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毎日何気なくしているメイク。身だしなみとして外出時のルーティンとして、社会の中での自分の顔を整えて、一定の大人としてのふるまいのためにしている方が多いのではないでしょうか。でも、時として春や秋に新しい口紅や新色のアイメイクを見ると、なんだかワクワクして、色を取り入れたメイクもしてみたいという気持ちにもなりませんか。
感染対策が緩和されて、口紅の売れ行きがぐっと伸びてきたように、私たちの気分は今、色を求めているのかもしれません。
実は、色には古くから暮らしや祭りに用いられてきた力があり、私たちは色の力を借りて自らをエンパワーしてきた歴史があります。
今回はそんな色を用いたメイクの起源や実際の色の力についてご紹介していきます。
私達は3万年以上前から顔や体に色を塗る化粧をしていた
メイクの起源。紐解いてみると、なんと私達は衣服を身に着ける前、3万年以上前から顔や体に色を塗る化粧をしていたと言われています。体毛をなくし、裸の肌をさらすようになってすぐに肌の保護のために、そして目に見えない邪悪なものから身を守るための呪術的な目的でメイクが始まりました。
ウィルスなどの微生物の存在を知らない頃に、五感をフル活用して身を守ろうと手にしたものが、色・メイクだったのです。そして外に出て狩りを行う男性が、メイクを始めたと考えられています。現代では色の持つ効果も随分と解明され、色とは光の波長であり、その長さによって生物に様々な作用をもたらすこともわかってきました。
メイクの目的は、肌の保護、祈りを届ける呪術的なもの、異性へのアピール、その社会の一員であることの証明、という大きく4つがあると言われています。
そして、これらは社会や時代と共に変化していき、例えば異性へのアピールでは、母系社会においては、男性がメイクをして女性にアピールするという傾向があり、南太平洋やアフリカでは一部そういう社会が存在しています。
日本においても男性がメイクをすることが増えていますが、これは社会構造そのものが母系的なものへ移行しているからではないかともいわれていて、メイクがどれだけ時代の変化の影響を受けるものなのかが、うかがえます。
また、環境問題や気候変動など未来への不安感が募る中では、社会全体が暗くなるのを防ぎたいという欲求からか、明るい色のメイクが好まれる傾向にあります。不況時にも同様の傾向があり、これには「もっと良い社会になりますように」というある種の祈りの要素があるのかもしれません。
自分の心がどの色を欲しがっているかを確かめよう
みなさんは何色がお好きですか?また日々、気分によって身にまといたい色が変化しないでしょうか?
画家のポール・セザンヌの言葉に、「色は、私達の脳が宇宙と出会う場所である」という言葉があります。そしてその言葉の通り、色とは宇宙から届く太陽光の波長が目から脳に伝わり、その波長の長さによって脳で組み立てられるもの。
波長の長いものから順に、赤→オレンジ→黄→緑→青→藍→紫と7色に私たちの脳は識別します。そして赤を見ると興奮する、青を見ると鎮静するといわれるように、脳への影響がダイレクトにあります。
また、実は私たちの肌にもこれらの色を識別するセンサーがついていて、例えば、目を閉じていてもアイカラーを乗せれば肌はその色を認識すると言われています。そして、日々欲しい色が変わるというのは、心身のバイオリズムに合わせて色を用いたHolistic Careをしようとしている、とも言えますね。
色の持つ効果を取り入れるには、流行色に惑わされることなく、その日の自分の心に何の色が欲しいかを尋ねるようにしましょう。私たちの脳は数百万種類の色を識別できると言われています。それに対して、JIS規格で定められている色はわずか269色、工業的に使われている色はせいぜい数千色と言われています。
人工の色に頼らずに、無数の色のグラデーションに溢れる自然の中で今日の色を見つけたり、その日の気分で花を飾ったり。オーガニックコスメの天然鉱物から作られるアースカラーも、微妙なニュアンスのある天然の色ばかり。「無難な色」で終わらずに、いろんな冒険をしてみましょう。
風水から紐解く色の意味と活用方法
古代中国で生まれ、古くから日本の風習にも根付いてきた風水でも、黄色の財布はお金がたまる、還暦には赤い服を着るなど、青・赤・黄・白・黒それぞれの色の力を用います。
誰かを支援したい、応援するパワーが欲しいときは青、新しくものごとをスタートさせる力を得たいときには赤。何かを引き寄せたいときには黄色、前に進みたい・攻めたい時には白、静かに学習したいときには黒のエネルギーを借りるとよいと言われています。
今日の私はどんな気分なのか、いつもよりも服を選ぶ時間を少し長くして、自分の心と対話するのも大切な時間ですね。
ぜひ色への感度を高めて、今わたしが欲しい色を見つけて、メイクやファッションにも色の力を加え、元気にパワーアップしていきましょう。
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監修
ホリスティックビューティアドバイザー https://h-beauty.info/
林田七恵