鏡を見るたび、気にかかるのが顔のいぼ(イボ)。顔にできるいぼ(イボ)は、皮膚がもり上がるため、メイクでもカバーしにくく、隠したくても隠せないのが悩ましいところです。ここでは、どうして顔にいぼ(イボ)ができるのかについてご説明します。
顔にできるいぼ(イボ)は、ウイルス感染が原因でできるウイルス性のいぼ(イボ)や、年齢とともに現れやすくなる脂漏性角化症が主なものです。ちなみに、いぼ(イボ)は、専門用語で疣贅(ゆうぜい)と呼ばれています。
ウイルス性のいぼ(イボ)は、引っかき傷などにヒトパピローマウイルス(HPV)が入り込んで、細胞に感染することが原因でできると考えられています。ウイルス性のいぼ(イボ)のなかでも、顔にできやすいといわれているのが、扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)です。平らな形でわずかにもり上がり、肌色から薄い茶色をしていて、額や頬などによく見られます。表面はザラザラしていないのが特徴で、ときには小さいしみ(シミ)に見えることがあります。また、自覚症状がないことが多いのですが、突然かゆくなったり、赤くなったりすることがあります。若い女性に多く見られますが、40代にもできる可能性があります。
加齢によってできる脂漏性角化症は、皮脂腺の多い部位にできやすいのが特徴です。平べったいもり上がりで、濃い茶色や黒っぽい茶色をしています。60代では80%、80代ではなんと100%と高齢者のほとんどに見られるため、"老人性"いぼ(イボ)とも呼ばれます。脂漏性角化症の原因のひとつが紫外線です。とくに顔はほかの部位よりも紫外線を浴びやすいため、脂漏性角化症ができやすいと考えられています。
ウイルス性の顔いぼ(イボ)の場合、ウイルスが侵入しないように、引っかき傷やカミソリ負けなどを顔につくらないことが大切です。また、顔が乾燥してしまうと、肌のバリア機能
(※)が低下してしまい、傷ができやすい状態になります。化粧水や美容液、乳液などでの保湿ケアがおすすめです。
脂漏性角化症の場合、紫外線から顔を守ることが重要です。日焼け止め、日傘、帽子、サングラスなどを使って、紫外線が直接、顔に当たらないようにしましょう。 また、顔にいぼ(イボ)ができてしまったら、あとが残らないように治療することも大切です。内服薬としては、いぼ(イボ)に効果を発揮するといわれる生薬のヨクイニンなどがよく用いられています。ヨクイニンは効き目が穏やかで治療のあとが残りにくいと考えられています。
※いぼ(イボ)は、良性のものがほとんどですが、まれに悪性の場合もあります。いぼ(イボ)を見つけたら、自分で判断せずに医師・薬剤師にご相談ください。
※脂漏性角化症はウイルス性いぼとは異なります。改善が見られない場合は、医師、薬剤師、登録販売者にご相談下さい。