<漢方薬のイメージやニーズを調査>漢方薬へのニーズが最も高いのは「ストレスによる不調」
~「冷え症」への有用性が認知されている傾向も明らかに~
漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社では、1年間を通して季節や流行に応じた漢方情報を発信してまいります。4月は、漢方へのイメージや効果への期待感を探ることを目的に、「漢方理解度調査」(※1)を実施しました。
漢方薬は、体だけではない心身全体の不調や、病気と健康の間の状態である「未病」(発病はしていないがなんとなく具合が悪い)へのアプローチが可能です。そのため、病院に行くほどでもない不調や、受診したものの診断名がつかなかった不調への対処にも漢方薬は適しています。しかし、漢方薬がどういった症状に効果があるのか、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、調査を通して漢方へのイメージを探るとともに、基本の考え方や豆知識等を解説します。
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漢方薬の症状改善イメージ「冷え症」が最多 / 女性疾患への有用性も認知が高い傾向に
「漢方薬」と聞くと、どういった症状の改善に効果があるかイメージを尋ねたところ、「冷え症」が36.0%で最多の回答になりました。次いで「胃腸の不調」が続いており、身体面の不調に対する改善効果を認知している方が多いことが分かりました。
また、「更年期に伴う不調」と「女性特有の悩み」は、ともに27.0%の方が改善効果を認識しており、女性の不調に対して漢方薬が有効であるという認知も広がっている様子がうかがえます。
一方で、最も有名な漢方薬の一つである“葛根湯”に代表される「風邪」への症状改善イメージは、23.2%に留まる結果となりました。
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「ストレス」不調への漢方ニーズの高さが明らかに
続いて、漢方薬に効果があるとしたら、試してみたいものを尋ねたところ、「ストレスによる不調」が最も多い回答となり、精神面の不調に対する漢方ニーズの高さが明らかになりました。また、「冷え症」、「胃腸の不調」に関しては前問と同様に上位にランクインしています。
一方で、症状改善イメージでは下位だった「不眠・風邪・頭痛」といった症状も上位に入る結果となりました。漢方で症状を改善したいというニーズは高いものの、改善効果の認知にはギャップがあることが分かります。
※1 調査概要
○調査対象:全国の20代~70代の男女400名(有効回答数)
○調査期間:2023年2月27日 ~ 2023年3月2日
○調査方法:インターネットアンケート/クラシエ調べ(株式会社ドゥ・ハウスmyアンケートlight利用)
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30~50代男性は「ストレス」に派生する「不眠」や「胃腸の不調」にも高いニーズが
また、男女別に結果を見ると男性では30代から50代の働き世代で「ストレス」が1位となりました。さらに、「ストレス」から派生すると考えられる「不眠」や「胃腸の不調」に対する症状の改善意向も高く、心身の不調にお悩みの方が多い様子がうかがえます。 女性では20代から50代で、「女性特有の悩み」と「更年期」が上位にランクインしています。女性特有の疾患への漢方ニーズの高まりは、近年のフェムテックの盛り上がりなどが影響している可能性も考えられます。
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【漢方基礎情報】 自分に合った漢方を知るには ~証・体質を解説~
●証について
「証(しょう)」とは、自覚症状及び他覚的所見から、互いに関連し合う症候を総合して得られた状態(体質、体力、抵抗力、症状の現れ方などの個人差)をあらわす漢方独特の用語です。「証」をみて漢方薬を選ぶことで、高い効果を発揮し、副作用を少なくすることができるとされています。そのため、同じ病気でも人により異なる漢方薬を使うことや、人と違う病名であっても同じ漢方薬を使うこともあるほか、「証」が合えば性別に関係なく服用できる点も特徴です。「証」を見極めるうえで、重要となる4つの項目を紹介します。
●体質について
漢方では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成されると考えられており、この3要素の状態により虚証(不足している状態)と実証(めぐりが悪い状態)に分けます。3つの要素と2つの状態で、体質タイプは大きく気虚(ききょ)・気滞(きたい)・血虚(けっきょ)・瘀血(おけつ)・陰虚(いんきょ)・水滞(すいたい)の6つの性質に分けられます。体質によってなりやすい症状や対処法が決まっているため、自分の体質を知り、症状の改善や体質改善を行いましょう。
▶気虚=「気」が不足している状態
エネルギーが足りていないため、疲れ、倦怠感、体が冷えやすいなどの症状があります。また、胃腸も弱り気味なので冷たいもの、脂っこいものは避け、睡眠や休養時間を確保しましょう。
▶気滞=「気」の巡りが悪く停滞している状態
主に自律神経系のコントロールが不安定なため、不安、憂鬱感、片頭痛などの症状があります。気の巡りをよくするために、ジャスミン茶など、香りの通りの良いものを取りましょう。
▶血虚=栄養素である「血」が不足している状態
栄養素が不足することで、貧血の傾向やめまい、しびれやけいれんなどの症状が現れます。適度な休息を取り、規則正しくバランスの良い食生活を心がけましょう。
▶瘀血=「血」の巡りが悪く停滞している状態
血流が悪くなり老廃物が溜まると、肌荒れ、肩こり、関節痛、頭痛などの症状が現れます。運動やストレッチなどで血流を良くすることを意識しましょう。
▶陰虚=「水」や「血」が足りておらず、体に潤いがない状態
体を潤し熱をさます働きのある陰液(水分・栄養素)が不足することで、口・のどの渇きや乾いた咳などの症状や、のぼせ、手のひら・足の裏のほてり等が現れます。適度な水分摂取を心がけ、辛味の強い食べ物は控えるようにしましょう。
▶水滞=水分代謝が悪く、「水」が体内で停滞している状態
余分な水分が局所に停滞することで、体が重だるく感じたり、頭痛やめまい、むくみなどの症状が現れます。軽い運動をして、汗をかき、余分な水分や老廃物を出しましょう。
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【漢方基礎情報】 294処方の幅広いバリエーション
漢方薬には多くの処方がありますが、日本では、一般用漢方製剤として294処方が厚生労働省から認められています。294処方で対応できる症状は幅広く、顔・頭部、肩・腰・足、全身、内臓などさまざまな疾患に対応することが出来ます。現在は、セルフチョイスが可能なわかりやすい一般用漢方薬も発売されており、ご自身で自分に合う処方を見つけられる機会が広がっています。一方で、1つの疾患に対してその人の症状や体にあったいくつかの処方を組み合わせるケースもある為、漢方薬選びに迷ったら専門家への相談もオススメです。
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【漢方豆知識】 難しい漢方薬名…名付けにはこんなルールも。
漢方薬の名前は漢字が多くて難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。実は漢方の命名にはいくつかの法則があり、それぞれに意味があります。例えば・・・
▶ パターン1:生薬の構成数 【例 五苓散(ゴレイサン)】
のどが渇き、尿量が少ない方のむくみ、頭痛などに効果がある五苓散は、猪苓(チョレイ)、沢瀉(タクシャ)、 白朮(ビャクジュツ)(蒼朮(ソウジュツ))、茯苓(ブクリョウ)、桂皮(ケイヒ)の5種類の生薬で構成されていることから名付けられました。
▶ パターン2:効能・効果 【例 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)】
疲労倦怠、食欲不振のなどに効果がある補中益気湯は、中(胃腸)を補い気を益すという意味があります。
▶ パターン3:元々あった漢方薬のアレンジ 【例 抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)】
イライラなどに効果がある抑肝散加陳皮半夏は、神経の高まりを抑える作用のある「抑肝散」に、陳皮(チンピ)と半夏(ハンゲ)を加えた漢方薬です。「加」という文字には後に続く生薬を加えるという意味があります。
※陳皮(チンピ) とは、みかんの果皮を乾燥させたもの。 半夏(ハンゲ) とは、サトイモ科の植物の一種であるカラスビシャクの根茎を乾燥させたもの。
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クラシエ薬品について
クラシエ薬品は漢方のプロフェッショナルとして、半世紀以上にわたり日本に暮らす人々の健康で豊かな暮らしをサポートしてきました。漢方薬を中心に一般用医薬品から医療用医薬品まで自社一貫体制の下で幅広く提供しています。
近年、健康の価値や暮らしのあり方が大きく変化している社会の状況を受けて、クラシエ薬品は漢方事業における医療用分野と一般用分野の連携を強め、「クラシエの漢方」として事業一体で漢方薬を通じた健康価値の提供を高めていくことに挑戦していきます。
漢方を通じて、日本に暮らす人々が自らの健康を総合的に見つめ、理想とする健康的な暮らしをつくることをサポートしていきます。
本リリースに関するお問い合わせ
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