漢方薬名解説

一般的に「めまい」に使われる漢方薬

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

目次

朝起きにくい、目まいや立ちくらみに悩む方向けの漢方薬「苓桂朮甘湯」

「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」は、自分や周囲がグルグル回る感覚がある方、フラフラしてまっすぐ歩けなくなることがあるという方、ストレスをためやすい方などにおすすめの医薬品です。

漢方では「水(すい)」の代謝が悪くなり、「水(すい)」が体の上のほうでたまって「気」のめぐりをさまたげると、めまいが起こると考えられています。

「苓桂朮甘湯」は、「気」を補ってその上昇を助けるとともに、たまった「水(すい)」をとり除く処方のお薬です。一般に、体内に水分が余ることで起こると考えられる、めまい、立ちくらみ、頭痛、耳鳴りなどに作用します。また、尿量を増やして余った水分を出し、滞った「水(すい)」の流れを整える処方です。「心(しん)」にもはたらき、動悸や息切れなどを改善します。

効能・効果

体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症:立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏

配合生薬(成分・分量)

成人1日の服用量3包(1包1.0g)中、次の成分を含んでいます。
苓桂朮甘湯エキス(1/2量)…800mg
(ブクリョウ3.0g、ケイヒ2.0g、ビャクジュツ1.5g、カンゾウ1.0gより抽出。)
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖を含有する。


生薬ファイル

成分に関連する注意

本剤は天然物(生薬)エキスを用いていますので、顆粒の色が多少異なることがあります。

用法・用量

次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。

年齢1回量1日服用回数
成人(15才以上)1包3回
15才未満7才以上2/3包
7才未満4才以上1/2包
4才未満2才以上1/3包
2才未満1/4包

用法・用量に関連する注意

(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
(2)1才未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合のみ服用させてください。

注意点・副作用

使用上の注意
  • してはいけないこと
    (守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります)
    1. 次の人は服用しないでください
      生後3カ月未満の乳児
  • 相談すること
    1. 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      (1)医師の治療を受けている人
      (2)妊婦又は妊娠していると思われる人
      (3)高齢者
      (4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
      (5)次の症状がある人:むくみ
      (6)次の診断を受けた人:高血圧、心臓病、腎臓病
    2. 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      皮膚発疹・発赤、かゆみ

      まれに下記の重篤な症状が起こることがある。
      その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
      偽アルドステロン症、ミオパチー手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
    3. 1カ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
    4. 長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

保管方法

(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わります。)
(4)使用期限のすぎた商品は、服用しないでください。
(5)1包を分割した残りを服用する時は、袋の口を折り返して保管し、2日をすぎた場合には服用しないでください。

製品情報

【「クラシエ」漢方苓桂朮甘湯エキス顆粒】

苓桂朮甘湯 第2類医薬品

漢方製剤「苓桂朮甘湯」の詳細情報を見る
めまい、立ちくらみでお悩みの方におすすめの漢方薬(処方)です。


他の「めまい」の商品情報を見る

よくある質問

Q たまに動悸がするんですが、この薬は服用して効果が出るまでにどれくらいの時間がかかりますか?
A 症状の度合いや期間の長さ、体質や生活習慣などで医薬品の効果の発現は個人差があります。添付文書の情報をよく読んでから薬を服用いただき、1カ月位服用して効果が出ない場合は、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
Q この医薬品は自律神経の乱れに使用しても効果的な商品ですか?
A めまい、頭痛、動悸、息切れなどの症状は、自律神経の乱れから起こる場合もあります。「苓桂朮甘湯」は、体力中等度以下でそういった症状がある場合に作用するお薬です。本剤は自律神経の乱れそのものに効果があるものではありません。
Q この薬の副作用の情報や注意することについて教えてください。
A 発疹、かゆみなどの過敏症状が現れることがあります。また、手足のだるさ・しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛が現れることがあります。症状が現れたときは、薬の服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
Q どんなときにこの漢方は飲んだらいいですか?
A めまい、立ちくらみ、頭痛、耳鳴りなどの症状に服用いただけます。万が一、身体のしびれ・激しい頭痛・ろれつが回らない・ものが二重に見える・めまいが1分以上続くなどの症状が認められる場合は、脳の異常からくる中枢性のめまいの可能性がありますのですぐに病院へ受診ください。
Q めまいの原因は何なのでしょうか?
A めまいは体の平衡状態を上手く認知できないことでグルグル・フワフワ・フラフラなどの違和感を覚える症状です。大きくは脳の異常からくる中枢性のめまいと、身体の傾きを感知する三半規管などの異常からくるめまいの2つに分類ができます。また、要因としては精神的要因や更年期、季節変動なども考えられます。「苓桂朮甘湯」はめまいや立ちくらみのある方に用いることのできる漢方薬になります。めまいの中でも自分や周囲がグルグルと回るような感じを覚える方におすすめの処方です。