桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、
中国の古典医学書『金匱要略(きんきようりゃく)』に収載されている、
古くから伝わる漢方処方のひとつです。『金匱要略』のなかの婦人病や
妊娠に関するところに記載されていて、女性に多く見られる
月経痛や月経不順、更年期障害などに用いられてきた歴史があります。
桂枝茯苓丸は、名前からもわかるとおり、「桂枝:ケイシあるいは桂皮:ケイヒ」と「茯苓:ブクリョウ」という2つの生薬を中心に組み立てられた漢方薬です。桂枝はクスノキ科の常緑高木の枝、桂皮はその幹の皮が原料です。
茯苓は、マツなどの根に寄生するキノコ(マツホド)の菌核を原料としています。
この2つの生薬に、さらにボタンの根の皮が原料の「牡丹皮:ボタンピ」、桃の種子が原料の「桃仁:トウニン」、シャクヤクの根が原料の「芍薬:シャクヤク」の3つの生薬が加わり合計5種類から構成されています。 漢方薬は、このように複数の生薬を合わせることで、個々の生薬のはたらきを高めたり、一つひとつの生薬では対応できない複数の悩みを改善したりします。
漢方医学では、桂枝茯苓丸には、5つの生薬の組み合わせにより、滞った「血(けつ)」のめぐりを良くするはたらきがあると考えます。「血(けつ)」とは、全身をめぐり組織や器官に栄養を与えるもののことを言います。この「血(けつ)」のめぐりを良くすることで、月経不順や月経痛、月経異常のほか、肩こりやめまいなどを改善します。女性にうれしい漢方処方です。
また、処方名に「丸」が含まれることからもわかるように、桂枝茯苓丸は、もともと丸剤として用いられてきました。丸剤とは、生薬をそのまま細かく砕いて粉末にし、ハチミツなどを加えて練って丸く固めたものです。現在では、丸剤だけでなく、さまざまな剤形のものが製造されており、服用しやすいように工夫されています。構成している同じ生薬を煮出した湯剤という意味の「料」がつく桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)や、構成生薬を煮出して成分を濃縮した桂枝茯苓丸料エキス剤などがあります。
中国の古典医学書『金匱要略(きんきようりゃく)』に収載されている、
古くから伝わる漢方処方のひとつです。『金匱要略』のなかの婦人病や
妊娠に関するところに記載されていて、女性に多く見られる
月経痛や月経不順、更年期障害などに用いられてきた歴史があります。
桂枝茯苓丸は、名前からもわかるとおり、「桂枝:ケイシあるいは桂皮:ケイヒ」と「茯苓:ブクリョウ」という2つの生薬を中心に組み立てられた漢方薬です。桂枝はクスノキ科の常緑高木の枝、桂皮はその幹の皮が原料です。
茯苓は、マツなどの根に寄生するキノコ(マツホド)の菌核を原料としています。
この2つの生薬に、さらにボタンの根の皮が原料の「牡丹皮:ボタンピ」、桃の種子が原料の「桃仁:トウニン」、シャクヤクの根が原料の「芍薬:シャクヤク」の3つの生薬が加わり合計5種類から構成されています。 漢方薬は、このように複数の生薬を合わせることで、個々の生薬のはたらきを高めたり、一つひとつの生薬では対応できない複数の悩みを改善したりします。
漢方医学では、桂枝茯苓丸には、5つの生薬の組み合わせにより、滞った「血(けつ)」のめぐりを良くするはたらきがあると考えます。「血(けつ)」とは、全身をめぐり組織や器官に栄養を与えるもののことを言います。この「血(けつ)」のめぐりを良くすることで、月経不順や月経痛、月経異常のほか、肩こりやめまいなどを改善します。女性にうれしい漢方処方です。
また、処方名に「丸」が含まれることからもわかるように、桂枝茯苓丸は、もともと丸剤として用いられてきました。丸剤とは、生薬をそのまま細かく砕いて粉末にし、ハチミツなどを加えて練って丸く固めたものです。現在では、丸剤だけでなく、さまざまな剤形のものが製造されており、服用しやすいように工夫されています。構成している同じ生薬を煮出した湯剤という意味の「料」がつく桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)や、構成生薬を煮出して成分を濃縮した桂枝茯苓丸料エキス剤などがあります。