乙子さんは、便秘がちですか？

便は硬いですか？

うーん…ということは、裂肛（れっこう）かもしれませんね！いわゆる「きれ痔・さけ痔」と言われるものです。硬い便を出すときに、肛門の出口付近が切れてしまったんですね。逆に下痢が勢いよく出て傷つけることによって切れることもあります。「きれ痔・さけ痔」になると、排便のたびに痛いんです。出血することもあるんですよ。

そうですね。痔は大きく分けて「いぼ痔（痔核 じかく）」「きれ痔・さけ痔（裂肛 れっこう）」「あな痔（痔瘻 じろう）」の3タイプに分けられますが、そのなかで「いぼ痔」と「きれ痔・さけ痔」は便秘と密接な関係があるんです

「いぼ痔」は、肛門の中や外にいぼができるものですが、便秘や妊娠・出産、座りっぱなしの姿勢などが続くことでおしりに負担がかかって、肛門周りがうっ血してしまうことが原因なんです。

いぼが中にできる内痔核には痛みはありませんが、いぼが外に出てきた外痔核には痛みがあります。どちらも出血することがあるんですよ。

肛門周辺は、毛細血管が集まった場所があるんです。だから、排便時や出産時の力みでうっ血したり、同じ姿勢が続いた時に、血液が滞りやすくなるのです。つまり血流がとても影響を受けやすい場所なのです。

細菌が入り込んで化膿して、膿のトンネルが肛門内から皮膚に向かってできるもので、激しく痛んで腫れるんです。発熱することもありますよ。また効果的な治療薬がなくて、手術の必要もあるの。

ですが、油断はできません！排便時に痛みがあるからって、トイレに行くのを敬遠してしまうことはありませんか？

トイレに行くタイミングが遅れると、便がさらに硬くなってしまって、肛門への圧力も増してしまう。そうすると、ますます痔が悪化するという悪循環に陥ってしまうんです！

両方一緒に改善するのがおすすめです。
「乙字湯（おつじとう）」は知っていますか？

飲む漢方薬です。便秘だけ、痔だけに作用する薬もありますが、「乙字湯」ならひとつで便秘にも痔にも良くはたらきます。便通を整え出しやすくしながら、血の巡りを良くして患部のうっ血をとり、炎症も鎮めて痔を改善するんです

おしりを清潔に保つことと、座りっぱなしを避けることです。デスクワークでも、ときどき立ち上がって少し歩くようにすることが大切ですね。それから、おしりに負担をかける辛い食べものやアルコールは控えるようにしてください。