「生薬及び生薬を主たる原料とする製剤の微生物限度試験法」の黄色ブドウ球菌試験における生薬付着菌の影響について
第十七改正日本薬局方では特定微生物試験の大腸菌やサルモネラの判定において,生薬に付着する様々な微生物の影響を考慮し,酵素基質培地を用いることができる.しかし,黄色ブドウ球菌試験については酵素基質培地の記載が無い.そこで,本報告では生薬付着菌が黄色ブドウ球菌試験に与える影響を検証し,酵素基質培地を適用し,その有用性について評価した.
11検体を用い,黄色ブドウ球菌試験を行った結果,すべての生薬において黄色ブドウ球菌陽性と推定されるコロニーが見られたが,すべてBacillaceaeであり,生薬付着菌による偽陽性と考えられた.同検体に黄色ブドウ球菌を接種し,酵素基質培地を用いて試験した結果,黄色ブドウ球菌と生薬付着菌をコロニーの色調で区別することができた.ただし,付着菌の種類や数によっては,陽性コロニーの判別が困難な生薬も存在したため,さらなる検証が必要である.
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学会・雑誌
日本防菌防黴学会 第46回年次大会
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