INTERVIEW
インタビュー
“CRAZY”とは何か
これまでのクラシエの原動力は誠実さ・真面目さでした。逆境を乗り越えるほどの愚直なまでの誠実さ・真面目さを持って職務に臨んだ結果、クラシエは成長することができました。しかしながら、時流に乗っていれば成長していける時代はすでに終焉しています。そんななかで飛躍していくためには、真面目さだけでは不十分です。むしろ、これまでの「失敗するわけにいかない」という緊張感は、成長の阻害要因にすらなりかねません。これからは、従来の常識に照らせば突飛に映るようなアイデアこそがカギになると思います。まわりに「大丈夫か?」と言わしめるような大胆な発想があふれる会社にしたいという想いからビジョンに“CRAZY”というキーワードを入れました。これを打ち出した際に取引先のみなさまはびっくりされたようですが、常識を打ち破るものができるのではないかという期待の声を掛けていただきました。失敗するわけにいかないのは、私を含めた一部の経営陣だけです。社員には「みなさんが失敗してもクラシエは大丈夫です。臆せずCRAZYなチャレンジに乗り出してほしい」と声をかけているんですよ(笑)
挑戦して失敗するのはいい。しかし、守りの選択でのその場しのぎはいけない。挑戦した結果の失敗は、守りの選択で得たものよりも価値がある。新しいものは失敗から生まれるものですから。
今後の事業戦略は
ホームプロダクツは、アジアを中心とした海外に打って出ることで、国内市場の縮小化をカバーし、さらなる成長につなげたいと考えています。薬品は、漢方に特化している分、まだまだ国内に成長の余地があります。身近で分かりやすい商品開発を進めることで、マーケット自体を拡大していきたいですね。フーズは、これまでは子ども向けのお菓子を中心に展開してきましたが、今後は食べることで元気・健康になるようなお菓子を開発し、アクティブシニアに向けて発信していきたいと考えています。
ただし、いずれにしても「こうあるべき」という固め方はしたくない。何が必要かを見定め、それをどう行動に移していくのかは、現場にいる各社員自身が考えてほしい。そんな意味で、クラシエの社員は「圧倒的な当事者意識」をもって仕事に取り組むことを進めています。会社に何かしてもらうのではなく、上司の指示を待つのでもない。自分で道を切り拓く強さが、クラシエの未来につながるのだと考えています。