お悩みの症状について
胃腸疾患
“胃腸は健康のバロメーター”といわれるように、健康を維持するためには「胃腸」の調子を整えることが欠かせません。ところが、胃腸はデリケートな臓腑なので、ストレス、疲れ、飲み過ぎ、食べ過ぎなど、さまざまな原因でトラブルに見舞われやすいと言えます。こうした胃腸のトラブルの原因として、次の3つが代表的なものと考えられています。
1つめは、とくに水分の摂り過ぎによる胃腸疾患です。現代は、コンビニエンスストアの普及などで手軽に入手できるため、夏でも冬でも冷たい飲み物を摂る機会が多くなっています。冷たい飲食物を多く摂ると体が冷やされ、体内の水分量は多くなります。
漢方では「胃を冷やすことは消化機能を低下させる大きな原因になる」と考えています。自然界では長雨や台風、寒冷による「冷害・水害」が人びとを苦しめますが、これがからだの中で発生すると、胃のもたれや下痢、といったさまざまな症状を引き起こします。
2つめは、炎症性の胃腸症状です。とくにストレスは胃腸に大きな影響を与えます。精神不安があったり、強いストレスを受けたりすると、胃やみぞおちの周辺が緊張して硬くなり、つかえを感じるようになります。そうなると、胸やけ、げっぷ、みぞおちが熱く感じる、といった炎症性の胃腸症状を起こしやすくなるのです。
3つめは、胃腸虚弱タイプの方の胃腸疾患です。ふだんから胃腸が弱い方は、胃腸のトラブルだけでなく、疲れやすい、かぜをひきやすいといったお悩みを併せもっていることが多いようです。
こんな方にはこの処方がおすすめです
思い当たることありませんか?
- 冷たいものを飲むとお腹が痛くなる
- 寒冷の環境で痛みがひどくなる
- 温かいものを好む
漢方では裏寒(りかん)の疼痛(とうつう)と考えます
そんな方におすすめの処方は
安中散 冷えや寒冷の飲食物などで発生する腹痛の方に適しています。
思い当たることありませんか?
- お腹が脹って痛む
- 下痢と便秘を繰り返す
- 手足が冷えやすい
漢方では裏虚腹痛(りきょふくつう)と考えます
そんな方におすすめの処方は
桂枝加芍薬湯 痙攣性の腹痛で、温めたり、おさえたりすると楽になる方に適しています。
思い当たることありませんか?
- 食べると腹が脹る
- 疲れやすく、食欲がない
- 繰り返し下痢をする
漢方では脾気陰両虚(ひきいんりょうきょ)と考えます
そんな方におすすめの処方は
参苓白朮散 食欲不振、慢性下痢、疲れやすいなどの症状の方に適しています。
思い当たることありませんか?
- 手足やお腹が冷える
- 腹に鈍痛があり、おさえたりすると軽減
- 口の中に唾液がたまりやすい
漢方では脾胃虚寒(ひいきょかん)と考えます
そんな方におすすめの処方は
人参湯 手足が冷えて、胃腸が弱く、下痢をしやすい方に適しています。
思い当たることありませんか?
- みぞおちがつかえる
- 腹がゴロゴロ鳴る、口が苦い
- ストレスを感じやすく、胃がむかつく
漢方では脾胃不和(ひいふわ)と考えます
そんな方におすすめの処方は
半夏瀉心湯 胸やけ、げっぷ、みぞおちがつかえる、吐き気がするといったストレス性の胃腸症状に適しています。
思い当たることありませんか?
- 胃部のつかえがある
- からだが重だるく、痰が多い
- 軟便~下痢気味である
漢方では湿困脾胃(しつこんひい)と考えます
そんな方におすすめの処方は
平胃散 胃がもたれて、消化不良、食欲不振の方に適しています。
思い当たることありませんか?
- ふだんから胃腸が弱い、疲れやすい
- 食欲がない、食べても味がしない
- 手足が冷えやすい、力がはいらない
漢方では脾胃気虚(ひいききょ)と考えます
そんな方におすすめの処方は
療方健脾 元気がなく、疲れやすく、食欲不振、空腹感がないなどの症状に適しています。