0℃以下になると、意識や判断力の低下、循環機能の低下をきたす低体温症と判断されます。低体温症は山岳事故や水難事故などで耳にすることがある、命にかかわる症状です。そこまで深刻ではないものの、体温が低いことを「低体温」の状態であると言います。個人差はありますが、健康な人の体温は概ね36度から37度で調節※されており、外気の寒い冬でも環境に影響されることなく一定に調節される機能が働いています。体温が35.0℃台と低い場合は低体温であると考えられます。
※出典:厚生労働省「体温の維持 – 生理」
一方、冷え症とは、体温に関係なく、手足が冷たい、お腹が冷たい、腰が冷たいなど、どこかに冷えを感じ不快や苦痛を感じている状態を言います。必ずしも低体温と冷え症がリンクしているとは言えません 。
冷えている自覚のない人も?冷えの症状とは
暖かな部屋に入っても手足が温まらない、お風呂から上がると直ぐにカラダが冷えてしまう、布団に入っても足先がいつまでも冷たくて眠れない人は自律神経の不具合から“冷え”を起こしている可能性があります。
さらに“冷え”が進んだ状態になると、顔や足のほてりや上半身だけ汗をかく「冷えのぼせ」と言われる症状が見られることがあります。冷えているとは思わず、ほてるために素足でいたり、薄着をしたりすることで、カラダをさらに冷やしてしまう悪循環が生じてしまいます。一見すると冷えている症状には思えないため冷えを自覚できていない方も多いかもしれません。
低体温の人は増えている
今から約60年前に実施された調査では平熱は36.89℃前後とデータが残っています。近年行われたいくつかのアンケート調査では36.0℃台前半との回答が多く、明らかに今の方が体温が低くなっていると考えられます。
昔に比べエレベーター・エスカレーターの普及や交通機関の発達など利便性が向上することにより、現代人の運動量は減り、筋肉量も基礎代謝量も減少していると言われています。そのため熱を生み出すことが少なくなっていることは事実です。
その他にも冷暖房の完備により体温調節機能がうまく働かないなどの環境の変化、締めつけの強い衣服や、肌を露出した服装、季節を問わずに冷たい食べ物を口にすることができるなど習慣の変化も冷えを助長してしまいます。仕事や人間関係の悩みなどがストレスを招き自律神経の働きを乱して冷えに導いてしまうなど原因が多岐に渡っています。
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低体温だと、なぜ怖い?
血液はカラダの中の全ての細胞に酸素と栄養素を届け、不要になった老廃物を回収して運び出す働きをしています。この巡りが悪くなり滞ってしまうと、体内の細胞は栄養不足になったり、老廃物が回収されず体内に不要なものが溜まってしまいます。
カラダが冷えていると血管を通る血液も冷えてしまい、冷えた血液が巡ることで冷えを悪化させてしまいます。さらに“冷え”によって血液の流れも悪くなり、脳や心臓、血管の病気の要因になりかねません。
このように血液の巡りが悪い状態が続くと、新陳代謝が低下し、熱を生み出して体温を維持することが難しくなり、さらに“冷え”も進み悪循環となるため、代謝が落ちて、痩せにくく太りやすくもなってきます。
他にも食べ物の消化吸収が上手くできなかったり、酵素が働かないことで免疫が 低下し病気の予防や回復に遅れが出たり、冷えて筋肉が凝り固まりコリや痛みが出たり 、腸が冷えて便秘や下痢を起こしたりと様々な影響が出てしまいます。
女性の場合は筋肉量も少なく皮下脂肪が多く冷えやすいのが特徴です。
骨盤内に血液の流れが豊富な子宮や卵巣を持ち、“冷え”によって血流の悪化があると月経痛、月経不順、月経前症候群(PMS) を引き起こす要因とも言われていますので日頃から冷やさないような対策が必要と考えます。
冷えがカラダにおよぼす悪影響はこんなにいっぱい!
・肩や腰コリ・張り
・便秘や下痢
・頭痛
・月経痛、PMS、月経不順、不妊、子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害
・眼精疲労
・関節の痛み
・むくみ
・心臓や脳の血管障害
・肥満のような生活習慣病
・薄毛や白髪
・肌のシミ、しわ、たるみ、
・目の下のクマ
・眠れない、朝起きられない
・疲労感、だるさ、やる気が出ない・・・
これらが冷えによる影響 と言われています。
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対策1.首がつくところは冷やさない
カラダには太くて血流が豊富な血管があり、温めポイントと言われています。首がつくところは冷やさないように!と聞いたことはあるでしょうか?「首、手首、足首」+「腰」です。
首には太い血管が比較的皮膚の近くをとおって いるので、冷やしてはいけない部分ですし、腰は子宮や卵巣、腎臓にあたる部位なので大切な温めポイントです。
冬はマフラーやタートルネック の着用で気を付けることができますが、首は通年で気を付けたい部位なので日頃からストールを活用したり、首のあきには気をつけた服装を心がけましょう。
腰は腹巻を巻いて冷やさないようなケアを心がけましょう。今はいろいろな素材の腹巻があるので、季節に合わせて選択してみることをお勧めします。
また、口 に入れるものの温度は体温以上の温かいものにします。常温のお水は体温よりも低いので、白湯の方がよいでしょう。食事もできるだけ、お味噌汁や温かいスープを各食につけるなど工夫していきましょう。詳しくはこのあとの食養生をご覧ください。
対策2.呼吸法を身につける
私たちのカラダは呼吸によって取り込んだ酸素を栄養と共に細胞へ運んでいます。この呼吸は体温調整も行なっている自律神経と深く関係があります。
日頃ストレスを抱えている人はカラダが緊張している状態にあり、交感神経が優位となり血管を収縮させて血流を悪くさせ、体温が下がってしまいます。
呼吸は吸う息が交感神経、吐く息が副交感神経(血管を拡張させたり、リラックスする働き)と関係が深いため、カラダをリラックスさせ血液の巡りを良くするためにもしっかりと息を吐き出す呼吸が大切になってきます。
大地に根付いた呼吸法
地面を両足でしっかりと踏みしめた大地呼吸をしてみましょう。
一度両足のかかとを上げ、まっすぐストンと下ろします。この時膝の力は軽く抜きます。この状態で両手をおへその下に当てて、鼻から息を吐きます。4秒鼻から吸って、8秒鼻から吐く。これを10回くらい、目を閉じて行います。次第にカラダがポカポカして来ますので、頭の中を空っぽにして呼吸に集中してみましょう。
対策3.温める食材、スパイスを積極的に摂りいれる
カラダを温める食材、スパイスを積極的に摂り ましょう。
<カラダを温めるといわれている食材>
かぶ、山芋、百合根、小松菜、人参、レンコン、南瓜、栗、牛肉、羊肉、鶏肉、豚肉、えび、鮭、ニラ、にんにく、ねぎ、らっきょう、紫蘇、シナモン、生姜、味噌、酢
温め食材で代表的な「生姜」ですが、大量に食べると不調をきたすタイプの人がいます。
生姜を食べるとパッとカラダが温かくなるのを感じるため、カラダが温まったと思われがちですが持続性はありません。一時的にお腹を温めて冷えを散らすという働きですが同時に乾燥させる働きも持っています。のぼせがある方や乾燥、喉の痛みや赤いニキビのように炎症が強い方は使い過ぎに気をつけましょう。
忙しい時に簡単にできるスープやお味噌汁で実践してみるのはいかがでしょうか?
温め食材を活用したスープのレシピをご紹介します。
食養生レシピ『カブと鶏肉のみぞれスープ』
材料(2人前)
かぶ・・・2個
鶏ひき肉・・・100g
かぶの葉・・・少々
しいたけ・・・2枚(他のキノコ類でも可)
ニンニク・・・1かけ
塩麹(または塩)・・・小さじ1
酒・・・大さじ1
黒酢・・・大さじ2
醤油・・・大さじ1
塩・・・ひとつまみ
だし汁・・・400ml(顆粒だしでも可)
作り方
1. かぶをすりおろし、かぶの葉はみじん切りにして塩をまぶして葉をしんなりさせる
2. 鶏ひき肉に塩麹を入れ、しっかりこねる
3. 鍋にだし汁、スライスしたしいたけとニンニク、酒、醤油を入れ、沸騰したら鶏ひき肉を丸めて入れる
4. 鶏ひき肉に火が通ったら黒酢を入れ、かぶのすりおろしと かぶの葉を入れて火を止める
冷えは生まれた時からあるものではなく、日常生活の積み重ねで出来てしまったものですが克服することは可能です。
日頃のちょっとした不調も冷えが関係しているカラダからのお知らせかもしれませんので、今日から出来ることを一つずつ習慣化してみましょう。
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監修
櫻井 夕希子