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「お腹は空くのに食べたいと思わない」「お腹は空くのに食べられない」と感じたことはありませんか?もしかしたら、胃腸が弱っているのかもしれません。食欲不振の原因は、カラダの機能が弱っている、ストレス、カラダの中に余分な水分が滞っているなど、その人の体質や状況によって異なります。このような食欲不振で悩んでいる方のために、食欲不振が起こる原因や食欲不振のときにおすすめの発酵食品などを紹介します。
【漢方で考える】お腹は空くのに食べられない食欲不振の原因とは
食欲不振が起きる原因には、ストレス・冷えなどがあります。食事がとれなくなると倦怠感や体重減少が起こったり、やる気が出なかったり、吐き気をもよおすなど、カラダに大きな影響を与えます。漢方ではストレスが起こる原因は肝(かん)、消化器の不調は脾(ひ)(胃腸)が関係していると考えます。具体的にどのようなタイプがあるのかを確認し、自分の症状を当てはめてみましょう。
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あなたの食欲不振はどのタイプ?
食欲不振の原因は、いくつかあります。胃腸が弱っている、あるいはストレスなどが原因で起こる場合もあります。
- 1. カラダを温める力が弱っているタイプ
胃腸の機能が弱っているため栄養がとれなくなり、カラダを温める力が弱っています。お腹や手足が冷えたり、むくみやすくなったりします。
- 2. ストレスがたまっているタイプ
精神状態を安定させる肝の気の流れが悪くなっています。カラダの中の気の流れが悪くなることから、脾(胃腸)に影響を与えるため食欲不振になります。
- 3. 脾(胃腸)の機能が弱っているタイプ
口から入った食べ物を受け入れる脾(胃腸)と消化の機能が低下しています。お腹がすくのに食べられなかったり、お腹が張ったりします。
- 4. カラダの中に余分な水分が滞っているタイプ
脾(胃腸)の機能が低下しているため、胃の中に余分な水分が滞ることにより、胃がつかえたり、お腹を押すとチャポチャポと音がします。
- 5. 食べ過ぎ飲み過ぎで脾(胃腸)に負担がかかっているタイプ
暴飲暴食などが原因で消化の機能が悪くなり、胃腸に負担がかかっています。お腹が張ったり、胸焼けを起こしたりします。
食欲不振に発酵食品がオススメな理由とは
食欲がないときには、発酵食品がおすすめです。発酵食品は、乳酸菌・麹菌など微生物の働きによってできる食品です。発酵食品には、次のようなカラダによい特徴があります。
- カラダに吸収されやすい
発酵食品は、微生物がタンパク質やでんぷんなどの栄養素を発酵の過程でこまかく分解するため、カラダに吸収しやすく、お腹に優しいのが特徴です。植物性食品では栄養価の高いタンパク質で納豆など消化吸収率が高いものがあります。 - 風味や味わいが増す
発酵食品は、食材を発酵させることによりタンパク質を分解し、グルタミン酸の成分ができることによって、元の食材にはなかった風味や味わいなどを作り出すことができます。風味や味わいを感じる代表的な日本の食材には、醤油や味噌、納豆などがあります。 - 栄養素を増やす
発酵食品は、元の食材に比べビタミンB1やビタミンKなどの栄養成分が増えます。例えば、ビタミンB1は味噌に、ビタミンKは納豆に多く含まれています。元の食材に含まれるものが増えたり、元の食材になかった新しい成分が作り出されることもあります。 - 免疫力が上がる
発酵食品には、カラダによいといわれる乳酸菌・麹菌・ビフィズス菌などが含まれています。これらの菌に代表される善玉菌は、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)のバランスを整え、免疫力を上げる効果があります。カラダに必要な善玉菌を増やすためには、ヨーグルト・納豆・漬物などがおすすめです。免疫力を上げるためには、毎日とり続けることも必要です。
食欲不振にオススメの発酵食品4選と漢方薬3選をご紹介
発酵食品には次のようなものがあります。食欲があるのに食べられない、食事がとれないので疲れがとれないなどの方におすすめです。食べやすいもの、カラダの調子を整える働きのあるものがあります。
- ヨーグルト:口当たりがさっぱりして食べやすい食材です。カラダの熱を冷まし、潤いを与えます。ただし、カラダが冷えている人は控えた方がいいでしょう。
- 納豆:カラダの中の血のめぐりをよくする食材です。カラダの冷えによる食欲不振や気を補う作用もあるため、元気がでない、やる気が起こらないという方にもおすすめです。
- 味噌:カラダに熱がこもっている方におすすめの食材です。カラダの中の余分な水分を排出する働きがあります。
- お酢:むくみを解消し、カラダを温める食材です。お酢はさっぱりした味が食欲を増します。ただし、胃腸の弱い人は、控えめにしましょう。
■食欲不振のタイプ別に選ぶ漢方薬
生活習慣を変えてみたり、食べるものを変えてみたりしてもなかなか食欲不振が治らない方は、漢方薬がおすすめです。食欲不振はカラダに必要な栄養を摂取できなくなるため、体力の不足、免疫力の低下につながります。自分の体質にあった漢方薬を見つけて早めに対処していきましょう。今回は3つのタイプにしぼって漢方薬を紹介します。
■半夏瀉心湯
みぞおちがつかえ、吐き気が起こり、お腹がゴロゴロ鳴るなどの症状に使われる漢方薬です。神経性胃炎・胃潰瘍・口内炎などにも使われます。カラダの中の気の流れをよくするため、脾(胃腸)の負担となっている気の流れの滞りがよくなります。
■六君子湯
胃腸が弱く、みぞおちがつかえ、疲れやすいなどの症状に使われる漢方薬です。胃痛・胃炎・胃下垂などにも使われます。カラダの中の気の流れが滞っていることが原因で起こる胃の不調に使われます。気を補いカラダの中の気のめぐりをよくすることによって胃の不調を改善させます。
■胃苓湯
下痢、吐き気があり、口の乾き、尿量の減少などの症状に使われる漢方薬です。暑気あたり、急性胃腸炎などにも使われます。カラダが冷えることによりお腹にたまった余分な水分を排出する働きがあります。
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監修
多田 有紀