女性の悩み
公開日:2018年08月01日最終更新日:2019年08月01日
目次
あなたの女性の悩みのタイプをチェック!
女性の悩みとして多くあげられる「生理」、「低血圧」。それぞれの症状についてチェックしてみましょう。
まず、「生理」について。
生活習慣や環境の変化に伴って、生理時に悩みをかかえる女性も増えているといわれています。生理時に痛いといった症状をはじめ、PMS(月経前症候群)といわれる生理が始まる前の、イライラや不安感や便秘といった症状や、周期が一定でないなど・・・そんな生理の悩みの改善には、漢方薬がおすすめです。生理痛の有無、生理周期などをチェックして、漢方薬を選ぶようにしましょう。 「どんな生理の悩みがあるのか」によってのむ漢方薬は違います。まずはあなたのタイプをチェックしてみましょう。よりチェックの多いほうがあなたにおすすめの処方です。チェックが同じ数の場合は、一番気になる症状があるものを選んでください。
次に、「低血圧」について。
血圧が低いと、倦怠感や疲労感、朝起きられない、立ちくらみなどといった、さまざまな不定愁訴が起こりやすくなります。漢方には血液の循環を整え、低血圧による不定愁訴を改善させていく薬があります。低血圧の症状で心当たりのあることが多いようなら、漢方薬でのケアがおすすめです。
冷えのぼせ・生理痛タイプ
こんな症状に心当たりはありませんか?
のぼせて足が冷える方の生理痛、生理痛を伴うイライラにおすすめする漢方処方
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。
一般的に「女性の悩み」に使われる漢方薬
「桂枝茯苓丸」の解説を見る
足腰冷え・生理不順タイプ
こんな症状に心当たりはありませんか?
足腰の冷え、貧血や生理不順の方におすすめする漢方処方
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り
一般的に「女性の悩み」に使われる漢方薬
「当帰芍薬散」の解説を見る
便秘がち・生理前の不安タイプ
こんな症状に心当たりはありませんか?
便秘がちな方の生理痛、生理時の精神不安におすすめする漢方処方
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症
一般的に「女性の悩み」に使われる漢方薬
「桃核承気湯」の解説を見る
低血圧タイプ
こんな症状に心当たりはありませんか?
低血圧、体がだるい方におすすめする漢方処方
四物血行散(しもつけっこうさん)
貧血に伴う全身倦怠、低血圧、月経異常、婦人科諸疾患に起因する神経症状(めまい、のぼせ、耳鳴、頭痛、不眠、憂うつ症、不安感)、子宮出血、産前産後及び妊娠による貧血、妊婦の強壮、産婦の強壮
一般的に「女性の悩み」に使われる漢方薬
「四物血行散」の解説を見る
(産後の)気分不安定タイプ
こんな症状に心当たりはありませんか?
産後のストレスや不安感、体力低下のある方におすすめする漢方処方
芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。:月経不順、産後の神経症・体力低下
一般的に「女性の悩み」に使われる漢方薬
「芎帰調血飲」の解説を見る
生理痛、生理不順の原因は?
生理とは?
妊娠・出産という大切な仕事を果たす女性の体。子宮や卵巣という女性特有の臓器をもち、思春期以降、妊娠するための準備が繰り返されています。そのひとつが生理です。生理は、約1カ月に一度の間隔で訪れる周期的な出血のこと。エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンの分泌変化によって起こります。なお、生理不順には個人差がありますが、その原因の多くがホルモン分泌のアンバランスといわれています。
生理周期は、「増殖期」「排卵」「分泌期」「月経期」の4つの段階から成っています。
【増殖期】
生理が終わると、卵巣では卵胞が成熟していきます。するとエストロゲンが分泌され、子宮内膜が少しずつ厚くなってきます。
【排卵】
エストロゲンの量が増えてくると、卵胞から成熟した卵子が飛び出します。これが排卵です。
【分泌期】
排卵後は、卵胞からプロゲステロンが分泌され、この影響で子宮内膜はさらに厚くやわらかくなります。これが妊娠した場合に、受精卵を受け入れるためのベッドになるのです。
【月経期】 妊娠しなかった場合、このベッドは必要でなくなるためはがれ落ちて、血液といっしょに体外に出されます。これが生理です。
生理にともなう不調
生理の前になると、下腹部が痛む・腰痛がひどくなるなどの生理痛を訴える人が多くいます。個人差がありますが、症状が重い場合は子宮筋腫などの婦人科疾患が隠れている場合もあるので、医療機関を受診するようにしましょう。
また、女性ホルモンが乱れると、生理周期や生理期間がバラバラで一定しないなどの生理不順になることがあります。女性ホルモンの分泌機能はとてもデリケートなので、強いストレスや環境の変化などの影響を受けやすいのです。
“生理前は、便通が悪くなる”。これもよくある女性のお悩みです。生理の前になると、女性の体では黄体ホルモン(プロゲステロン)の量が増加します。この黄体ホルモンは、妊娠したとき流産しないように子宮の収縮を抑える作用がありますが、同時に大腸の運動も抑えてしまいます。そうなることで、便秘になりやすくなるのです。
また、便秘以外にも「肌があれる」「体がむくむ」「イライラする」「落ち込みやすくなる」といった症状が現れます。これらはPMS(月経前症候群)と呼ばれています。
なお、経血の量が多くなったり、痛みが気になったりする場合は、子宮筋腫の可能性もあります。子宮筋腫は良性の腫瘍ですから、それ自体が生命を脅かすものではありません。一般的な診察と超音波を使って簡単に診断できるので、気になる症状がある方は、一度医療機関を受診してみましょう。