「いぼ」の部位ごとの原因とケア:背中のいぼ
背中のブツブツはいぼ?
原因と対処法、
できものの種類を解説
背中にいぼ(イボ)ができると、人の目が気になって背中の開いた洋服や水着が着づらくなることがあります。一度、できてしまうと治りにくいことがあるので、適切に対処が必要です。今回は、背中のいぼ(イボ)についてご説明します。
1. にきび(ニキビ)と
間違えることも
背中は自分で確認しづらいので、知らないうちにいぼ(イボ)ができてしまうことがあります。服を着たときに引っかかる、座ったときに背もたれに何かが当たるなどで、初めていぼ(イボ)の存在に気づくことも珍しくありません。
背中にできるいぼ(イボ)は、主にウイルス性のものと加齢によってできるものがあります。自分ではケアしづらいため、いぼ(イボ)が一度できてしまうと広範囲に現れたり、大きくなったりする可能性があるので注意が必要です。また、鏡などでしか確認することができないため、にきび(ニキビ)と間違えてしまうことがあります。
2. 引っかき傷と紫外線が原因!?
健康な皮膚には、肌のバリア機能(※)などといったウイルスの感染から守るはたらきが備わっています。しかし、バリア機能の低下などで肌あれや湿疹などが起こることがあります。すると、背中をかいたときに傷ができ、その傷からヒトパピローマウイルス(HPV)が侵入し、感染することでいぼ(イボ)ができてしまうのです。
加齢によってできるいぼ(イボ)は、脂漏性角化症と考えられます。茶色や黒っぽい茶色をしていて、主な原因は紫外線と加齢によるターンオーバー(※)の乱れと考えられています。
3. いぼ(イボ)を
除去する方法は?
ウイルス性のいぼ(イボ)や脂漏性角化症を除去する方法として、医療機関では液体窒素による凍結療法がよく用いられます。凍結療法は、液体窒素を含ませた綿棒をいぼ(イボ)に押し当てて、いぼ(イボ)が凍ったら、温めて溶かすという作業を繰り返します。こうすることで、いぼ(イボ)が水ぶくれとなり、やがてかさぶたに変化したあとにポロリとはがれ落ちます。凍結療法は一度でいぼ(イボ)を除去できることもありますが、1週間から2週間おきに数回繰り返すのが一般的です。
4. 背中はやさしく洗う
入浴時、背中をナイロンタオルなどで強くこすると、小さい傷ができてしまうことがあります。これを防ぐためには、ボディソープをよく泡立ててから洗ったり、やわらかいボディブラシを使用したりして、できるだけ背中を刺激しないようにしましょう。また、肌が乾燥すると、日常的な摩擦から傷ができてしまう可能性もあります。保湿クリームを背中に塗ることが難しい場合は、保湿成分入りのボディソープや入浴剤を使うのもおすすめです。 脂漏性角化症の場合、紫外線対策をしっかり行うことが大切です。日焼け止めをこまめに塗るとともに、UVカット加工された服やインナーを選び、紫外線をできるだけ通さないようにしましょう。
※いぼ(イボ)は、良性のものがほとんどですが、まれに悪性の場合もあります。いぼ(イボ)を見つけたら、自分で判断せずに医師・薬剤師にご相談ください。
●肌のバリア機能
乾燥や外部刺激から肌を守るはたらきのこと。肌にうるおいが保たれているときにバリア機能が発揮される。
●ターンオーバー
表皮細胞の生まれ変わりのこと。一定の周期で新しく生まれた細胞が皮膚表面まで押し上げられ、はがれ落ちるまでのことを指し、平均的な周期は約28日間とされる。この周期が乱れると、肌トラブルが起こりやすくなる。