あの人に聞いてみよう #03 Kampoful Lifeインタビュー編
漢方の知恵や、美と健康に役立つ情報を発信するクラシエの自社メディア「Kampoful Life」。今回はサイト立ち上げの背景やサイトを通して伝えたい担当者の想いに迫ります。
- 1
- 2
Page 02
帰着点としての
オンラインショップ
オンラインショップができたのはいつですか?
記事を読んで興味を持った方がトライアルできるようにするために、2020年に「Kampoful Life」の会員向けサービスとしてスタートしました。
2015年にも話はあったのですが、当時は自分たちでお客さまと接しないと、いいものを作れないと思っていたんです。それに、会員を育てていける土壌がないと、オンラインショップを活かしきれません。今回は“機が熟した”という感じです。
どのくらいの方がオンラインショップを見ていますか?
オンラインショップには「Kampoful Life」からは月に約10万人を送客していますが、自然検索での流入の方も増えてきています。直近では、自然検索の方の購入率が高いですね。
自然検索での流入の方は、もともと情報を必要としてサイトに来訪している方なので、購入へのモチベーションが異なります。「Kampoful Life」から来る方は、記事を見て、疑問を解決して帰っている方が多いのだと思います。
オンラインショップ独自の商品がありますね。
漢方を身近に試せる商品を作りたかったんです。価格も手頃なもので。コンパクトなパウチ包装なので持ち運びやすく、パッと見では薬に見えないという点にも気を配りました。漢方薬は顆粒の方が安く作れて合理的なのですが、お客様のニーズが高い、服用しやすい錠剤にしています。
色別に症状を表しており、OTCブランドの「漢方セラピー」でも症状タイプに合わせて色を分けるというパッケージを採用しています。また、今回EC商品のナンバーは漢方を扱う他社ともほぼ統一されていますので、お客様にとっては覚えやすく且つ選びやすくなっていると思います。オンラインショップでは、肌関連の商品が好調です。また、今後は更年期に対応する商品の訴求と更年期に関する情報発信を積極的にしていきたいと考えています。
漢方を知ってほしい
2022年からはInstagramも始めましたね。
やっていますが、難しいですね(笑)「Kampoful Life」の人気記事を短くしてもウケないんです。まだ求められているものと提供しているものがマッチしていない感覚があります。
漢方は日本で育った薬なので、本来は日本の生活に近いはずなんです。私たちが発信していることは、以前に祖父母から聞いたことがあるような内容が多いんです。生活になじみすぎていて言語化されていないことも多いので、それを整理して改めて伝えることで、納得しやすい情報にできると思っています。
今後、クラシエ内での垣根を越えたコラボの可能性はありますか?
医薬品の各ブランドで訴求できることは限られますが、「Kampoful Life」ならさまざまな内容を伝えられますし、記事内容と関連した商品につなげることができます。「Kampoful Life」をきっかけに社内の意識も変わるかもしれません。
「Kampoful Life」の成功を受けて、ブランドでもSEO対策をするようになりました。これまでは店頭中心に考えていましたが、情報戦略への意識が変わってきました。他事業でも共通することではと考えられます。
漢方に興味があり、「医食同源」や「自然治癒」に関心のある人がこれだけいるということは、クラシエの他の事業にとっても財産だと思います。
「漢方を知ってもらいたい」という思いは共通ですね。
はい。漢方を知ってもらえたらもっと生活が豊かになるはず。加えて、クラシエの漢方理論は他社で真似できることではなく、その点にもプライドを持っています。
症状を抑えるのが新薬だとしたら、漢方は何かが起きた時に抑えるのでなく、健康を維持し、もっと楽しい生活を送るための身体を作るものといえるかもしれません。セルフメディケーションを求められている中で、自然治癒力が高まるようなライフスタイルは、心身の健康という個人の利益だけではなく社会と環境への貢献になります。
漢方の考え方では“女性は7年、男性は8年の周期でカラダに変化が起こる”と言われています。症状が出現するかは「その人のもつ体質と養生」によりますが、年齢や環境の変化による身体への影響は、さまざまな場面で誰もが経験するものでもあります。そして、そんな病気とは言い切れない不調は漢方薬が得意とするところ。身体の変化や起こりうる不調の知識があるとないとでは、生活への安心感がまったく違うものになると確信しています。より健やかな人生を実現してもらうために、情報発信を続けていきたいです。
- 1
- 2