発酵あんこの作り方。発酵のチカラで罪悪感無し?!甘くて美味しいダイエットレシピ

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仕事や家事、育児で疲れた時、甘いものが欲しくなりますよね。でも気になるのがカロリーや体脂肪。甘いものを食べても体重や体脂肪の増加を防ぐことができたなら…その願い、発酵食品なら叶えられるかもしれません!日本人には馴染み深い発酵食品。もともとその発酵パワーは健康に良いとされ、最近では腸内環境を整える「腸活」として取り入れる方が増えています。他に発酵食品の温活効果や美容効果にも注目が集まっています。この記事では砂糖無しでも美味しく健康的に食べられる「罪悪感ゼロ」の“甘い”発酵あんこ等の発酵レシピを紹介します。

発酵食品ダイエットとは?

発酵食品がカラダに良いというイメージはだいぶ浸透してきているようですが、何がどのように良いのか、知っていますか?私たちの腸内にはさまざまな細菌が1つの種類ごとに塊を形成して存在しており、その形態がお花畑(フローラ)のように見えることから“腸内フローラ”と名付けられています。医学的には“腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)”と呼ばれています。腸内細菌には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つのタイプが存在します。善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌などで、悪玉菌はウェルシュ菌やブドウ球菌などで毒性物質を作り出します。また日和見菌は善玉菌・悪玉菌の優勢なほうの味方をする性質があるため、腸内フローラを整える(=腸活)ためには善玉菌を増やす食生活が重要になります。善玉菌を増やすには善玉菌を含む発酵食品「プロバイオティクス(カラダに有益な作用をもたらす微生物)」と善玉菌の餌となる「プレバイオティクス」を食事に摂り入れることがポイントです。腸内フローラが整うことでデトックスが促され、健康的なダイエットができるだけではなく、カラダ全体がイキイキと活性化することで血流が促進され健康にも美容にも良い影響が得られるわけです。

発酵で甘くなる“発酵あんこ”が最強な理由

甘いものの中で和菓子といえば“あんこ”を思い浮かべる方が多いかもしれません。和菓子は洋菓子よりも脂質が抑えられヘルシーなイメージがありますね。しかし、市販のあんこの中には多くの砂糖を使って作られているものもあり、悪玉菌やカビ菌の格好の餌となります。そのため砂糖を使わないのにほんのり甘い発酵あんこが、今SNSやレシピサイトでも話題になっています。発酵あんこはプロバイオティクスの素材でもある米麹とプレバイオティクスの定義に当てはまる小豆、そしてほんの少しの塩のみで作られます。そのためカロリーも通常のあんこより抑えられるのにもかかわらず、腸活もできる最強の一品なのです。

薬膳の観点でも、米麹は胃腸を元気にして食べ物の消化吸収を促進する働きを持つものとされており、まさに腸活にぴったりな食材です。また小豆は水の代謝を助ける食材で利尿作用や解毒作用があるため、カラダの重だるさや肌の吹き出物、むくみが気になる方やダイエットをしている方に効果的です。さらに漢方では、小豆は赤小豆(せきしょうず)という名の生薬として用いられており、炎症をしずめる漢方薬などに入っています。つまり発酵あんこは、栄養学から見ても、薬膳や漢方の処方から見ても魅力の詰まった食品と言えるわけです。

炊飯器で作る発酵あんこの作り方(レシピ)

炊飯器で作る発酵あんこ

<レシピ>

材料: 米麹200g、小豆200g、塩小さじ1/4
作り方:
  • ① 鍋に水3カップ程度の湯を沸かしさっと洗った小豆を入れます。再び沸騰したら水1カップを加え約10分中火でゆでます。
  • ② 火をとめて鍋に蓋をして30分程蒸らしてからザルにあげ、水でさっと洗います。
  • ③ 再び②を鍋に戻して水3カップを加え強火にかけ、沸騰したら豆がおどる程度の弱火にして40~50分ほどゆでます。水が少なくなったら加えつつアクが出たら取り除き、軽くつまんでつぶれるくらいの柔らかさになれば煮上がりです。
  • ④ 小豆とゆで汁に分け、ゆで汁は取っておきます。小豆をボウルにいれラップをかけて60℃程度まで冷ましましょう。
    <ポイント>※温度が高すぎると、酵素が働かず甘く仕上がらないので注意!

    煮上がった小豆とゆで汁を分け、小豆はボウルにいれラップをかけて60℃程度まで冷まします。
  • ⑤ 炊飯器の内釜に60℃に冷ました小豆と米麹を入れて混ぜ、小豆のゆで汁を少しずつ加えながらしっとりするまで混ぜ合わせます。
    ※ゆで汁は底の方のとろりとしたところを入れるとコクがでます。

    小豆と米麹を炊飯器に入れて混ぜ、小豆のゆで汁を少しずつ加えながらしっとりするまで混ぜ合わせます。
  • ⑥ 炊飯器の蓋をせずにぬれ布巾を2重にかけ、炊飯器の保温機能で8~10時間保温します。
    ※途中何度か混ぜ合わせ、布巾をぬらしなおすとよく発酵します。

    炊飯器の蓋をせずにぬれ布巾を2重にかけ、炊飯器の保温機能で8~10時間保温
  • ⑦ 出来上がったら塩を加えて混ぜ、清潔な保存容器に移して完成です。 出来上がったら塩を加えて混ぜ、清潔な保存容器に移して発酵あんこの完成
  • ★冷蔵庫で3日程、冷凍庫で1カ月程度の保存が可能です。
  • ★手作りの発酵食品では雑菌の繁殖が心配なので、使う器具や容器は丁寧に洗って熱湯や消毒用のアルコールを使用してしっかり消毒しましょう。

すでに発酵している食品を使うかんたん腸活

発酵あんこは時間と手間がかかる…と思う方には市販されている砂糖無しの発酵食品を使用したレシピはいかがでしょうか。中でも手軽に作れ、甘くて美味しい発酵スムージーがおすすめです。朝食(最初に摂る食事<ファーストミール>)に食物繊維をしっかり摂取すると、次に摂る昼食<セカンドミール>の食後血糖値の上昇を抑える「セカンドミール効果」が期待できます。セカンドミール効果とは、GI*の提唱者であるジェンキンス博士(トロント大学)が1982年に発表した概念で、最初に摂る食事に食物繊維が多く含まれるものを選ぶと、消化・吸収を遅らせることにより食後の血糖値の上昇を抑え次の食事の血糖コントロールが改善するというものです。朝食に食物繊維豊富な食材と発酵食品を組み合わせる発酵スムージーを摂り入れることは健康的なダイエットにとても有効です。

酒粕を使ったかんたん発酵グリーンスムージー

酒粕は、日本酒の製造工程で生まれる副産物です。粕(かす)と言われますが、ペプチド、アミノ酸、ビタミン、麹菌、酵母、酵母菌由来のβ‐グルカン、葉酸など豊富な栄養素が含まれています。それに食物繊維豊富な野菜や果物、大豆製品を組み合わせてスムージーにすることで手軽に健康発酵ドリンクを作ることができます。
※腸活のために酒粕を生のまま使用する場合にはアルコールが含まれるため、お子さんへの提供や妊婦の方、運転を予定している方は控えてください。

<レシピ>1人分

材料: 酒粕25~30g(練状又は板状)、小松菜1株、バナナ1本、ヨーグルト大さじ1、豆乳(又は牛乳、オーツミルク)100~150ml、きな粉適量
作り方:

酒粕はちぎって細かくし、野菜と果物はカットします。材料をすべてミキサーに入れて混ぜ合わせたら出来上がり。

  • ※板状の酒粕を使用する場合、ちぎって耐熱容器に入れ、水を大さじ1加えてレンジで加熱し柔らかくしておくと混ざりやすくアルコールが苦手な方にもおすすめです。
★果物アレンジ: バナナの代わりにリンゴもおすすめです。キウイもおすすめですが甘味が足りない場合バナナをプラスすると美味しく仕上がります。キウイはきれいに洗って皮ごと使うと栄養価もアップ。
★季節アレンジ: 乾燥ショウガ、シナモンを入れると温活に、スイカを入れると熱中症予防になります。

【スムージーに向かない食材】

① スプラウト系: 栄養価が高い半面アルカロイドなどの成分を含むため、毎日多量に摂取すると毒性が現れるかもしれません。スムージーにすると多量摂取を促しやすいため避けたほうがいいでしょう。
② 根菜類: 根菜に含まれるでんぷんは果物との相性があまりよくないため腸内でガスが発生しやすくなります。

子供も飲める麹甘酒を使ったかんたん発酵グリーンスムージー

炊いたご飯に米麹を加えて作られる甘酒(麹甘酒)は含まれる成分のうち、20%以上がブドウ糖のため、自然な甘みを味わうことができます。ブドウ糖や必須アミノ酸、ビタミンB群などの栄養素を含み、病院で使われる点滴の成分と似ていることから、甘酒は「飲む点滴」とも言われています。酒という名称ですが麹で作られる甘酒はアルコールが含まれていないためアルコールに弱い方やお子さんにもおすすめです。市販のものを選ぶ際は砂糖が多く含まれていないものを選びましょう。

<レシピ>1人分

材料: 麹甘酒(飲料用に薄められていないもの)50g、小松菜1株、リンゴ1/4個、豆乳(又は牛乳、オーツミルク)100~150ml
作り方: 野菜と果物はカットし、材料をすべてミキサーに入れて混ぜ合わせたら出来上がり。
★果物アレンジ: リンゴの代わりにバナナやパイナップルもおすすめです。
★野菜アレンジ: 小松菜の代わりにベビーリーフやレタスもおすすめです。
★季節アレンジ: 乾燥ショウガ、シナモンを入れると温活に、スイカを入れると熱中症予防になります。

【スムージーに向かない食材】

① スプラウト系: 栄養価が高い半面アルカロイドなどの成分を含むため、毎日多量に摂取すると毒性が現れるかもしれません。スムージーにすると多量摂取を促しやすいため避けたほうがいいでしょう。
② 根菜類: 根菜に含まれるでんぷんは果物との相性があまりよくないため腸内でガスが発生しやすくなります。

食べ過ぎ、食欲低下など「食」のムラを整えるには

日常生活の中で、イライラをためがちな方、クヨクヨを引きずりがちな方、どちらも食欲の過不足が心配されます。きちんと食べてしっかり休み、すっきりと出せるカラダを維持することは忙しい現代人にとって意外と難しいことなのかもしれません。ストレスでついつい食にムラが出てしまう場合は漢方で胃腸の調子や代謝機能を整えることも選択肢の一つです。自分の体質と今の体調を知り、調子の良いカラダを維持していきたいものです。

食べ過ぎ飲み過ぎなどが気になる方に
大柴胡湯(だいさいことう)
ストレスでやけ食いをしてしまうくせがある方や、最近、脂質代謝が下がったと感じる方におすすめの漢方。全身に脂肪がついている、あまり動かない上半身を中心に、二の腕・脇腹に脂肪がつきやすい…という方におすすめです。

食欲がなく、胃腸の調子が不安定な方に
六君子湯(りっくんしとう)
食欲がわかない、吐き気がするといった症状の他、胃がもたれる(消化不良)、胃が痛い(胃痛)、胸やけがするなど胃腸が弱っている方に、「気(エネルギー)」を補い巡らせる処方で胃腸の働きを整え、胃腸虚弱を改善します。

水太りでぽっちゃりが気になる方に
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
消化吸収を助けながら、カラダの余分な「水」をとり除き、全身の機能を高める漢方です。胃腸がきちんと機能することによって、体に必要なエネルギーを作り出し、消費することができるようになります。体をひきしめ、水太りやむくみを改善します。

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漢方療法推進会ー胃腸疾患

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那須久美子(https://www.kandworks.com/about
ヘルスケアデザイナー・漢方アドバイザー・ピラティストレーナー・ヨガセラピスト・バレエティーチャー・アスリートキャリアコーディネーター・介護予防運動指導員

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