目次
- 今なぜコンポストが注目されるのか?
- コンポストを行うメリットとは?
- 農家の知恵から学ぶ簡単コンポストのつくり方
- コンポストの中で何が起こっているの?
- コンポストのある暮らし
- 自然と触れあうことでストレスが解放される
毎日の生ごみが減り、美味しい野菜を育てるための堆肥が作れるコンポスト。近年、話題になることも多くなってきました。いま、おうち時間が長くて、見えないストレスを抱えている方も多いですよね。そんな見えないストレスを和らげるのにもおすすめは「コンポストがある暮らし」です。土を作り、植物を栽培することはストレスをリリースしてあげることにつながります。コンポストとは何か、コンポストのメリット、コンポストの仕組み、簡単にできるコンポストをご紹介します。
今なぜコンポストが注目されるのか?
コンポストとは、英語のcompostからきており、堆肥・堆肥にするという意味です。家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を微生物の働きを活用して発酵・分解させ堆肥を作るという昔から伝承されてきた日本の大切な知恵のひとつです。
捨てれば「ごみ」になるものを、コンポストを使って土の栄養(堆肥)に変え、さらにその堆肥を使って野菜を育てる。この小さな循環が、ストレス問題、環境問題などがとりあげられる今、あらためて注目されてきています。
コンポストを行うメリットとは?
コンポストのある生活には以下のようなメリットがあげられます。
自分・家庭へのメリット
・ 部屋から生ごみのにおいがなくなり、生ごみを捨てる手間がなくなる
・ ごみが減るので、ゴミ袋代を節約できる
・ できた堆肥は家庭菜園や園芸に活用できる
・ 庭やテラスで植物を栽培することは、セラピー的な視点もあり、癒やしになる
・ 活用できる土づくりをしていると、「地球に良いことをしている」と思える小さな満足感を得られる
・ 自分で堆肥からつくった野菜や果物は格別で、安心して食べられる
土に触れるとストレスが減り、気分がよくなりますよね。実際に、米国の研究チームの発表※があり、土に触れる生活や土に触れる生活が心身の健康につながるといった結果がでているのです。
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地域・地球環境へのメリット
・ ごみが減り、自治体が焼却処分するための手間や燃料、費用が減る
・ ごみの焼却が減るため、二酸化炭素の排出量が削減される
・ 堆肥を学校や農家など地域に還元して、地産地消の野菜づくりに活かすことができる
農家の知恵から学ぶ簡単コンポストのつくり方
最近はもっと簡単にチャレンジできるコンポスト生活をスタートさせるための手軽なキットも販売されていますが、今回は昔からある堆肥づくり、農家の知恵から学ぶコンポストのつくり方をご紹介します。
いろいろなコンポスト
コンポストは主に、以下の3つがあります。
・ 機械式コンポスト(乾燥式・バイオ式)
・ 空気が嫌いな菌を主に活用したコンポスト(密閉容器)
・ 空気が好きな菌を主に利用したコンポスト(設置型、木枠型、ダンボール型、バッグ型)
具体的な作り方(例:空気が好きな微生物)
コンポストの中で働く菌(微生物)は、落ち葉や腐葉土などにも存在しています。ここでは、上に挙げた「空気が好きな菌(微生物)」を利用したコンポストの作り方をご説明します。
① 容器と微生物の住処を準備する
容器となる設置型(プラスチック)や木の枠などと、中に入れる微生物の住処(落ち葉や腐葉土など、生ごみを受け止める基材)を準備します。
※落ち葉がない場合、園芸店で腐葉土などを購入します。
※分解を速めたいときは園芸店などのコンポストコーナーに分解促進剤どの紹介もありますので説明書に従って添加するのも一手です。
② 生ごみを準備する
分解しやすいように大きなものは細かく切ったり、卵の殻は小さく砕いたりしましょう。
③ コンポストに入れて土と混ぜる
生ごみを入れたら、しっかりと混ぜてください。生ごみを入れない時も週に1度は混
ぜましょう。徐々に生ごみが分解され、見えなくなっていきます。
④ 熟成させる
③を2〜3ヶ月繰り返し、生ごみをいれるのをやめたあと1~2ヶ月熟成させます。
熟成とは、残った有機物(生ごみ)を分解させる過程のことです。熟成中も週に一度は混ぜましょう。
⑤ 堆肥と土をよく混ぜ合わせる
できた堆肥は、土とよく混ぜ合わせて使いましょう。
生ごみコンポスト初心者にもわかりやすく手順を教えてくれるNPOに相談するのもおすすめ。堆肥づくり全般、ベランダでダンボール箱を利用した方法も教えてくれて安心です。
コンポストの中で何が起こっているの?
身の回りにある有機物は自然の中で時間をかけて分解していきます。コンポストをするということは、微生物が活動しやすい条件を人間が整えて分解させていくことです。さまざまな容器、条件によって分解の速度や、臭いは変わります。
コンポストに生ごみを入れていくと、自然にいる微生物がそれを餌にして、どんどん分解してくれます。微生物の数が増えていくと、温度がポカポカあがることもあり楽しくなります。
コンポストのある暮らし
コンポストをすると自然の力を感じながら、ベランダや庭でごみを減量できます。
しかも部屋の生ごみ臭がなくなり快適になります。そして、不思議ですがコンポストをはじめると、小さな生命体と協力して、地球に良いことしているという満足感も得られ、さらに、自然のものを摂り、我々は自然に生かされているということを実感できます。
日々の何気ない暮らしに、驚きや楽しみ、そして学びをもたらしてくれます。時には、思うようにならないことも、ありますが、それも学びになります。
自然と触れあうことでストレスが解放される
コロナ禍の中で家庭菜園を始めた人も多いと言われていますが、そこにこの生ごみコンポストも加えることで愛着や楽しみが倍増します。あなたの家庭からごみが減るだけでなく、食卓が豊かになる。さらにコンポストを混ぜたり、できた堆肥で野菜を育てるなどで土(壌)に触れることはストレス解消などセラピー的な効果を得ることも期待できます。この輪が広がれば地域だけでなく、地球の健康にも貢献できるなんて素敵ですね。
家庭菜園を楽しんだり土いじりを楽しむ余暇の過ごし方で、地球にも、自分にも優しい循環生活を始めてみませんか。
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この記事を書いたライター
たいら由以子
コンポストトレーナー
・ローカルフードサイクリング(株)代表取締役
・NPO法人 循環生活研究所理事
福岡市生まれ。大学時代栄養学を学び、証券会社に勤務。平成9年コンポスト活動開始、平成16年、NPO法人循環生活研究所を設立、国内外にコンポストを普及。生ごみ資源100研究会を主宰。令和元年都市型「LFCコンポスト」開発。