ストレス
漢方で考えると、春は気持ちが不安定になりやすい季節です。
それに加えて、春は卒業や入学、就職、異動、転勤など環境の変化が大きいとき。
この変化がストレスとなり、さらに自律神経を乱すことになります。
イライラ、怒りっぽいなどの症状は、体がストレスを受けているというサイン。
環境の変化とともに、これまでの生活を見直し、体と心のリズムを整えるようにしましょう。
食
春は、五臓のうち「肝(かん)」のはたらきが異常亢進し、疲弊してしまうといわれています。
イライラ、怒りっぽいなどの症状は、「肝」の自律神経調整機能がうまくいかずに、「気」が滞り、興奮して頭に血がのぼった状態。興奮を冷まし、リラックスさせる食材をとると良いでしょう。
「肝」のはたらきを養う
- なつめ
「肝」の機能を養う食材として、有名なのがなつめです。
なつめは、2~4cmくらいの楕円形をした果実で、秋になるとこげ茶色に熟します。果肉は白く、さくさくとした歯ざわりで、甘酸っぱい味がします。胃腸を高めたり、「血」を補ったりするはたらきがあります。
生のままでも食べられますが、天日干しして干しなつめにしたり、シロップで煮てコンポートにすると食べやすいようです。
体の熱を冷ます
- 苦うり(ゴーヤ)
苦うりは、別名ゴーヤとも呼ばれ、体の熱を冷まします。また、ビタミンCの含有量はキャベツの2倍といわれるほど、栄養価の高い食材です。
苦みの強い種とわたはとり除いて使うと良いでしょう。豚肉や豆腐などと炒めたり、茹でてあえものにするのがおすすめです。
気分を発散させる
- シソ
シソには発散の作用があるといわれています。
イライラしたときにとりたい食材ですが、発散のし過ぎも良くないため、肉料理や魚料理などに加えるなどしてとると良いでしょう。
ツボ
ストレスが蓄積されると、自律神経のバランスを崩し、深刻な症状を招くことがあります。
日常的に、自律神経のはたらきを整えるツボ押しをして、ストレスをためないように気を付けましょう。
手首の横じわの小指側のはし、少しくぼんだところ。
手首を支えるようにもち、親指で押しもむ。まず左手首を刺激して、その後、右手首を刺激する。
眉頭のやや下のくぼみ。
目を閉じて、両手の親指のツボに当て、上に向かって軽く押しもむ。ほかの指は額にそえて頭を支えるようにするとやりやすい。
土踏まずのほぼ中央。
土踏まずの上、足の指を曲げたときに、凹むところ。
両手の親指を「心包区」に重ねて(女性は右手が下)、「湧泉」に向かってすり上げる。これを何度か繰り返す。
養生
- 朝の散歩をする
- 香りや酸味のあるお茶を飲む
春は早起きもつらくなくなる季節。ぜひ、早起きをして、朝の散歩をしてみてください。朝の新鮮な空気を吸うと、「肝」の「気」のめぐりが良くなり、1日を快適に過ごせることでしょう。
また、イライラには、いい香りのものや酸っぱいものが効果的。柑橘類の皮を入れた紅茶やミントティーは心を落ち着かせてくれます。酸っぱいものとしては、梅干し、酢、かぼす、レモンなどがおすすめです。