アンチエイジング
漢方では、「冷えと乾燥は、老化を進める原因」であると考えます。
つまり、気温が低いだけでなく、湿度も低い冬は老化が進みやすい季節なのです。
しかも寒いからといって、家の中でゴロゴロ・・・なんてことはありませんか?
冬の運動不足もまた老化を進める原因の一つです。
冬ならではのアンチエイジングで、春になったとき、「きれいになった?」といわせてみましょう!
食
冬は、五臓で表すと「腎(じん)」です。「腎」が弱ることで、老化が早まるといわれています。食養生では、「腎」のはたらきを高めるような食材を積極的にとりましょう。
また、冬は冷えにより、全身の血行が悪くなりがちなので、「血」を増やす食材をとると良いでしょう。
「腎」のはたらきアップ
- 黒豆
- 海草類
「腎」をつかさどる色は黒であることから、黒い食材は「腎」のはたらきをアップするといわれています。
黒豆は、「腎」をパワーアップし、滋養強壮効果の高い食材。黒豆がとれない場合は、黒豆茶がおすすめ。
わかめ、昆布、ひじきなどの海草類は、抜け毛や白髪にも良いといわれています。味噌汁や煮込み料理に入れて使いましょう。
「血」のめぐりを良くする
- サフラン、紅花
サフランや紅花には、「血」のめぐりを良くするはたらきがあります。両方ともお茶で摂るのが手軽です。
また、「血」の不足にはプルーンがおすすめ。毎日乾燥したものを一つとると良いでしょう。
「血」を増やす
- プルーン
ツボ
百会、腎兪、陽池、足三里、三陰交の順で灸をします。胃腸を丈夫にして老化の予防に役立つとされています。
両耳の先端を結ぶ線と眉間の中央からまっすぐ上がった線が交差するところ。
刺激することで頭皮の血行が促進されます。
腰のくびれの高さで背骨から指2本分のところ。
手首の中央より少し小指よりのところにあるくぼみ。
ひざの外側、ひざ下のくぼみから指4本下。
ひざを軽く曲げて座り、親指をツボに当てて、ほかの指をふくらはぎに添え、やや強めに押しもむ。
内くるぶしから指4本上。すねのうしろのくぼみ。
両手の親指を重ねて、三陰交のツボを5秒ずつ押してください。ゆっくりと息をはきながら5秒間。両脚×3セット行いましょう。
冬のコラム
お正月はおせちを食べるべし!
お正月の代表的な料理といえば、おせち料理ですよね。おせち料理は中国から伝わったもので、節句に神様とともに食べる節供料理に由来します。縁起が良く、日持ちのいい料理を、重箱につめて家族で食します。
実は、漢方的に見ても、おせち料理はとても理にかなったものなのです。冬は、五臓で表すと「腎」です。冬は「腎」をよく使い、消耗しやすいので「腎」を補うと良いとされているのです。おせち料理には、「腎」を補う料理がたくさん使われています。いくつか定番の料理を例にご紹介しましょう。
ごぼうのこぶ巻き
昆布などの海草類には、「腎」のはたらきをアップさせるはたらきがあります。それに苦味のごぼうを組み合わせて、「心」のはたらきを補うバランスの良い組み合わせです。
田作り
ごまめ(片口いわしの稚魚)をしょうゆ風味の飴炊きにした「田作り」も、「腎」を補う一品です。内臓を温め、「気」や「血」を補い、体力や気力をつけるはたらきがあります。
栗きんとん
栗には「腎」を補う作用があり、足腰のだるさや疲れをとるといわれています。おなかが冷えて痛い人や下痢にもおすすめです。