目次
- エストロゲンとエクオールは似た働き!? エストロゲン減少で起きることとは?
- お肌を若々しく保つ「エクオール」っていったい何?
- エクオールを作れる人は日本人の2人に1人
- エクオールを作れるひとはどんな人?
- 昔ながらの食事が女性の健康を守る
- 食べ物だけじゃない、作るためには生活習慣も大事
加齢とともに気になってくるのは、お肌のたるみやシワではないでしょうか?そこで近年、お肌の健康をキープすると話題の「エクオール」についてお伝えします。
エストロゲンとエクオールは似た働き!? エストロゲン減少で起きることとは?
エクオールとは大豆に含まれる大豆イソフラボンを腸内細菌が分解し産生することで作られる物質で、女性ホルモンであるエストロゲンとよく似た働きをします。
40代以降のお肌のたるみやシワは、女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、肌にしなやかさや弾力を与えるコラーゲンを作る働きが弱まることで起きてきます。
他にも、ほてりや発汗、突然の動悸・息切れ、肥満や骨密度の低下、肩・指・膝などの関節痛、気持ちが落ち込むなどエストロゲンが減少することで起こる不調はさまざま。子宮や乳腺、血管、脳、肝臓など多くの器官に関わり健康を支えているのがエストロゲンなのです。
更年期は今まであった女性ホルモンが急激に減少する時期。誰もが通る道であり、それに伴って起こる症状は人によってそれぞれです。自分では気づかないほど軽い人や、生活に支障が出るほど辛い人も。ある一定期間を過ぎれば落ち着くといえども、現れる年齢や期間は個人差がとても大きいのです。
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お肌を若々しく保つ「エクオール」っていったい何?
更年期の症状はなぜこれほどに個人差があるのでしょうか?
そのカギとなるのがエクオールの存在です。研究によると、体内にエクオールが少ない人ほど更年期の症状が重いということが分かってきたのです。
エクオールは減少していくエストロゲンの代わりとなって、コラーゲンの産生を促しお肌を健やかに保ったり、更年期に現れる症状を予防緩和する働きがあります。エクオールはエストロゲンが足りない時に代わりをしてくれるだけでなく、エストロゲンが過剰な場合にはその働きを抑える抗エストロゲン作用もあり、バランスを取ってくれます。こういったことからエクオールはカラダもココロもゆらぎを感じる更年期世代の特に女性たちの味方となってくれます。
エクオールを作れる人は日本人の2人に1人
エクオールは大豆に含まれる大豆イソフラボンが原料。大豆を食べたときのあの独特の苦みが大豆イソフラボンそのものなのです。大豆イソフラボンはダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインの三種類に分けられます。このうちダイゼインを腸内のエクオール産生菌によって代謝されエクオールが作られるのです。更年期の症状を対象とした場合には、納豆1パック、豆腐で200g、豆乳だと1杯200㏄程度を毎日摂取するとよいでしょう。
女性にとって素晴らしい効果のあるエクオールが大豆から作られるのであれば、今日から早速、大量の大豆を食べようと思いませんか?
しかし、残念ながら大豆を食べたからといって全員が腸内でエクオールを作れるというわけではありません。調査によるとエクオールを作れる日本人はなんと2人に1人、若い人の方が作れる人が少なく20代では約2割程度しかエクオールを産生できないという報告があります。この世代による違いは、エクオールを作る腸内細菌が活躍するかどうかが食生活に大きく関わっており、若い人たちの食事がより欧米化しているためと考えられています。
ご自身の腸内でエクオールが作れているかどうかは、ネットで販売している尿検査キットでチェックするとわかります。エクオール産生菌がいても作れる量は個人差がとても大きいのです。作れたとしても十分に足りるという方はわずか。更年期の症状が気になるという方は、十分に作れていない可能性が高いので食事や生活を見直しながら漢方薬をとりいれるのもよいでしょう。
エクオールを作れるひとはどんな人?
毎日の食事や生活習慣とエクオール産生の関係性についてはまだ研究段階ではっきりとわかっていませんが、たばこを吸う人は作れる人が少ないことや、緑茶をよく飲む人や、ベジタリアンの方、魚の油(オメガ3系)を摂る人にエクオールを作れる人が多い傾向にあります。
エクオールを作れない人の特徴
喫煙の習慣がある、外食が多い、飲酒の習慣がある、便秘気味または排便過多
エクオールを作れる人の特徴
大豆、納豆、野菜、きのこ、海藻、穀物、魚、緑茶、多種類の食品を多く摂っている
これに加えて運動をよくする、睡眠をしっかりとる人の方がエクオールを作れる傾向にあると考えられています。
出典:第33回 日本女性医学学会における研究発表「エクオール産生能と腸内細菌叢および食習慣ならびに生活習慣関連因子についての検討」
昔ながらの食事が女性の健康を守る
日本人は昔から大豆を発酵させた味噌、醤油、納豆を食してきました。幕末に日本を訪れた外国人が、日本人女性の肌の美しさを見て感激したというのも、この大豆のおかげかもしれませんね。私たちが持つ腸内細菌は赤ちゃんの頃に親からもらってきたものや、住環境の中で獲得してきた菌が住んでいる割合が高く、大豆や野菜、きのこ、海藻などの昔ながらの食事を好む腸内細菌が多く住み着いています。
ところが現代人は肉類、チーズなどの乳製品などを含む欧米食を盛んに食べるようになりました。この食事の欧米化がエクオールを作れない人の割合を増やしている可能性は否めません。シワやたるみが気になってきた、更年期の症状が気になるといった方は、ライフスタイルを見直し、昔ながらの食事や暮らし方を意識して腸内環境を整えてみるのもよいでしょう。
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食べ物だけじゃない、作るためには生活習慣も大事
いくら食事に気を付けていても、ストレスや運動不足、夜更かしは腸内環境が荒れてしまいエクオールを作り出す能力が低下してしまいます。運動を適切に取り入れていくことが、更年期の健康に有効な事が明らかになっています。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガ、ダンスなどカラダを動かす事は気分をリフレッシュさせてくれます。ポイントは軽度の運動でも習慣化して続けることです。入浴後や飲酒後は避けて、30~60分。楽しいと感じられる時間と強度が良いでしょう。
また、更年期に限らず特に注意すべきはストレスです。脳はストレスにとても敏感。ストレスで脳の機能が低下すると、ホルモンバランスや自律神経が乱れ、それがカラダの不調につながりますので食事や運動とともにしっかり睡眠をとるなどしてストレスケアに気を付けていきましょう。
更年期は新しいステージへの更新期。しっかりご自身のココロとカラダをケアしながら楽しく過ごしていきましょう。
この記事を書いたライター
園田恭子
腸活アドバイザー
ホリスティックビューティアドバイザー
栄養士として健康相談を約10年間行い、現在は腸から美しく元気になりたいという方へ向けた講座やカウンセリングを実施。自身の体の不調を腸活の知識や自然療法、漢方などで回復させた経験をブログやメルマガで発信。プライベートでは2児の母である。
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