頭痛
公開日:2018年08月01日最終更新日:2022年07月07日
慢性的な頭痛は漢方薬で|効果が期待できる漢方薬と予防のポイント4選
多くの日本人が慢性的な頭痛に悩んでいるといわれています。快適な生活を脅かす頭痛はできるだけ抑えたいものです。しかし、市販の頭痛薬を飲むには抵抗があるという方もいるのでは? そんな方には漢方薬がおすすめです。この記事では、慢性的な頭痛の種類、おすすめの漢方薬、頭痛の予防法などをご紹介します。ぜひお役立てください。
目次
慢性的な頭痛の種類
ここでは、慢性的な頭痛である片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つについてご紹介します。なお、もともとの痛みがひどくなった場合や、発熱をともなうなど、いつもと違う頭痛が起こった場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
片頭痛
頭の片側あるいは両側、とくにこめかみのあたりがズキンズキンと脈打つように痛むのが特徴。体を動かすと痛みがひどくなったり、痛む方の目の奥に痛みを感じたり手足がしびれたり、吐き気がする人もいます。とくに、女性に多いとされています。
緊張型頭痛
頭や肩、首すじの筋肉のこりや精神的ストレスから起こるのが特徴。後頭部を中心に両側から痛くなり、頭全体がギューッと締め付けられるような痛みがあります。人によっては毎日起こることもありますが、それほど強い痛みではなく、日常生活ができなくなるようなものはまれです。
群発頭痛
ある期間、毎日のように同じ時間に、決まった片側に目の奥がえぐられるような痛みがあるのが特徴。涙が出て、目が充血し、鼻水が出るなどの症状を伴います。多くの場合、年に1~2回、期間は1~2カ月、激しい頭痛が繰り返し起こります。とくに、男性に多いとされています。
慢性的な頭痛には漢方薬がおすすめ
ひんぱんに起こる頭痛には、漢方薬が役立つことがあります。過剰な湿気である「湿邪(しつじゃ)」が体内に余分な水分をため込み、体に悪影響を及ぼすと考えます。普段から胃腸が弱く冷え症の人が湿邪にさらされると、頭痛、めまい、立ちくらみ、吐き気、下痢などの不調が起きやすくなるとされています。漢方薬は、局所から全身にかけてはたらきかけ、自然治癒力を高めることによって薬効を発揮します。
頭痛への効果が期待できる漢方薬3選
次に、頭痛の症状別におすすめの漢方薬をご紹介します。
ズキズキする頭痛、頭痛からくるはきけに
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの次の諸症:頭痛、頭痛に伴うはきけ・嘔吐、しゃっくり
一般的に「頭痛」に使われる漢方薬
「呉茱萸湯」の解説を見る
慢性頭痛、高血圧傾向の方
めまい、立ちくらみでお悩みの方
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症:立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏
一般的に「頭痛」に使われる漢方薬
「苓桂朮甘湯」の解説を見る
頭痛への効果が期待できる食品
次に、頭痛もちの方におすすめの食品を見ていきましょう。
からだを温めてくれる食品
からだを温めてくれる代表的な食品にはショウガがあります。また、サンショウ、コショウなどの辛味の香辛料や、カルダモン、シナモンなどのスパイスにはおなかを温め、胃腸機能を高める効果があると考えられています。夏は火を使う料理は敬遠しがちですが、レトルトのカレーやパスタソースを温める時にこれらの食材を加えたり、香菜やバジルをトッピングしたりするだけでも立派な薬膳メニューになります。
体内の余計な水分を排出してくれる食品
ダイズ、アズキ、ソラマメなどの豆類や海藻類、タマネギなどには、体内の余計な水分を取り除くはたらきがあります。体を温める食材といっしょに食事を摂るとなおよいでしょう。体の巡りを良くして、水分をためないようにしましょう。
摂取を控えたほうが良い食品
アルコール、赤ワイン、チョコレート、チーズ、ピーナッツ、豚肉、人工甘味料などは、片頭痛を引き起こすといわれることがあります。ただ、片頭痛を引き起こすきっかけや、その強さは個人差があります。どんな食品をとったときに頭痛が起きたのか自分で把握できるようにしておきましょう。もちろん、それぞれにいいところがあったり、美味しかったり、食べるのをやめるには惜しい食材ばかりです。食べる量や食べ合わせに注意しながら、おいしく取り入れたいものですね。
頭痛を予防するためのポイント4選
ここではなるべく頭痛を起こさないようにするためのポイントを4つご紹介します。
毎日入浴し血行を良くする
緊張型頭痛は冷えを防ぎ温めることで改善が期待できます。お風呂でしっかり湯船に浸かり、体の芯まで温まれば、血行が促進されて筋肉の緊張がほぐれ、頭痛がやわらぎます。また、疲れをとり、ストレスを解消できる入浴は、片頭痛の予防に効果が期待できます。ただし、片頭痛の症状が出ているときは、急な温度変化で痛みが起きやすいので、湯船に浸からずシャワーを浴びる程度にしましょう。
正しい姿勢を意識する
緊張型頭痛の場合、筋肉のこりを予防するため、姿勢は正しく。長時間同じ姿勢や前かがみ、うつむきなどの無理な姿勢を取らないように気をつけ、ときどきは姿勢や体勢を変えるよう心掛けましょう。
ストレッチで筋肉をほぐす
頭痛のなかでも、首や肩のこりが原因で起こる症状には、ストレッチが効果的です。ストレス解消にもつながるので、頭痛対策だけでなく健康づくりのためにも行いましょう。デスクワークや家事などで長時間同じ姿勢を続けたときや、ストレスによって、筋肉に負担がかかり、血行不良になったときにこりは起こります。ストレッチで首や肩をゆっくりと動かすことによって血行が良くなり、筋肉がほぐれていきます。
規則正しい生活を送る
寝不足、寝過ぎ、疲労、空腹など体のストレスは片頭痛のトリガーになるので避けましょう。休日だからといって、寝だめや二度寝をすると逆効果となることがあります。寝過ぎて頭痛が起こる場合は、休みの日でもできる限りいつもと同じ時間帯に起きるようにしましょう。また、昼寝をすると頭痛が起こる人もいますので注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか。慢性的な頭痛と言っても種類があり、症状ごとにおすすめの漢方薬や予防法などさまざまです。毎日の何気ない姿勢や動作が頭痛の原因になることがありますから、日常生活での工夫が大切です。なるべく頭痛が起きないように、たとえ痛みが起きたとしても症状が軽く済むように、自分でできる予防法や対処法を知っておきましょう。