一般的に「かぜ」に使われる漢方薬
葛根湯(かっこんとう)
公開日:2023年08月24日最終更新日:2023年11月1日
目次
かぜのひきはじめ、頭痛、肩こりにお悩みの方向けの漢方製剤
漢方では、体力が低下し、病の邪気である「病邪(びょうじゃ)」が体の外から侵入するとさまざまな病気を生じると考えます。かぜもそのひとつで、体の中に風の邪気「風邪(ふうじゃ)」が入り込んだものとしています。
「風邪(ふうじゃ)」は皮膚などから侵入すると、体表をふさぐため、「気」「血」の流れをさまたげます。また、「風邪(ふうじゃ)」を追い出そうとして、「気」「血」は消耗していきます。
「風邪(ふうじゃ)」は徐々に体の内部に侵入していき、内部にまで入り込んでしまう状態が、いわゆる“かぜをこじらせた”状態となるのです。漢方では、「風邪(ふうじゃ)」を追い出しながら、自分自身がもつ「治そうとする力」をサポートすることでかぜを改善していきます。発熱やのどの痛み、鼻水、せきなどの症状や、同時に起こる肩こりや頭痛なども総合的に対処することができるのです。
「体がゾクゾクする」という症状は、体内に入り込んだウイルスと戦うために、体が体温を上げようとした結果、現れるものです。体は発熱することで、ウイルスと戦いかぜを治そうとします。
「葛根湯」は、体を温めて発熱を助けることで免疫力を高めてかぜを改善する処方です。発熱によりウイルスが弱ったことを察知すると、今度は発汗させて熱を下げます。体が治そうとする力に沿ったはたらきに合ったメカニズムで、かぜを改善していくことができるのです。
なお、部屋を暖かくして、白湯で服用するとより効果的です。葛根湯の服用のほかには、ショウガ湯を飲むなどで体を温めるのもおすすめです。
効能・効果
体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
配合生薬(成分・分量)
成人1日の服用量9錠(1錠412mg)中
葛根湯エキス(1/2量)…2,600mg
(カッコン4.0g、マオウ・タイソウ各2.0g、ケイヒ・シャクヤク各1.5g、カンゾウ1.0g、ショウキョウ0.5gより抽出。)
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、二酸化ケイ素、クロスCMC-Na、クロスポピドン、ステアリン酸Mg、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、酸化チタン、カルナウバロウを含有する。
用法・用量
1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
---|---|---|
成人(15才以上) | 3錠 | 3回 |
15才未満7才以上 | 2錠 | |
7才未満 | 服用しないこと |
用法・用量に関連する注意
小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
注意点・副作用
使用上の注意
- 相談すること
- 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
(4)胃腸の弱い人
(5)発汗傾向の著しい人
(6)高齢者
(7)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
(8)次の症状のある人
むくみ、排尿困難
(9)次の診断を受けた人
高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害 - 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
関係部位 皮膚 消化器 症状 発疹・発赤、かゆみ 吐き気・食欲不振・胃部不快感
まれに下記の重篤な症状が起こることがある。
その場合は直ちに医師の診療を受けてください。偽アルドステロン症、ミオパチー 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。 肝機能障害 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。 - 1カ月位(感冒の初期、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には5~6回)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
- 長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
- 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
保管及び取扱い上の注意
(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に、チャックをしっかりしめて保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わります。)
(4)使用期限の過ぎた製品は服用しないでください。
(5)水分が錠剤につきますと、変色または色むらを生じることがありますので、誤って水滴を落としたり、ぬれた手で触れないでください。
製品情報
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