漢方薬名解説

一般的に「疲れ」に使われる漢方薬「補中益気湯」

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

目次

だるくて疲れやすい方向けの漢方薬「補中益気湯」

「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は、生命活動のエネルギーである「気」の量が不足した「気虚(ききょ)」の状態の方に用いられる処方です。「気」は、人の体を支えるすべての原動力のようなものなので、「気」が不足している方は電池が切れた携帯電話のようなものです。機能は壊れていないのに、動力(気)がないので動けないのです。

「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は、“中(体の内側)を補い気を増やす”という意味で名付けられています。胃腸のはたらきを高め、食欲を出すことで「気」を増やし、「気」を上のほうに動かしてめぐらせることで、元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善していく処方です。

効能・効果

体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒

配合生薬(成分・分量)

成人1日の服用量12錠(1錠390mg)中
補中益気湯エキス(1/2量)…3200mg
(ニンジン・ビャクジュツ・オウギ各2.0g、トウキ1.5g、タイソウ・サイコ・チンピ各1.0g、カンゾウ0.75g、ショウキョウ0.25g、ショウマ0.5gより抽出。)
添加物として、ケイ酸Al、CMC-Ca、ステアリン酸Mgを含有する。


生薬ファイル

成分に関連する注意

本剤は天然物(生薬)のエキスを用いていますので、錠剤の色が多少異なることがあります。

用法・用量

次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。

年齢1回量1日服用回数
成人(15才以上)4錠3回
15才未満7才以上3錠
7才未満5才以上2錠
5才未満服用しないこと

用法・用量に関連する注意

小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。

注意点・副作用

使用上の注意
  • 相談すること
    1. 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      (1)医師の治療を受けている人
      (2)妊婦又は妊娠していると思われる人
      (3)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
    2. 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      皮膚発疹・発赤、かゆみ

      まれに下記の重篤な症状が起こることがある。
      その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
      間質性肺炎階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする。
      肝機能障害発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。
    3. 1カ月位(感冒に服用する場合には5~6日間)服用しても症状が改善しない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

保管方法

(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わります。)
(4)使用期限のすぎた商品は、服用しないでください。
(5)水分が錠剤につきますと、変色または色むらを生じることがありますので、誤って水滴を落としたり、ぬれた手で触れないでください。
(6)1包を分割した残りを服用する時は、袋の口を折り返して保管し、2日をすぎた場合には服用しないでください。

製品情報

補中益気湯エキス錠クラシエ

補中益気湯 第2類医薬品

漢方セラピー「補中益気湯」の商品詳細を見る
疲労倦怠、食欲不振の方におすすめの漢方薬(漢方製剤)です。


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よくある質問

Q この薬は服用して効果が出るまでにどれくらいの時間がかかりますか?
A 効果が出るまでの期間は、体質や症状によりさまざまです。医薬品は添付文書の用法・用量を守ってお飲みいただき、1カ月位(感冒に服用する場合には5~6日間)服用しても症状が改善しない場合は、服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
Q 妊娠中や授乳中でも服用できますか?
A 薬の種類、服用期間、お母さん及び赤ちゃんの状態などの情報を総合的に考慮する必要があります。妊娠中や授乳中の方は、服用前に医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
Q 体力が落ちていて食欲もわかないのですが、服用時には注意した方がよいでしょうか。
A 漢方製剤「補中益気湯」は、一般的に食欲がわかないなど、胃腸の消化吸収の働きが弱ったときに元気を増やす作用がある医薬品です。疲れて体がだるいときなどに適していて、比較的体力が低下した方に向いている処方です。
Q 副作用について注意することなど、この処方の情報を教えてください。
A 体に発疹・発赤、かゆみなどの過敏症状が現れることがあります。服用後、他にも不快な症状が出た場合は薬の服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。まれに間質性肺炎、肝機能障害などの重篤な副作用が起こることがあります。初期症状として空咳や息切れ、体がだるい等の症状があらわれた場合には、使用をやめて直ちに医師の診療を受けてください。