スーパーフード「米ぬか」って一体どんなもの?!栄養やその利用法とは

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弥生時代から始まったと言われる稲作。約2000年以上もの長きにわたり、日本を支えてきたお米は、主食となる白米以外も肥料やエサ、寝床などとして活用されてきました。精米するときにでる副産物「米ぬか」は栄養も豊富で、実は米油などのさまざまな用途があるのです。今回はその魅力をお伝えします。

米油の原料 スーパーフード「米ぬか」

古来、人々の美や健康を支えてきた「米ぬか」は私達の生活において、さまざまな食品の原料になっているのです。

スーパーフードと言われる「米ぬか」ですが、玄米一粒の中にはたったの8%しかないとても貴重な副産物なのです。しかし、その8%の中にはお米の栄養の95%が含まれていると言われており、実は、私達の身近なさまざまなところで有効活用されています。

米ぬかには約20%の油分が含まれており、日本で発生する米ぬかの半分以上は、料理に使用する「米油」をつくるために使われています。

油を搾った後の残りの80%は捨てているのでは?と思いますよね。しかし、ほとんどは飼料や肥料としてすべてしっかりと利用されています。それだけではなく、そこにも水溶性の栄養成分が含まれており、それらは野菜ジュース、育児用粉ミルクなど身近な成分として活用されていたりもするのです。

人々にとってスーパーフードである米ぬかは、生活のさまざまな面でも活用されているのでヒーローのような存在かもしれないですね。

古くから美容法のひとつとして取り入れられる「米ぬか」

日本人は古くから米ぬかの働きを生活の知恵として学び、日々の暮らしに上手に取り込んでいました。

そのひとつが糠(ぬか)袋です。これは綿や絹の袋に米ぬかを詰め石鹸のように顔や体を洗うための美容品。石鹸が普及するまでの長い間、広く庶民に使われ、江戸時代の銭湯では番台で米ぬかが売られていたそうです。

米ぬかにはお米を酸化から守るため、若返りのビタミンとも呼ばれる“ビタミンE”が豊富に含まれ、さらに、そのビタミンEの数十倍も抗酸化作用があると言われている“トコトリエノール”も含まれています。また、米ぬか独自の抗酸化成分“γオリザノール”も含まれているので、天然の抗酸化成分がたっぷり入っているのです。

そもそも酸化とはどのようなことが起きるのでしょうか。

金属が酸化してさびるように、体も酸化によってさびついてしまうようなことが起きるのです。体が酸化すると、老化や血管の老化が進んだり、シミやシワ等の肌トラブルが起こったり、生活習慣病やがんの引き金になったりと、さまざまなトラブルの原因になると言われています。

抗酸化成分は、細胞の酸化を防ぎ、健康維持を助ける働きを持ち、美容にとっても嬉しい成分なのです。昔の人々はその効果を生活から学んでいたのですね。

昔から使われている美肌ケアグッズの糠袋は材料が揃えば自宅で簡単に作れるので、作ってみるのもオススメです。

<糠袋の作り方>

用意するもの

米ぬか、布(綿や絹)、紐

作り方

布に米ぬかを詰め、紐で上部を結んだら完成。

顔や体を糠袋で洗うと、しっとりツルツルになります。ただし糠は腐りやすかったり、虫が発生しやすかったりするため、早めに使い切るなど取り扱いに注意しましょう。

新鮮な米ぬかから作る「米油」とは

私達の生活のさまざまなところで活用されている米ぬかですが、近年、スーパーでもみかけるようになってきた『米油』はご存知ですか。

米油は名前の通り、“米”からできているのですが、白米ではなく、『米ぬか』からできています。玄米を精米した際にとれる米ぬかは、真夏の太陽・乾燥・刺激から、白米を守る働きがあり、春の田植えから秋の収穫まで、美味しい白米をすくすく育て、守っています。つまり、米ぬかには、お米を守るための栄養素がたっぷり含まれているので、米ぬかからできる『米油』にも、栄養成分がたっぷり含まれています。

米ぬかには抗酸化成分が豊富に含まれているので、米油も健康に嬉しいのはもちろん、使い心地も魅力的なのです。

米油は、油特有の刺激臭が少なく、抗酸化成分が豊富に含まれていて、意外と繰り返し使えてコスパが良いのです。そして、味やにおいに主張がなく、サラッとしているので、どんな料理にも使いやすく、素材の味を引き立てます。

酸化に強く、素材の味を引き立てる特徴の米油。

ごはんを炊く時に米油を少し入れて炊くと、米本来のコシとしっとりとしたうま味が味わえます。もともと米由来のものだから相性は抜群です!その方法は、お米2合につき小さじ1/2程度の米油を入れて炊くだけ。古くなってしまったお米もきっと美味しく楽しめますよ。

「お米」と米ぬかが生み出す循環

白米は主食として。
米ぬかは食品や化粧品、工業用製品に有効活用。
籾(もみ)は燃料、藁(わら)は動物のエサや寝床になるため、お米は人々が白米を食べるだけでなく、それ以外の部分も活用できるのです。

そして、使えないところのない“お米”を育てる田んぼも、人間や動物を支えてくれているだけではありません。

田んぼは雨水を一時的に溜めて、洪水を防ぎ、山崩れを防ぐ。そして、雨水をろ過してきれいな地下水を作ってくれます。そして夏は暑さも和らげてくれたり、生きもののすみかにもなったり。

私達にとって当たり前のようにあるお米は、環境を守るためのたくさんの役割があり、実はすべてを使いこなすことのできる日本の大切な資源です。

現代ではいろいろな食文化が取り入れられ、日々の食事の選択肢が増えています。しかし、何千年もの間、お米主体の食生活をしてきた人々の体は、お米に合った体質を受け継いでいるとも言われています。

世界では今後ますます人口が増え、必要な食糧も増えていくと思われますが、日本にとってお米は貴重なエネルギー源、油脂資源、飼料や肥料…となっていくと考えられます。

お米、そして米ぬかという捨てるところがなく、活用できる大切な資源。お米を食べる回数を少し増やしてみたり、国産の米油を選んでみたり、お米のある生活を取り入れてみませんか。

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木下碧
築野食品工業株式会社

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