顔・体にできてしまう「しみ」の原因と対策 : 頬のしみ
目立つ頬のしみ(シミ)を
何とかしたい!!
鏡を見ると、正面にあるため、気になりがちな頬のしみ(シミ)。ファンデーションや、コンシーラーを重ねて塗ったりするなど、"しみ(シミ)を消す"のは一苦労です。そんな気になる頬のしみ(シミ)についてご説明します。
1. 頬にできるしみ(シミ)の種類は?
頰にできる代表的なしみ(シミ)には、老人性色素斑とかんぱん(肝斑)があります。その他、そばかすと炎症後色素沈着があります。
・そばかす
幼少の頃から、鼻のまわりを中心に、左右対称性に薄い茶色の点が散らばって現れます。
・炎症後色素沈着
にきび(ニキビ)や肌あれ、やけどなどのあとが茶色いしみ(シミ)に変化したもの。頰は炎症を起こしやすい部位なので、注意が必要です。
2. 濃い茶色のしみ(シミ)は?
頰のしみ(シミ)の中でも最も多いものが、老人性色素斑(日光性黒子とも呼ばれる)です。濃い茶色や黒っぽい色のしみ(シミ)で、類円形で大小さまざまな大きさがあり、もとの肌の色よりも濃く見えるためにとても目立ちます。紫外線の影響で増えやすくなり、さらに加齢とともにだんだん濃くなる傾向があります。睡眠不足や食生活の偏りなどで肌のターンオーバー
(※)が乱れることでも、できやすくなります。
3. もやもやと広がるしみ(シミ)は?
頬骨あたりに左右対称にできるもやもやと広がるしみ(シミ)は、かんぱん(※)と考えられます。30代~40代の女性に多く見られ、生理が止まる50代になると、少しずつ薄くなったり、減ったりするといわれています。経口避妊薬(ピル)の服用や妊娠などで現れたり悪化したりすることが多く、女性ホルモンの乱れが原因と考えられています。ホルモンバランスの乱れは、ストレスや不規則な生活習慣が引き金になることもあります。また、かんぱん(※)は紫外線を浴びると悪化して濃くなるので、注意が必要です。
4. 頬のしみ(シミ)の対策は?
ふだんから気をつけたいのは、紫外線対策です。頬は、日中紫外線が当たりやすい場所なので、UVカット効果をもつ日焼け止めや化粧下地、ファンデーションなどを選ぶのがおすすめです。こうしたアイテムのUVカット効果を示す指標が「SPF」と「PA」です。 地上に届く紫外線はA波(UVA)とB波(UVB)の2種類あり、それぞれが肌にダメージを与えます。
<地球に届く紫外線と肌へのダメージ>
・「UVA」
320〜400nmの長い波長で、皮膚の深くの真皮にまで到達します。浴びると肌を少しずつ黒くして、しわやたるみなど皮膚の老化を早めてしまいます。窓ガラスごしにも入るので、室内でも注意が必要です。
・「UVB」
280〜320nmの短い波長で、皮膚の表面に作用します。浴びると肌に赤みや水ぶくれをおこします。 大量に浴びると、免疫力の低下、皮膚ガン、白内障の原因にもなります。
・「SPF」(1〜50+)
UVBにより皮膚が赤くなる反応を、どれだけ防ぐことができるかという目安。 数値が大きいほどUVカット効果が高く、国内製品では「50+」が最高表示値。
・ 「PA」(+〜++++)
UVAにより皮膚が黒くなる反応を、どれだけ防ぐことができるかという目安。 「+」が多いほどUVカット効果は高くなります。
日常生活では、SPFが20〜30くらい、PAは++あれば、充分効果があります。ただし、仕事やアウトドアスポーツなどで一日中外にいるときには、SPFが40〜50+、PAが+++〜++++のものを使用してください。
なお、数値が高い日焼け止めを塗っていれば大丈夫ということはありません。塗る量が少なかったり、汗で流れてしまったりすると効果が十分に発揮されないので、適切な量を使用するとともに、こまめに塗り直すことが大切です。
また、ストレスがたまったり、寝不足だったり疲れたりすると、皮膚の新陳代謝が衰え、さらにホルモンバランスも崩れて、しみ(シミ)ができやすくなります。十分な睡眠やバランスの良い食事も、しみ(シミ)対策には大切です。 化粧品はやさしく使うことがポイントです。肌をこすり過ぎたりすると、肌が荒れて炎症後の色素沈着などしみ(シミ)ができやすくなってしまいますので、お肌にあうものを選んで使用しましょう。
※しみ(シミ)にはいろいろな種類があり、複数のしみ(シミ)が混合してできる場合があります。症状によって対処法は異なるため、間違ったケアをすると悪化する可能性があります。自分で判断せずに医師・薬剤師にご相談ください。
用語解説
●かんぱん(肝斑)
頬骨のあたり、額、口の周りなどに左右対称に現れ、目の周囲を避けて現れる。もやもやと広がり、輪郭がはっきりしていない特徴をもつ。
●ターンオーバー
表皮細胞の生まれ変わりのこと。一定の周期で新しく生まれた細胞が皮膚表面まで押し上げられ、はがれ落ちるまでのことを指し、平均的な周期は約28日間とされる。この周期が乱れると、肌トラブルが起こりやすくなる。