あの人に聞いてみよう #03 Kampoful Lifeインタビュー編
漢方の知恵や、美と健康に役立つ情報を発信するクラシエの自社メディア「Kampoful Life」。今回はサイト立ち上げの背景やサイトを通して伝えたい担当者の想いに迫ります。
Member
薬品カンパニー
ヘルスケア事業部
カンポフルライフ部
内田 裕紀
薬品カンパニー
ヘルスケア事業部
カンポフルライフ部
砂沢 均
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着実に成長してきた
「Kampoful Life」
今日はよろしくお願いします。まずは「Kampoful Life」誕生のきっかけを教えてください。
もともとヘルスケア事業部ではマーケティング部で商品のブランディングを行ってきましたが、その前段階での「漢方自体のファン」を作ろうとスタートしました。漢方に興味のある方を集めて会員化し、そこに来てくれた人に漢方の情報提供をすることで薬品のブランドを知っていただく、という流れを作りたかったからです。最初は、漢方に興味はあるけれども難しい、たくさん情報があってどれが正しいかわからないなど、知りたいけどどうすれば良いのかわからない、という方が多いことがわかってきました。そこで漢方薬のことだけではなく暮らしの中に生きている漢方の考え方など、もっと知ってもらうことが大事だと気づき、WEBサイトでの情報提供をしていこうと決めました。
以前は、kracie.co.jpという集客力のある強いドメインを持ちながらも、コッコアポや漢方セラピーなどのブランドサイトはcoccoapo.jpといった独自ドメインでバラバラに動いていました。浮島だった各ブランドをkracie.co.jp配下に統合し、集客力を上げるとともに、医薬品はWebサイトで調べてから行動する方が多いこともあり、コンテンツマーケティングとSEO対策が有効であると考えました。
「クラシエの漢方」ブランド、各プロダクトブランドコンテンツをkracie.co.jp配下で立ち上げ直しコンテンツを配信することで、集客し、各ブランドに転送するプラットフォームとして「Kampoful Life」を、立ち上げました。カンポフルライフ部では「Kampoful Life」本体のコンテンツサイトとオンラインショップの企画・運営をしています。
7年間で月に300万ページも閲覧されるサイトになりましたね。
最初は手探りでしたが、SEO対策の重要性とノウハウを学び、キーワード選定や構造化対策を地道に実践してきた結果、徐々にアクセス数も上がってきました。現在は、クラシエに関するほぼすべての症状や病気のキーワード、処方名で検索すると上位表示されています。
SEO対策は、知りたいと思っている人に知りたいことを伝えるための方法としてとても有効だと考えています。玉石混淆の情報が入り混じる中で信頼できる情報を得られるのは、生活者にとってもいいことですし、情報発信する側の責任でもあると考えています。クラシエの会社の信頼もあり、月間300万PV(ページビュー)という実績のサイトとなりました。お客様が漢方に興味がある証明と捉え、これからも情報発信を続けていきたいですね。
「Kampoful Life」のようなWEBサイトでの活動は、「コンテンツマーケティング」といわれているものだと思いますが、漢方との親和性が高かったのでしょうか?
漢方の場合、医薬品なので症状のない人に推奨するということができないので、「困っている人の症状の原因、対処方法などを説明し、あなたも試してみたら?」といえるコンテンツの存在は大きいんです。
漢方を探している方は、検索を利用する傾向があるので、相性も良かったですね。健康寿命を伸ばし自分らしく生きるためには、日常での小さな不調をケアしていく知識、漢方的な生活の知恵やヒントが必要だと発足したのが、まさにこの「Kampoful Life」なんです。
より信頼できる
存在へと進化したい
記事内容はどのように決めていますか?
ブランドの展開に合わせて、季節に合った情報を月に3本発信しています。今伸びているキーワードや、皆の関心事を分析しながら内容を決めています。
季節ごとに検索キーワードを分析し、「Kampoful Life」で扱っていない内容は記事化するように心がけています。また、プロダクトブランドの施策等さまざまな要素が相乗効果を生むように、会員向けキャンペーンやInstagramも活用しています。
人気の記事は何ですか?
体質診断コンテンツと、体質別の記事です。「自分の体質」をわかってもらうことは、ブランドの興味喚起に直結しますし、自分事化しやすいものと推察します。体質がわからないまま対処していたら、同じ症状でも効果が変わってきますから。
記事作成で気をつけていることは?
何度も来てファンになってもらえるようなサイトを目指しています。例えば足が痛いときに、症状が治ったら終わりではなく、「どういう理由で痛いのか?」を知ってもらえるサイトです。薬は症状が出ないと行動を起こさないので、自然検索での流入以外で人を呼び込むのが難しいんです。しかしあなたの体質はこうだから、こんな症状が出やすい、このように気を付けるとよいです・・的なアドバイスの記事などは、漢方薬に興味はなくても、漢方の考え方と相性がいい方に見てもらえますし、もっと見てもらえたらと思い、体質診断や記事を作成しています。
単なる情報の発信ではなく、実践することで漢方の良さを体験できるようなコンテンツを心がけています。例えば、ツボの話は文字と絵だと伝わりにくいので、実際に中医学を学んだ社員が実践してその動画を公開しています。Instagramでレシピも公開していますが、これも実際にメンバーで作って試食しているんです。作れないものでは意味がないですし、見て終わりではなく、自分でもやってみようかなという気持ちになり実践できるということが大切だと考えています。
運用面での苦労はありますか?
漢方薬は医薬品なので薬機法という法律に基づき生活者の方に誤解を与えることが無い表現にしなくてはいけません。なので、薬事に関わるメンバーに記事をチェックしてもらうのですが、細かな表現などは神経を使います。また多くの方にご協力を得て記事ができています。薬機法の関係で、言いたいことを直接的には表現できないこともあります。わかりづらくなってしまいます、そこは悩ましいですね。
一方で、コンテンツ制作に時間がかかるからこそ、信頼に値する記事ができるとも思います。会員さん向けに実施した「Kampoful Life」サイトに関するアンケートで、「信頼できる」「安心できる」といった声が多かったことはとても嬉しいですね。
「Kampoful Life」の会員は、クラシエのファンが多いと聞きました。
調査をすると、クラシエ自体が好きな方が多いですね。ありがたいことです。
「Kampoful Life」を見ている方は男女比、女性6:男性4くらいですが、会員さんは女性が8割を超えています。40代が中心で、30代~50代がメインです。膨大なアンケートに答えてくださいますし、自由回答欄にも熱いメッセージを寄せてくださいます。
今後の課題はありますか?
昔から漢方薬はありましたが、よくわからない、少し怪しいという印象を持つ方が多かったと思います。最近ではインターネットのおかげで口コミが可視化され、信憑性が増しました。それによってお客様の選択肢も増えていると感じています。ただ、同じ症状でも人によって対処方法は異なります。今以上に一人ひとりに合った情報を突き詰めて、キラーコンテンツにしていきたいと思います。