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尿トラブル

目次

あなたの尿トラブルのタイプをチェック!

尿トラブルの代表的なものには、膀胱炎と尿もれ、頻尿があります。人には相談しにくく、悩みながらも対処にお困りの方も多いのではないでしょうか。
膀胱炎の原因となる細菌類が活発になる夏場に尿トラブルは多く見られます。また、冬場も寒さのため、免疫が下がることで、膀胱炎などになりやすくなります。トイレが近くなる、残尿感がある、排尿時痛みがあるといった不快な症状が気になっているという方には、ぜひ漢方での対処をおすすめします。また、くしゃみをしたときや、下腹部に力が入ったときに起こってしまう、軽い尿もれにも漢方がおすすめです。

漢方では、尿トラブルが起こる原因を体の内側から考え、さまざまな側面からタイプを判断します。
まずはあなたのタイプをチェックしてみましょう。よりチェックの多いほうがあなたにおすすめの処方です。チェックが同じ数の場合は、一番気になる症状があるものを選んでください。


回数が多いタイプ

  • 猪苓湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

尿が出にくい方の排尿痛・残尿感におすすめする漢方処方

猪苓湯 第2類医薬品

猪苓湯(ちょれいとう)


体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの次の諸症:排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ



一般的に「尿トラブル」に使われる漢方薬
「猪苓湯」の解説を見る


痛みがつらいタイプ

  • 竜胆瀉肝湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

排尿時の尿道の痛み、残尿感のある方におすすめする漢方処方

竜胆瀉肝湯 第2類医薬品

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)


体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの次の諸症:排尿痛、残尿感、尿のにごり、こしけ(おりもの)、頻尿



一般的に「尿トラブル」に使われる漢方薬
「竜胆瀉肝湯」の解説を見る


夜、トイレに起きるタイプ

  • 八味地黄丸のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

尿意が我慢できなくなった・夜トイレに起きる方におすすめする漢方処方

八味地黄丸 第2類医薬品

八味地黄丸(はちみじおうがん)


体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ



一般的に「尿トラブル」に使われる漢方薬
「八味地黄丸」の解説を見る

尿トラブルの原因は?

排尿のしくみ

体内の余った水分や不要な老廃物は、腎臓でろ過されて膀胱にたまります。
膀胱は、300~500mLの水分を蓄えることができますが、ふだんは尿道がバルブのように締まっているため、もれることはありません。膀胱がいっぱいになると、その刺激が脳に伝えられ「尿を出したい」という感覚が生じます。そしてトイレに行き、脳が「尿を出してもいいですよ」という命令を出すと、尿道を締めるバルブの役割をしていた筋肉がゆるみ、膀胱にたまっていた尿が排泄されます。
健康な大人であれば、1回の排尿量は150~200mLくらいで、朝起きてから寝るまでに5~6回程度排尿します。水分のとり過ぎや不足、アルコールや薬剤の影響などによって、この量と回数は一時的に変化することもあります。

排尿のしくみ イメージ

膀胱炎の原因

膀胱炎は、尿道から大腸菌などの細菌が侵入することで起こります。とくに女性に多く見られます。これは、尿道の長さに差があるためで、男性は尿道が長く(16~18cm)、女性は短い(3~4cm)ので、女性は構造的に、尿道から大腸菌などの細菌が侵入しやすいことが原因であるといわれています。
通常、膀胱は尿によって定期的に洗い流されるので、細菌などが入ってもすぐに外に出され、感染しないようになっています。しかし、冷えやストレスなどで免疫力が落ちているときや、トイレに行くのをがまんし過ぎて長時間尿が出されず、膀胱内に長時間細菌がとどまってしまったときなどは、細菌感染により炎症が起こってしまいます。膀胱に炎症が起こると、その炎症による刺激が、排尿のサインとして間違って脳に伝わってしまい、頻繁にトイレに行きたくなったり、出し切っていない感じがしたりします。
また、炎症によって排尿のあとの痛みが起こるほか、炎症によって膀胱内の粘膜からもれた組織液が尿に混じり、尿がにごります。ひどくなると、血尿になることもあります。


尿もれや頻尿の原因

膀胱に尿がたまっても、尿道を筋肉が締めつけているので、すぐに出てしまうことはありません。トイレに行くなどして、脳が「尿を出してもいいですよ」という命令を出すと、この筋肉がゆるんで尿道が開き、止められていた尿が排泄されます。
ところが、加齢や出産、薬などの影響で、この筋肉自体がゆるんでしまったり、膀胱の炎症やホルモンバランスの変化などの影響で、脳が間違った命令を出すようになることがあります。すると、尿を止めておくことができず、意図に反して尿がもれてしまいます。
くしゃみやせきをしたときにほんの少しもれてしまうものから、トイレに行くまでがまんできずに一気に出てしまうものまで、症状はさまざまです。





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尿トラブルQ&A 漢方のギモンを解決!

Q 排尿時に痛みを感じ、トイレの回数も多いのですが、気をつけることって何かありますか?
A 尿がたまりやすくなるので水分を控える方もいるかもしれませんが、水分がないと尿量が減って、排尿痛の原因となる膀胱にいる菌を洗い流すことができません。水分はできるだけとるようにしましょう。また、できるだけ体を温める、疲れをためない、こともポイントです。
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