こむらがえり
公開日:2018年08月01日最終更新日:2022年07月07日
こむらがえりに効果的な漢方薬とは|予防方法と治し方についても解説
急な激しい痛みに襲われる、こむらがえりについて悩んでいる方も多いのではないでしょうか? この記事では、こむらがえりの症状に合う漢方薬やその効果を紹介していきます。
目次
こむらがえりとは
運動時や睡眠中に、足のふくらはぎが強い痛みとともにけいれんするこむらがえり。「こむら」とは、すねの裏側のふくらんだ部分、ふくらはぎのことを指します。この筋肉が過剰に収縮したままになって、足がつるのがこむらがえりです。
こむらがえりの原因
こむらがえりの原因はさまざまですが、最も大きな原因といえるのが、ミネラルバランスの乱れです。カルシウムとカリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにするはたらきがあります。この2つのミネラルを調整しているのが、マグネシウムです。3つとも大切なミネラルですが、とくにマグネシウムの不足が大きな影響を与えると考えられています。また、運動中や就寝中の発汗による脱水、冷えなどの血行不良も原因になるといわれています。さらに、女性は妊娠中ミネラル不足になりやすく、それが原因でこむらがえりを引き起こすことがあります。ほかに、加齢に伴う足の筋肉量の減少や、動脈硬化による血行不良などにも原因があると考えられています。
こむらがえりになりやすい体質
漢方では、全身の組織や器官に栄養を与えるものを「血(けつ)」と呼びます。こむらがえりの原因はこの「血」が不足している状態「血虚(けっきょ)」にあると考えられています。
以下のような自覚がある人は「血(けつ)」が不足している可能性があり、こむらがえりになりやすいといわれています。
・顔色が青白い
・肌にツヤがない
・カサカサしている
・爪がもろい
・目がかすむ、目がかわく
・生理が遅れがち、経血の量が少ない
・動悸やめまい、立ちくらみがすることがある
こむらがえりを予防するには
次に、こむらがえりの予防方法をご紹介します。
毎日のストレッチ
こむらがえりが起きたときには、過剰に収縮した筋肉を伸ばすことが重要です。また、こむらがえりの予防にはストレッチが有効で、就寝中にこむらがえりを起こしやすい人は寝る前に、運動中に起こりやすい人は運動前に、ストレッチをしっかり行いましょう。
こまめな水分補給
運動時や就寝時は、水分不足でこむらがえりが起きやすくなります。運動中は、スポーツドリンクなどで水分とミネラルをこまめに補給するよう心がけましょう。就寝前にコップ1杯の水を飲むことも有効です。ただし、水分は必要ですが、飲み過ぎると逆に体を冷やして、むくみや足のつりにつながります。できるだけ常温か温かいものを一口ずつゆっくり飲むようにしましょう。
ゆっくりと入浴する
足元が冷えて血管が収縮することで血液の循環が悪くなり、冷えたことによる筋肉の緊張も加わって足がつりやすくなります。ゆっくり入浴をして血行を良くするなど、体を冷やさないようにしましょう。
ふくらはぎをマッサージする
運動をしている方はもちろんですが、運動をしていなくても日常生活による筋肉疲労は蓄積します。その対策として、1日の終わりに軽いマッサージを行いましょう。強くもむと筋繊維を傷めやすいので、手を滑らせるようにしてやさしくもむようにします。電動のマッサージャーを使うと、両足をいっしょに均等にもむことができるものもあります。最近では、ふくらはぎ専用のマッサージャーなどという便利なアイテムも登場しています。
予防におすすめの食べ物
ミネラルが不足しないように、日頃からバランスの良い食事を心がけることも大切です。カルシウムは、牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐や生揚げなどの大豆製品、ししゃもやしらすなど、骨ごと食べられる魚に多く含まれています。また、マグネシウムはアオサやワカメ、ヒジキなどの海藻類のほかナッツ類に、カリウムは、長いもやさつまいもなどのイモ類、バナナやキウイなどの果物に豊富に含まれています。
こむらがえりになった場合の対処法
こむらがえりの症状は、だいたい1~2分で治まっていきます。自然に治まるのを待っていても問題はありませんが、少しでも早く痛みや不快感を緩和したい人は、体の力を抜いて、硬直しているふくらはぎをそっと触ったりさすったりしましょう。だんだん硬直が緩んできたら、足首を回したり、足の指を動かしたりしてみましょう。
こむらがえりに効果的な漢方薬
次に、こむらがえりにおすすめの漢方薬をご紹介します。
就寝中などの足のつり、こむらがえりに
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
体力に関わらず使用でき、筋肉の急激なけいれんを伴う痛みのあるものの次の諸症:こむらがえり、筋肉のけいれん、腹痛、腰痛
一般的に「こむらがえり」に使われる漢方薬
「芍薬甘草湯」の解説を見る
まとめ
こむらがえりになりやすい人は、「血(けつ)」の不足を改善できるよう、改めて食事や運動など見直してみましょう。「血(けつ)」をめぐらせることで、こむらがえりだけでなく、ほかの心身の不調の改善にも役立っていくでしょう。