インフルエンザを予防しよう!予防接種や自分でできる対策方法とは

インフルエンザを予防しよう!
予防接種や自分でできる対策方法とは 最終更新日 2019年09月03日

毎年、冬とともに流行シーズンがやってくるインフルエンザ。一度かかってしまうと、大人でもつらい症状に見舞われてしまいます。そうならないためには、何よりも予防が大切。ここでは、予防接種や日常生活における対策など、具体的な予防法について解説します。

インフルエンザとは?主な感染経路について

インフルエンザとは、「インフルエンザウイルス」に感染して起こる病気です。普通のかぜと同じようにのどの痛みや鼻水、咳などの症状も出ますが、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が比較的急速に現れるのが特徴です。

主な感染経路

インフルエンザの主な感染経路に、「飛沫(ひまつ)感染」と「接触感染」があります。
「飛沫感染」は、感染した人が咳やくしゃみで吐き出した飛沫(小さな水滴)に混じっているウイルスを、鼻や口から吸い込むことにより感染すること。「接触感染」は、ウイルスが付着したドアノブやつり革などに触れた手で、鼻や口に触れることにより感染することです。
なお、「飛沫」よりもさらに小さな粒子である「飛沫核」に含まれるウイルスを吸い込むことによる「空気感染」の可能性も完全には否定できませんが、現在のところは、飛沫感染と接触感染の2つが主な感染経路と考えられています。

インフルエンザの予防法は?

インフルエンザにかからないためにはどうすればいいでしょうか。効果的と考えられる方法をみていきましょう。

ふだんの生活のなかでできる予防法

人混みへの外出は避ける
インフルエンザにかからないようにするためには、ウイルスを体内に取り込まないのがいちばんです。そのためには、ウイルスに接触する機会を減らすために、人が多い場所への外出は控えましょう。とくに、体力が落ちているときや、流行シーズンは注意が必要です。
外出するときはマスクを着用する
どうしても人混みなどに出かけなければならない場合は、マスクをして、鼻や口からウイルスが入り込むのを防ぎましょう。
手洗いを徹底する
インフルエンザウイルスがついた手で顔などを触ることで、目や鼻、口などからウイルスが体内に侵入する可能性が高くなります。そのため、石けんや流水で、手についたウイルスを物理的に洗い流すことが重要です。また、アルコール消毒も、インフルエンザウイルスに対しては有効です。
適度な湿度の維持を心がける
空気が乾燥すると、気道の粘膜の防御機能が低下して、インフルエンザにかかりやすくなります。そのため、室内では、50~60%の湿度を保つよう心がけましょう。
歯みがきなどの口腔ケアもおすすめ
歯垢や歯石などに含まれる細菌から産生される酵素の影響で、インフルエンザウイルスが体内に侵入しやすくなるといわれています。インフルエンザの感染リスクを低くするためには、正しいケアで、歯垢や歯石をしっかりと取り除くことが大切です。
インフルエンザのワクチンを接種する
発症や重症化を防ぐには、ワクチンの予防接種が有効です。インフルエンザワクチンについては、のちほど説明します。
体調管理を心がける
健康な人や体力がある人の場合、ウイルスに感染しても、症状が出ない、または、出ても軽度で済むことがあります。日頃から規則正しい生活をして、疲労をためないようにしておきましょう。

咳エチケットとは?

咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ・ハンカチ、上着の袖などを使って、口や鼻をおさえることを「咳エチケット」といいます。
咳やくしゃみから発生する飛沫(小さな水滴)には、多量のウイルスが含まれています。ほかの人が、感染した人の飛沫を吸い込んだり、飛沫が付着した場所を触ったりすることで、感染がどんどん広がってしまいます。そのため、どうしても外出しなければならない場合は、必ずマスクを着用するなど、「咳エチケット」を徹底しましょう。
なお、咳やくしゃみを手でおさえた場合、その手で触れたドアノブなどにウイルスが付着して、ほかの人に感染させる可能性があります。必ず、マスクやハンカチ、上着の袖などでおさえるようにしましょう。

インフルエンザワクチンについて

ワクチンは、ウイルスに対する抗体をつくる効果があります。接種すれば必ず発病を抑えられるというわけではありませんが、感染後の発症率や、発症した場合の重症化率を低くすることが期待できます。
なお、1シーズンの接種回数は、13歳以上の人は原則1回(医師の判断で2回となることもある)、13歳未満の人は2回とされています。また、毎年流行のピークが来る前、12月中旬までに接種を終えることが望ましいとされています。

インフルエンザにかかったらどうする?

インフルエンザウイルスは感染力が強く、学校や職場、家族の間で流行することもしばしば。感染してしまった場合、または感染の可能性がある場合には、次のような対応をしましょう。

感染してしまった場合の対応

01すぐに医療機関を受診する

インフルエンザを発病しても、多くの人は、一週間程度で回復します。しかし、高齢者や持病のある方、子どもなどでは、肺炎や脳症など、命にかかわるような重い合併症が現れることもあります。そのため、高熱が出る、呼吸が苦しいなどの症状がある場合はもちろん、明らかな症状がなくても感染の疑いがある場合は、早めに医療機関を受診します。

02インフルエンザの検査とは

インフルエンザかどうかの検査には、現在、多くの医療機関で、「迅速抗原検出キット」が用いられています。鼻やのどの粘膜を綿棒でぬぐうだけで、数分~30分程度で診断ができます。ただし、症状が出る前のウイルス量が少ない時期や、粘液などの採取が不十分な場合などは、感染していたとしても陽性にならないことがあります。

03登校・出勤の可否は医師の判断を仰ぐ

「学校保健安全法」では、児童生徒がインフルエンザにかかった場合、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」を「出席停止期間」と定めています(病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません)。
一方、社会人に対してはとくに法的な決まりはありませんが、それは決して、すぐに出勤できるということではありません。無理して会社に行った場合、社内の人だけでなくお客様や取引先の人にまで感染が広がってしまう可能性があります。企業によっては、就業規則で定めているところもあるようですが、いずれにしても、医師の判断を仰ぎ、いつまで休む必要があるかを確認しましょう。

04水分をこまめに摂る

汗をかく、食欲がなくなり水分の摂取量が少なくなるなど、インフルエンザになると、脱水症状のリスクが高くなります。そのため、意識して水分補給することを心がけましょう。基本的にはお茶やスープなど、飲みたいものでよいですが、より効率的に水分や電解質(ナトリウム、カリウムなどのミネラル)を補給したい場合は、経口補水液やスポーツドリンクなどがいいでしょう。

05小児・未成年が感染した場合は、
一人にしない

インフルエンザにかかった人において、急に走り出す、部屋から飛び出そうとするなどの異常行動が報告されています。なかでも、転落などの事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児や未成年者の男性で多く報告されています。
異常行動による事故を防ぐためには、施錠を確実に行うこと、窓やベランダのない部屋・1階の部屋で寝かせるなどして、万が一に備えます。また、異常行動は、発熱から2日以内に発現することが多いとされているので、その間は小児・未成年者が一人にならないようにすることが重要です。
異常行動の例
突然立ち上がって部屋から出ようとする
興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う
自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない
人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す
変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする
厚生労働省HP「インフルエンザQ&A」

まとめ

インフルエンザの予防には、ウイルスを体内に取り込まないこと、そして、ウイルスに負けない体をつくることが大切です。適切な食生活と十分な睡眠で、日頃から体調管理をしっかりと行っておきましょう。

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