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胃腸

目次

あなたの胃腸トラブルのタイプをチェック!

胃腸が健康でなければ、食事をおいしくとることができません。食事が満足にとれないと、体を動かすエネルギーを十分につくり出せなくなってしまいます。漢方では、ストレスや冷えなどの原因をとり除くことで、胃腸を正常な状態に戻していきます。また、もともとの胃腸のはたらきが弱いという場合は、胃腸の機能を高めて改善していきます。

漢方では、胃腸は全体でひとつの機能をもつと考え、さまざまな側面からタイプを判断します。まずはあなたの胃腸トラブルのタイプをチェックしてみましょう。よりチェックの多いほうがあなたにおすすめの処方です。チェックが同じ数の場合は、一番気になる症状があるものを選んでください。


もともと胃腸が弱いタイプ

  • 六君子湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

胃腸が弱い、食欲がわかない方におすすめする漢方処方

六君子湯 第2類医薬品

六君子湯(りっくんしとう)


体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐



一般的に「胃腸」に使われる漢方薬
「六君子湯」の解説を見る


ストレスが胃腸にくるタイプ

  • 半夏瀉心湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

不安や過労などのストレスによるみぞおちのつかえ、神経性胃炎におすすめする漢方処方

半夏瀉心湯 第2類医薬品

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)


体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向のあるものの次の諸症:急・慢性胃腸炎、下痢・軟便、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症



一般的に「胃腸」に使われる漢方薬
「半夏瀉心湯」の解説を見る


冷えが胃腸にくるタイプ

  • 胃苓湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

急性胃腸炎、お腹が冷えて下痢になる方におすすめする漢方処方

胃苓湯 第2類医薬品

胃苓湯(いれいとう)


体力中等度で、水様性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴うものの次の諸症:食あたり、暑気あたり、冷え腹、急性胃腸炎、腹痛



一般的に「胃腸」に使われる漢方薬
「胃苓湯」の解説を見る


胃酸が逆流するタイプ

  • 止逆清和錠のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

胃酸逆流による胸やけ、胃もたれにおすすめする胃腸薬

止逆清和錠 第3類医薬品

止逆清和錠(しぎゃくせいわじょう)


胃酸過多、胸やけ、胃部不快感、胃部膨満感、もたれ(胃もたれ)、胃重、胸つかえ、げっぷ(おくび)、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐、飲み過ぎ(過飲)、胃痛、消化促進、消化不良、食欲不振(食欲減退)、食べ過ぎ(過食)、消化不良による胃部・腹部膨満感



一般的に「胃腸」に使われる漢方薬
「止逆清和錠」の解説を見る

胃腸トラブルの原因は?

胃腸の役割

私たちが口に入れた飲食物は、体に吸収されやすい形に分解され、吸収されて栄養素として利用されます。
飲食物は、口で細かくかみ砕かれ、食道を経由し、胃に運ばれ、胃酸でどろどろに溶かされます。そのあと、主に小腸で栄養分が消化・吸収され、大腸で水分が吸収されて、残りは便となって肛門から排出されます。
このように、胃腸は人間が生命を維持するために大切な役割を担っています


胃腸トラブルとは?

胃腸ははたらきものの臓器ですが、食べ過ぎ、飲み過ぎが続くと疲れてしまいます。まだ前の飲食物を消化しきれていないのに、次の飲食物がたくさん入ってくるとオーバーワークになって調子が悪くなります。また、胃腸に刺激を与えるような辛いものやアルコールがたくさん入ってきてしまうことも、不調をまねく原因になります。仮に人生80年として、1日3回、365日食べるとすると、私たちの食事回数は87,600回にもなります。そのため、食事が胃腸に与える影響は非常に大きく、そして重要なものなのです。
さらに、ストレスや環境の変化なども、胃腸に影響を与えると考えられています。強いストレスが加わったり、暑さや寒さ、湿気といった環境の変化が激しかったりすると、胃腸の動きをつかさどっている神経のバランスが乱れます。すると、食欲や胃腸の蠕動運動に影響を及ぼして、はき気や膨満感、便秘や下痢などの症状が現れやすくなります。
また、もともとの胃腸のはたらきが弱い体質の方もいらっしゃいます。“病院に行っても異常が見つからないが、胃の調子が良くない”“すぐおなか一杯になって食べられない”、こういったトラブルは、胃腸のはたらきが低下している状態と考えられます。胃腸を休ませながら、胃腸のはたらきを高める治療が必要になるでしょう。


胃腸Q&A 漢方のギモンを解決!

Q 胃腸をいたわりたいと思っています。アドバイスをお願いします。
A 胃腸のためには、消化の良いものをよくかんで食べましょう。消化に良い食べ方は、「淡食(しつこくないものを食べる)」「漫食(ゆっくり食べる)」「熱食(生食より火を通したものを食べる)」「暖食(温かいものを食べる)」「専食(集中して食べる)」「潔食(きれいなものを食べる)」です。“ながら食べ”を控えるようにしましょう。
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