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体脂肪率の適正値の目安とは?
体脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪の違いや減らし方についても解説!

2024年12月04日

体脂肪率の適正値の目安とは?体脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪の違いや減らし方についても解説!

ダイエットとは、ただ単に体重を減らすのではなく、体脂肪をいかに減らすかがカギとなります。そこで、健康的な体を作るための体脂肪の基礎知識と、体脂肪を減らすためにおすすめの食生活、運動などをご紹介します。

体脂肪率は、体重に占める体脂肪の割合です。家庭用の体組成計または体脂肪計を使えば、体重を測るように簡単に測定が可能です。

・体脂肪率の計算式
「体脂肪率%=体脂肪量(kg)÷体重(kg)×100」
体組成計がなくても、自分の体重から計算式で導き出す方法もありますが、手間がかかるため、健康管理アイテムのひとつとして持っておくのがおすすめです。
体脂肪率は、体の水分の量によって変動しやすいので、食後2時間以上経ってから測定しましょう。さらに、1日のうちでも体内の水分量が変動しますので、毎朝測るなど、一定の時間に計測した方が、数値のブレがなく比較しやすくなります。また、メーカーによっても多少の誤差がでると言われているので、同じ機械で計測して記録しましょう。

ちなみに、体脂肪率はパーセンテージによって下記の肥満度となります。

○男性(15歳以上)
軽度肥満 20%以上
中等度肥満 25%以上
重度肥満 30%以上

○女性(15歳以上)
軽度肥満 30%以上
中等度肥満 35%以上
重度肥満 40%以上

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もうひとつ、ダイエットの指針になる基準にBMI値があります。BMIとは、Body Mass Indexの略で、肥満度を表す指標として、国際的に用いられている体格指数のことです。BMI値は下記の計算式を使って、自分でも簡単に計算することができます。

○BMI値の計算式
BMI値=体重kg÷(身長m×身長m)

○日本肥満学会による「肥満症の診断基準」
18.5以下/低体重
18.5〜25未満/普通体重
25〜30未満/肥満(1度)
30〜35未満/肥満(2度)
35〜40未満/肥満(3度)
40以上/肥満(4度)

例えば、身長160cmで体重50kgの女性の場合だと、計算式は、「50kg÷(1.6×1.6)=19.5」となり、日本肥満学会が設定した診断基準では、普通体重となります。

体脂肪率とBMI値は視点が違う計算方法ですから、ダイエットに効果的に活かすためには、両方の数値を活用しましょう。
BMI値が低く体脂肪率も低い人は、ヤセているタイプか、またはヤセすぎているかもしれません。一方で、同じくBMI値が低くても体脂肪率が高ければ、見た目がヤセているのに脂肪がたっぷりついている、いわゆる「隠れ肥満」となります。

そもそも体脂肪とは?

体脂肪は、内臓脂肪と皮下脂肪の総称
体脂肪とは、体の脂肪のことを表し、内臓脂肪と皮下脂肪の総称です。
そもそも、体には2種類の脂肪があり、皮膚と筋肉の間に蓄えられた脂肪のことを皮下脂肪、お腹の内臓周辺に蓄えられた脂肪を内臓脂肪と呼び、この2つの脂肪を合わせた総称が体脂肪です。

また、よく耳にする体脂肪率とは、体重に占める体脂肪の割合をパーセンテージで表したもので、体脂肪の量を測る重要な指標です。

内臓脂肪とは?

内臓脂肪とは、お腹の内臓まわりについた脂肪のことをいいます。内臓脂肪は、おへその高さを基準に、腹囲やCTスキャンによる面積で測定されます。

・内臓脂肪が蓄積した体型の特徴
内臓脂肪は、胃や腸、肝臓などの臓器や筋肉にからみついたように蓄積した脂肪。男性に多い肥満タイプの代表で、いわゆる「太鼓腹」のことです。
お腹がぽっこりした形から、りんご型肥満とも呼ばれています。食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、ストレスなどによって溜まりやすく、血圧、血糖値、中性脂肪の値にも異常が出やすいものです。

ただし、一見太って見えなくても、内臓脂肪が蓄積されている人もいるので注意が必要です。また、内臓脂肪はほかの脂肪と比べて「つきやすく、減らしやすい」のが特徴です。食事の内容を改善したり、運動習慣をつけたりすると、減らすことができます。

皮下脂肪とは?

皮下脂肪は、皮膚の下の皮下組織に蓄積する脂肪のことをいいます。外的刺激から体を守るクッションの役割や、寒いところでも体温を維持するといった働きもしています。

・皮下脂肪が蓄積した体型の特徴
皮下脂肪は、皮膚と筋肉の間に蓄積し、指でつまむとぷよぷよします。お尻や太ももなどの下半身や、二の腕やお腹まわりなど動かさないところに集中してつきやすいのが特徴です。
男性より女性に多いタイプで、皮下脂肪が多い肥満体型を、洋なし型肥満とも呼ばれています。皮膚の下についているので、気付かぬうちについてしまうことが多く、一度ついてしまうと減らしにくいのが特徴です。

男性の場合

15歳以上の男性の場合、体脂肪率が20%を超えたら軽度肥満になり、25%以上は中等度肥満、30%以上は重度肥満になります。

「某サッカー選手の体脂肪は3%」といった記事を目にしたことがあるかもしれません。アスリートとなれば、体脂肪が一桁台という人もいますが、一般的な男性の場合の体脂肪は10〜19%が標準となります。
もし、この数値以内にいる人が、もう少し引き締まった体を目指したいというならば、15%前後をめざすとよいでしょう。

女性の場合

一方、15歳以上の女性の場合は、体脂肪率が30%を超えたら軽度肥満になり、35%以上は中等度肥満、40%以上は重度肥満になります。
これにより、女性の場合は、20〜29%が標準となります。男性と比べて、もともと女性の体は脂肪が多く、脂肪は、女性ホルモンの分泌にも不可欠なものとなります。それが女性らしい体のシルエットを作るほか、妊娠・出産に備えたり、臓器を守るために役立っています。

ですから、あまりに体脂肪を減らしすぎると、生理が一時的に止まったり、将来骨粗鬆症のリスクが高まるなど、悪影響が出る可能性があります。
アスリートやモデルの女性で、体脂肪率を極端に低くコントロールしている場合には、健康的というよりもむしろ、女性としての体に負担をかけているケースもあります。
体脂肪が20%以下になると、生理が止まる可能性が高くなるので、「ヤセたい」と思ってもこの数値よりは低くならないようにしましょう。

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摂取カロリーと消費カロリーのバランスが乱れ、摂取カロリーが上回る生活を続けていると、脂肪はどんどん蓄積され体脂肪率が高くなります。これは、人類が満足に食事を摂取できない時代から備わっている体の機能で、食事がとれなかったときのために体にエネルギーを蓄えるのです。

それが、現代では食事でエネルギーをしっかり摂ることができるうえ、車や電車などの交通機関を利用して歩く機会が減り、パソコンなどの通信機器も発達して体を動かさなくてもよくなりました。
そのため、摂取カロリーが消費カロリーを容易に上回り、体脂肪率が高くなりやすい環境になっているといえます。これが、現代人に肥満が増えている要因のひとつです。

増えた体脂肪を減らすためには、生活習慣の見直しが必須です。
体脂肪は、数日食事を抜いたからといって減るものではありません。逆に食事を抜くと、体が飢餓状態だと勘違いして脂肪を溜め込んでいきます。
そこで、体脂肪を減らすのにおすすめの食生活と運動をご紹介します。

体脂肪を減らすのにおすすめの食生活

食事は、3食バランスのよいものを食べるというのが、体脂肪を減らす場合の基本です。その上で、下記のことも取り入れていきましょう。

しっかり食べる、けれど食べ過ぎない

食事を抜くと、次の食事まで空腹の時間が長くなって、過食等につながります。そのため食後の血糖値が急上昇して、脂肪を溜め込みやすい体になります。また、毎日3食たべることは、ムダな間食を防ぐ効果もあります。

ただし、食べ過ぎないように腹8分目を心がけましょう。

よく噛んで食べる

ひと口ごとに、何回かんで食べているか数えたことがありますか?早食いの人は、ほとんど噛まずに飲み込んでいるといわれています。

食事は「ひと口30回」を目安によく噛んで食べましょう。満腹中枢が刺激されて満足感も上がりますし、唾液がたくさん出て消化されやすくなり、内臓の負担が減ります。
内臓の負担を減らすことは、内臓機能の改善につながり、消費エネルギーの大半を占める基礎代謝のアップにつながり、体脂肪を減らしやすくします。

野菜、海藻、キノコで食物繊維を摂取

食物繊維は、腸の掃除をして体に不要なものの排出を助けるほか、食後の血糖値の急上昇も抑えることができます。
また、口に入れる順番も、まず食物繊維が豊富なサラダや副菜などからにすると、腹持ちもよくなり、血糖値の急上昇も防げます。

アルコールの摂りすぎに注意

アルコールはそれ自体にカロリーがあるのはもちろん、おつまみに揚げ物など高カロリーのものが欲しくなりがちです。また、酔ってくると「締めはラーメン!」などと、必要以上のカロリーを摂取してしまう可能性が高くなります。酒は百薬の長ともいわれますが、適量は1日ビール大瓶1本、日本酒1合、ワイン2杯程度。自制できる範囲で楽しみましょう。

自分に合う肥満改善の漢方を飲む

体脂肪を減らす対策として、漢方を飲むのもおすすめです。例えば、食欲旺盛で食欲を我慢できず、いつも美味しくたくさん食べる方には、「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」がおすすめです。一方、食の不規則や食にムラがあり、ストレス発散でよく食べる方には、「大柴胡湯(だいさいことう)」が向いています。

体脂肪を減らすのにおすすめの運動

摂取カロリーより、消費カロリーを上回らせるためには、活動量をアップさせるのがコツです。

ウォーキングなどの有酸素運動

体脂肪が高くなっている主な原因として、運動不足が考えられます。運動をすることで、消費カロリーをアップしましょう。
まずは、いきなり激しい運動をはじめるのではなく、近所をウォーキングするなど、軽めの運動を日常に取り入れることをおすすめします。
早起きしなくても、通勤の道のりをいつもより早足で歩いたり、駅の階段を一段飛ばしで登る、帰りはひと駅前で降りて歩くなど、ちょっとした工夫で有酸素運動ができます。
こま切れに運動しても効果は同じように得られますので、まとまった時間が取れない人は、ちょこちょこ動くことを意識しましょう。

スクワットなどの筋トレ

日常の生活をしているだけでは、筋肉はなかなか増えません。スクワットや腕立て伏せなど、筋肉に負荷をかける運動を取り入れて筋肉量を増やしましょう。筋肉量が増えると基礎代謝量が上がり、普段の生活で消費できるエネルギーがアップします。

女性の場合、体脂肪が20%を切ると生理が止まる可能性が高くなると前述しましたが、体脂肪を減らしすぎるのは、体にとって負担になるので注意が必要です。
「体脂肪=ダイエットの敵」ではなく、体脂肪はもともと体に備わっているもので、役割があるのです。

“皮下脂肪”には体温をコントロールしたり、体を外的刺激から守る働きがあります。また、ホルモン分泌もします。
“内臓脂肪”は、内臓の位置を固定して胃が下垂するのを予防する働きがありますし、エネルギー貯蔵庫でもあります。
また、中性脂肪も体脂肪の一種で、血液中に存在する中性脂肪は、コレステロール値のバランスを維持するのに必要なものです。体脂肪を敵視せず、標準値の範囲でコントロールするように心がけましょう。

体脂肪率が低すぎる場合、病気の疑いもある

食事をたっぷり摂っても、活動力が多く運動もしている人であれば、消費カロリーが上がり体脂肪率が低くなりやすいでしょう。
しかし、たくさん食べているのに体重が落ち、体脂肪率も低い場合は「甲状腺機能亢進症」など代謝異常の病気の疑いがあります。
甲状腺の病気は、男性で50〜100人に1人、女性では30〜60人に1人の割合で発症します。甲状腺機能亢進症の症状のひとつに、「食べても痩せる」ことがあります。他にも、代謝が上がり動悸や発汗、とても暑く感じるなどの症状がある場合、医師に相談しましょう。

体脂肪が減ると、体重もすんなり落ちると考えがちですが、体脂肪を減らすためには、筋肉量を増やす必要があります。

体脂肪と筋肉は密度の違いから、同じ量を比べた場合、筋肉の方が2〜3倍重くなります。ですから、体脂肪を落として筋肉量を増やしても、実際は体重にあまり変化がみられないことも多いのです。

そうはいっても体の質は大きく変わり、ボディラインにも変化がみられているはずです。体重だけに着目せず、体のサイズを測ったり、きつかったパンツをはいたりして、体の変化を見逃さないようにしましょう。
生活習慣改善の効果はきっと出ているはずです。

体脂肪値が高く、肥満が気になったが、運動や食事改善がなかなか難しい…
そういう方に、脂質代謝を上げて、余分な脂肪を分解・燃焼して減らす漢方薬がおすすめです。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」と「大柴胡湯(だいさいことう)」の2処方は脂質代謝を上げて余分な脂肪を分解・燃焼する効果があります。それぞれが使う体質が違うので、まずは自分の体質に合わせて処方を選ぶことが大切です。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」のタイプ:食べ過ぎや間食が多く、代謝が追い付かなくなることでお腹まわりに脂肪がつきやすくなるタイプ。このタイプは胃腸の働きが乱れて便秘にもなりがちです。
大柴胡湯(だいさいことう)」のタイプ:年を重ねることやストレスなどでホルモンバランスが乱れ、脂質代謝が低下し、上半身を中心に、筋肉の少ない二の腕・脇腹に溜まりやすいタイプ。また、このタイプは食生活が乱れやすく、便秘にもなりがちです。
「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」と「大柴胡湯(だいさいことう)」の2処方は、ドラッグストア等でクラシエ薬品のコッコアポとして販売されていることがあります。漢方薬で自分にあう脂肪の減らし方を探したいときは、ぜひチェックしてみてください。

体についた体脂肪は、いままでの生活習慣で身についたものです。体脂肪は体にとって必要なものですが、多すぎたり少なすぎると健康によくありません。
健康な体を維持するために、体脂肪が多すぎる場合は地道に生活習慣を改善して減らすことが重要です。

減らすための近道はなく、地道に生活習慣改善に取り組むことが健康的なダイエットにつながります。
中長期的に、生活習慣を少しずつ改善して、健康的な体をつくりましょう。

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からだにいいこと
記事監修
からだにいいこと編集部
創刊18周年を迎えた女性向けの健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。