一般的に「せき」に使われる漢方薬
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
公開日:2021年10月07日最終更新日:2022年12月14日
目次
ゼーゼーと音がする、痰が切れづらい、激しいせきの方向けの漢方薬「麻杏甘石湯」
漢方では、肺は2つのはたらきがあると考えます。ひとつが「宣散(せんさん)」と呼ばれる「気(き)」「水(すい)」を外に向かって出す、あるいは上に向かって上げる、というはたらき。もうひとつが、「粛降(しゅくこう)」と呼ばれる、肺の内側に取り入れた「気」や「水」を下に向かって下げていくはたらきです。
つまり、漢方では呼吸を単なる空気ではなく「気」の流れとして考えるわけです。外向きに「気」が流れる、内向きに「気」が入ってくるというように、空気の出し入れを「気」の動きとしてとらえます。
健常な方の呼吸が安定しているのは、「宣散」と「粛降」のバランスがとれているためです。外的あるいは内的な問題によって、このバランスがとれなくなると、咳嗽(がいそう)、いわゆるせきが生じます。咳嗽の原因(ストレス、加齢など)と漢方薬での対応処方はさまざまですが、漢方では、季節の変化など体に悪影響を及ぼすものを外邪(がいじゃ)と呼び、この外邪によって肺の宣散が乱れたときに対応する処方が「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」です。
「麻杏甘石湯」は、せきを鎮める強い作用をもつことから、強いせきや痰が出る、口渇があって汗が出る、呼吸しにくいなどの症状が見られる場合に適している処方です。
効能・効果
体力中等度以上で、せきが出て、ときにのどが渇くものの次の諸症:せき、小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、感冒、痔の痛み
配合生薬(成分・分量)
成人1日の服用量18錠(1錠200mg)中
麻杏甘石湯水製エキス700mg〔カンゾウ1.0g、キョウニン・マオウ各2.0g、セッコウ5.0gより抽出。〕
添加物として、トウモロコシデンプン、CMC-Ca、無水ケイ酸、ステアリン酸Mg、デキストリンを含有する。
成分に関連する注意
本剤は天然物(生薬)のエキスを用いていますので、錠剤の色が多少異なることがあります。
用法・用量
次の量を1日3回食間に水又は白湯にて服用。
年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
---|---|---|
成人(15才以上) | 6錠 | 3回 |
15才未満7才以上 | 4錠 | |
7才未満5才以上 | 3錠 | |
5才未満 | 服用しないこと |
用法・用量に関連する注意
小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
注意点・副作用
使用上の注意
- 相談すること
- 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
(4)胃腸の弱い人
(5)発汗傾向の著しい人
(6)高齢者
(7)次の症状のある人
むくみ、排尿困難
(8)次の診断を受けた人
高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害 - 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
皮膚 発疹・発赤、かゆみ 消化器 吐き気、食欲不振、胃部不快感
まれに下記の重篤な症状が起こることがある。
その場合は直ちに医師の診療を受けてください。偽アルドステロン症、ミオパチー 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。 - 1カ月位(感冒に服用する場合には5~6日間)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
- 長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
- 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
保管方法
(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わります。)
(4)使用期限のすぎた商品は、服用しないでください。
(5)水分が錠剤につきますと、変色または色むらを生じることがありますので、誤って水滴を落としたり、ぬれた手で触れないでください。
(6)1包を分割した残りを服用する時は、袋の口を折り返して保管し、2日を過ぎた場合には服用しないでください。
製品情報
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