頻尿
公開日:2018年08月01日最終更新日:2022年07月07日
頻尿改善におすすめの漢方薬|頻尿の原因を探り、症状に合った漢方薬を
歳を重ねるにつれてトイレが近くなって、夜間でも起きてしまう…。あるいは、若い女性でもひんぱんにトイレに行きたくなるし、体が冷えやすい…、といった悩みを抱えている方もいるのでは? この記事では、頻尿の原因や改善方法について解説するとともに、頻尿に効果的な漢方薬を紹介していきます。
目次
頻尿とは
尿が近い、尿の回数が多い、という症状を頻尿といいます。日本泌尿器科学会によると、一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合が頻尿と考えられています。しかしこれはあくまでも目安で、1日の排尿回数は人によってさまざまですから、1日に何回以上の排尿回数が異常とはいえず、8回以下の排尿回数でも、自身で排尿回数が多いと感じる場合には頻尿といえるでしょう。
頻尿の原因
頻尿は、さまざまな疾患や生活習慣が原因で引き起こされることがあります。頻尿が症状として現れる疾患として代表的なものが、尿がそれほど溜まっていないにもかかわらず、膀胱が活動し過ぎてしまう疾患の「過活動膀胱」です。これにより、急に我慢できない尿意が起きたり、トイレが近くなったりします。
ほかには、排尿後も膀胱内に尿が残る「残尿」も原因として考えられています。残尿があると、結果的に尿を溜められる膀胱のスペースが減ってしまうために、1回の排尿量は少なく、何回もトイレに行くようになってしまいます。
頻尿にかかわる生活習慣としては、たとえば、水分を摂り過ぎると、頻尿になることがあります。とくに、コーヒーや緑茶、ビールといった利尿作用がある飲み物には注意が必要です。また、体が冷えると膀胱が刺激されて頻尿になる場合もあります。そのほか、加齢に伴い、尿を濃縮するホルモンの分泌量が減少したり、膀胱が硬くなってしまったりするので、頻尿になることがあります。尿を濃縮できなくなると、尿の量が増えてしまいますし、膀胱が硬くなってしまうと、尿を溜められる量が少なくなってしまい、頻尿を引き起こしてしまいます。
また、膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染が起こると、膀胱の知覚神経が刺激されて頻尿になる場合もあります。
改善方法
明らかに水分を多く摂取しているようであれば、水分摂取の量やタイミングを調節することにより改善することがあります。とくに、就寝前に利尿作用のある飲み物を控えることで、夜間頻尿を予防することが期待できます。また、ストレスを溜めないようにすることも大切です。外出先でトイレの位置を確認しておくだけでも安心感が違います。
漢方では、頻尿や尿もれといった症状ではなく、その原因にはたらきかける治療をします。ただ、頻尿にはさまざまな原因があるので、まずは病院で診察してもらうことが大切です。頻尿は日常生活に支障をきたすだけでなく、膀胱炎や糖尿病などの疾患のサインの可能性もあります。そのため、早めに治療を行う必要があります。排尿痛がある場合は、炎症を抑える作用があり、排尿を促すことで菌の排出を促す「竜胆瀉肝湯」、頻尿・残尿感がある場合は、排尿を促すことで、菌を体の外に排出し、膀胱粘膜を保護する「猪苓湯」などがあげられます。
頻尿に効果的な漢方薬
次に、頻尿におすすめの漢方薬をご紹介します。
尿が出にくい方の排尿痛・残尿感に
排尿時の尿道の痛み、残尿感のある方に
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの次の諸症:排尿痛、残尿感、尿のにごり、こしけ(おりもの)、頻尿
一般的に「頻尿」に使われる漢方薬
「竜胆瀉肝湯」の解説を見る
尿意が我慢できなくなった・夜トイレに起きる方に
八味地黄丸(はちみじおうがん)
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ
一般的に「頻尿」に使われる漢方薬
「八味地黄丸」の解説を見る
足腰が重だるく、しびれや痛みを感じる方
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)
一般的に「頻尿」に使われる漢方薬
「牛車腎気丸」の解説を見る
まとめ
頻尿の原因は、膀胱炎のような疾患であったり日常生活から引き起こされるものだったりします。漢方が役立つことが多いですが、原因によって、対処法もさまざまですので、原因を明らかにして、適切な治療や対処をする必要があります。原因が思いあたらない場合には、医師に相談してみましょう。