お悩みの症状について
かぜ
かぜの80~90%は、ウイルスによる感染によって引き起こされます。ウイルスの数は、よく知られているインフルエンザウイルスをはじめ、鼻にとりつくライノウイルス、のどをおかすアデノウイルスなど150種類ほどあります。
漢方のかぜ薬では、かぜの諸症状を和らげるだけではなく、それとともに人間がもともともっている自然治癒力を高める手助けをすることでかぜを治療してゆきます。かぜは他の疾患の初期症状に発展することもありできるだけ早めにしっかり治療したいものです。そこで、漢方では“ひき方”によってかぜの治療方針を決めます。かぜのひき方は大きく2つに分けられます。1つは、はじめに背中がゾクゾクッと悪寒がするタイプ。もう1つは、のどの痛みや熱感があるタイプです。前者を「寒いかぜ」、後者を「熱いかぜ」と呼びます。さらに、暑い時期にひく「夏のかぜ」にはまた違う種類の漢方を使う場合もあります。
かつては、かぜの多くは栄養不足による抵抗力の低下が背景にあるといわれていました。しかし近年では「のどが痛むかぜ」が増えているといわれています。また、過労、睡眠不足、ストレス過多、体力が低下傾向にある高齢者などの増加により、かぜが長引く、スッキリ治らない、何度も繰り返しかぜをひくといった人も増えています。
こんな方にはこの処方がおすすめです
思い当たることありませんか?
- からだがゾクゾクする
- 肩や首筋がこわばる、関節や筋肉が痛む
- 汗は出ない、軽い発熱、鼻づまり
漢方では風寒襲表・表実(ふうかんしゅうひょう・ひょうじつ)タイプと考えます
そんな方におすすめの処方は
葛根湯 からだを温め、発汗を促してかぜを治します。
思い当たることありませんか?
- からだがゾクゾクする
- 薄い水様性の鼻水と痰がでる
- 軽い発熱、咳
漢方では風寒襲表兼水飲犯肺(ふうかんしゅうひょうけんすいいんはんはい)タイプと考えます
そんな方におすすめの処方は
小青竜湯 鼻水のもとになる余分な水分を代謝させながら、体を温めて鼻かぜを治します。
思い当たることありませんか?
- からだがゾクゾクする
- 元気が無く起きられない、体が重だるい
- 軽い発熱
漢方では風寒襲表兼気虚痰湿(ふうかんしゅうひょうけんききょたんしつ)タイプと考えます
そんな方におすすめの処方は
参蘇飲 胃腸を元気にして、体力の少ない方のかぜを治します。
思い当たることありませんか?
- 夏場のかぜ
- 元気が無く体が重だるい
- 食欲不振、下痢
漢方では風寒・内傷湿滞(ふうかん・ないしょうしつたい)タイプと考えます
そんな方におすすめの処方は
藿香正気散 軽く温めつつ、お腹に溜まった水分を代謝させて下痢のあるかぜを治します。
思い当たることありませんか?
- 微熱が続く
- 食欲がない、お腹の調子が悪い
- ゾクゾク感と熱感が繰り返しおきる
漢方では風寒表証兼少陽(ふうかんひょうしょうけんしょうよう)タイプと考えます
そんな方におすすめの処方は
柴胡桂枝湯 こじれたかぜを治します。
思い当たることありませんか?
- のどが腫れて痛む、からだ全体に熱感がある
- 口が渇き冷たいものを欲しがる
- 頭痛・発熱
漢方では風熱犯衛(ふうねつはんえ)タイプと考えます
そんな方におすすめの処方は
銀翹散 のどや体表の炎症を抑えるはたらきがあります。