「血液サラサラ・ドロドロ?」「血液型で性格がわかる?」ここが知りたい! 血液Q&A
ここでは、「血液サラサラ・ドロドロって?」「血液型で性格がわかるの?」など、気になる「血液」の疑問についてお答えしています。
血液サラサラ・ドロドロって?
赤血球や血小板などの状態が影響しています
血液サラサラ・ドロドロなどとよくいいますが、ドロドロといっても、脂っこい食事のせいで「血中に脂質が増えてドロドロになる」というわけではないようです。厚生労働省発表の情報(「試験問題作成に関する手引き(平成30年3月)』)によれば、「血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない」のだそう。
「血液ドロドロ」とは、血液がスムーズに流れにくい、血管に詰まりやすいといった状態を指しており、赤血球や血小板の量や状態、血中の水分量が関係しているとされます。たとえば、通常の赤血球には容易に形が変わる柔軟性がありますが、糖尿病などにより柔軟性が失われることがあります。すると、毛細血管などの細い部分を通りにくくなるのです。また、体内の水分が不足すると血小板が固まりやすくなったり、血液中の液体成分が減って血液が流れにくくなったりします。このほか、体に炎症反応があると白血球はその原因(細菌など)を捉えるために粘着性が高まり、やはり流れが悪くなることがあります。ストレスや喫煙などが、この一因になることがあります。
高血圧やその他の疾患を防ぐためにも、このような状態を改善して血行を良くすることは重要です。
青い血液ってあるの?
エビやイカなどは青い色素の血液が流れています
こちらでとりあげたように、人間の静脈は一見青く見えますが、実際に流れている血液は黒っぽい赤色です。
しかし、人間のような赤い血液の生物だけではなく、ゆでる前のエビのように青い血液が流れている生物も存在します。イカやエビ、一部の昆虫などは、体内の血液が青いのですが、これは血液中に「ヘモシアニン」と呼ばれる銅を含んだ青い色素があるためです。この「ヘモシアニン」は、人間の血液でいうヘモグロビンと同じはたらきをしていて、体内の細胞に酸素を送り届けています。ちなみに、ヘモシアニンはもともと透明なのですが、酸素と結びつくことで青色になるのだそうです。
血液型で性格診断できるの?
血液型だけで性格を決めるのは難しいでしょう
血液型による占いや性格診断といった情報は世間にあふれていますが、医学的・科学的に根拠があるものなのでしょうか? よく目にする占いなどでは、「A型」「B型」「AB型」「O型」の4タイプで分類するABO式が使われていることが多いですが、性格については、遺伝的なものよりも、成長の過程での経験や環境などの影響が大きいとされます。たった4つのタイプだけで判断せず、しっかりとその人の本質を見極めることが大切でしょう。
なお、血液型の種類については、以下のコラムで詳しくとりあげています。
血液型の種類について
出典:血液の成分 血液型(厚生労働省)
私たち人間の血液は、さまざまな型に分類されます。よく知られているのは、「ABO式」ですが、血液型にはとてもたくさんの分類方法があります。ABO式以外にも、Rh+、Rh-に分けられる「Rh式」や、「MN式」「P式」など、いくつかの血液型が存在することがわかっており、国際輸血学会が認定している血液型は30種類以上もあるとされます。
この血液型を分類する意味ですが、医学的な面では輸血の際に重要になるから、ということがあげられます。なかでもABO、Rhの血液型は、輸血をするうえでの必須項目といえます。ABO式で違う血液を混ぜると、組み合わせによっては血液が凝固してしまうことがあり、血管が詰まって大変なことになります。このため、輸血の前には必ず検査が行われるのです。
なお、Rh式の場合は、Rh+型の人にRh−型の血液を輸血する場合は問題ありません。しかし、Rh−型の人にRh+型の血液を輸血すると、同じように血液が凝固するなどし、ショックが起こることがあります。また、血小板の輸血などを行う際には、白血球型(HLA:白血球の血液型)の検査も重要になってきます。
なお、日本人では「ABO式」「Rh式」の血液型の割合は、円グラフのようになっています。Rh−型の人はわずか0.5%とされ、輸血の際にRh+型は使えませんから、貴重な血液です。該当する方には、ぜひ献血をお願いしたいですね。